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魔王と相討って10年。異世界へ死に戻ったら、ヤンデレ美女に成長した義妹の俺への執着がヤバいことになっていた。  作者: 甥の子
死に戻り3日目

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森の攻防①

「~~~ッッ!!」


 吹き飛ばされる。


 閃光と、轟音と、爆風に晒されて。

 アウローラの身体は冗談のように遥か後方へと吹き飛ばされていった。


 木々に激突するもその勢いは止まらず、そのまま何本かを薙ぎ倒したところでアウローラは『第九の剣軍(ザ・サウザンド)』を発動。


 中空に2本の剣を具現化し、交差させた剣で無理やり自分の身体を受け止めさせた。



「げほっ……!」



 常人なら骨が砕けているであろう速度で叩きつけられるも、強大な赤色魔力を纏ったアウローラの肉体は多少の痛みを感じる程度で済んだ。


 地面に着地したアウローラは即座に樹の裏に隠れ、歯噛みする。


「くそったれが……ッ!!」


 ぺっ、と口中の血を吐き捨てた。

 突如背後から飛来した『何か』をギリギリで回避したものの、吹き飛ぶ石と砂利によって唇と頬が切れたのだ。


 アルカディアに気を取られ過ぎていたせいか、反応が遅れた。


 そのアルカディアはというといつの間にかいなくなっている。


 そのまま消し飛んでいればいい。

 心の底からそう思った。


(爆発の中心からここまで……結構飛ばされたわね)


 攻撃そのものを視認することは出来なかった。

 しかし肌感で理解する。


 放たれた『何か』は、高密度に圧縮された魔力の『矢』だ。

 それもアウローラの魔力探知範囲外からの長距離射撃。


 アウローラは樹の幹を背に、両眼に魔力を集中させ、紅蓮の眼光でその先を見据えた。


 そして、



「……驚いた。まさか、あそこからピンポイントで狙いにきたというの?」



 細部は見えないものの、魔力によって強化された視力は、射手と思しき人影を捉えた。


 弓のような物を持った人影がいるその場所は標高50メートル程の小高い丘の頂上だった。


 驚嘆すべきことに、先ほどアウローラが攻撃を受けた地点から直線距離でも実に4km以上は離れている。


 常識を逸脱した長射程・超精密射撃。

 先ほどの暗殺者たちとは明らかに格が違う。


(あれも聖天教の刺客? さっきの連中となんだか感じが違うけど……いえ、考えるのは後回しね)


 先ほどの一撃。

 あの『矢』に籠められた魔力は少なくとも『第九の剣軍』20本分はあった。


 まともに喰らえばアウローラといえど、ただでは済まない。


 仮にあれを連射できるとしたら相当な魔力保有量だ。


(兄様が傍にいる時にあのレベルの攻撃を受けたら洒落にならない。何者か知らないけど、ここで始末しておく必要があるわね)


 たとえ直撃せずとも、余波だけで周囲の人間を粉々に吹き飛ばす威力。

『聖王』としての力を失ったソラではそれだけで致命傷になりかねない。


「――すぅ」


 アウローラは意識を切り替えた。

 しゃがみこみ、黄金の短剣の切っ先を地面にかざす。

 切っ先から放たれた紅い稲妻は地面を奔り、200メートルほど離れた場所で一振りの大剣として具現化された。


 そのまま射手の影へと向かって撃ち出される――が、森を出た瞬間に大剣は空中で撃ち抜かれ、魔力の爆発と共に粉微塵に砕け散った。



「ちっ、良い腕してるわね」



 後手で放たれた矢が、先手のアウローラの剣を正確に射抜いてきた。


 当てるつもりのない小手調べとはいえ、敵は『第九の剣軍』を容易く破壊できるほどの魔力を瞬時に練って放ってきたのだ。


 聖王国の騎士の中でも精鋭クラス、あるいはそれ以上の業前。

 一朝一夕で身につくような練度ではない。



(単純な射程においてはあちらが圧倒的に上。狙いも正確で、反応も早い。あの『矢』を躱しつつ、距離を詰めるには工夫が必要ね)



 幸い小道具なら転がっている。

 出たとこ勝負は『聖王』直伝だ。




 樹の陰から飛び出たアウローラは勢いそのままに疾走を開始した。








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