起きたら隣で美女が寝てるのはお約束だよね
チュンチュンという鳥の鳴き声に、俺の意識はゆっくりと覚醒していった。
……む? なんだか息苦しい?
無意識に酸素を求めて大きく息を吸い込むと、何やら甘い香りが肺を満たした。
「ん……んん……?」
瞼を開くと、白い滑らかな首筋が飛び込んでくる。
次いで顔を上げると、そこにはアーラの端正な寝顔。
どうやら俺は彼女に抱き枕にされて眠っていたらしい。
「……おお。なんてお約束の展開なんだ」
もぞもぞと布団をどかして起き上がって見てみると、なんと彼女はブラとパンツだけの下着スタイルだった。
……そういえば昔もよく俺の寝床に忍び込んできたけど、その時もこいつは下着姿になることがちょいちょいあったな。
夏も冬も関係なしに景気よく脱ぐから暑がりなのかなと思い訊いてみると、アーラいわく「その方が兄様が嬉しいでしょ?」とのことだった。
まぁ残念ながら別にエロイ気持ちになるとかはなかったけどね。
当時のアーラは今みたいなボンキュッボンじゃなくツルペタだったし。
俺はロリコンじゃなく、どちらかと言えばお姉さん系がタイプなのだ。
「……うぅっ、さむ……」
ちなみに俺の恰好は昨日と変わらずマッパだった。
室内とはいえ冬の朝の空気に全裸はつらいので、再び布団にもぐりアーラの温もりに包まりつつ辺りを見回してみる。
「ここは……もしかしなくてもアークレイ家の屋敷か?」
俺たちがいるのは何やら豪勢な寝室だった。
ベッドは俺とアーラが二人で寝てもかなり余裕があるキングサイズで、部屋自体も相応に広い。
部屋の中にある調度品なんかもやたら高級そうだし……明らかに貴族の屋敷といった感じだった。
「……まぁ、そのあたりは後で訊くとして」
すぅすぅとあどけない顔で眠るアーラを改めてまじまじと観察する。
長いまつ毛に縁取られた目蓋。形の良い鼻と唇。そしてサラリと流れる紅い髪……。
「美女の寝顔。……うーむ、眼福ですなぁ」
こうして見ると本当に綺麗になったよな、こいつ。
うん。兄ちゃん、感無量だよ。
死に別れた頃はまだ幼さの残る少女といった風貌だったが、今は美しく魅力的な『女』へと成長を遂げている。
これだけの美人ならさぞやモテモテだろう。
すでに恋人の一人や二人ぐらいいるのかもしれない。
ちょっと寂しいが、まぁその時は俺が相手を見定めてやろう。
お前なんかにウチの大事なアーラはやれんとかそんな感じの親父ムーブで。
そんな妄想を浮かべながらしばらくアーラの寝顔を眺めていると、アーラが「ううーん」と身じろぎし、その拍子に彼女の柔らかくて大きな胸が俺の顔に圧し掛かってくる。
「おぉ……っ!!」
おっぱいの感触がむにゅりとダイレクトアタック!
いいね。
やっぱり男はいくつになってもおっぱいの虜だよ。
少なくとも俺はジジイになってもおっぱいに興奮する自信がある。
リビドーのボルテージがイヤでも上がってしまうじゃあないか。
そんなわけで俺は本能の赴くまま、目の前のたわわな果実にタッチタッチここにタッチ。
「むっ。これは素晴らしい……」
むにむにと揉みしだく。
なんだこれ。
指が沈み込むほどに柔らかいのに、そのくせ張りがあって……。
餅のような、ゼリーのような……ぽよんぽよんした感触。
なんだかずっと触っていたくなる。
このおっぱいに触れられただけでも、死に戻った甲斐があったというものだ。
存分にその感触を堪能していると、アーラが「んっ……」と艶めかしい吐息を漏らした。
くすぐったそうに身をよじっている。
「……なんてエロイ顔をするんだ、こいつは」
こんなふうに雑に胸を揉まれて感じてしまうなんて。
調子に乗って先っぽをつまんじゃうぜ。
俺は胸の先端を親指と人差し指でコロコロ転がしながら、残りの指で胸全体をモミモミする。
アーラの体が大きくビクンッと跳ねた。
「……おっと。起こしちゃったか……?」
おそるおそる見ると、頰を紅潮させながらも彼女の眼はまだ閉じたままだった。
……これ以上は危険か?
いや、大丈夫だ。まだいける。
俺はさらに大胆にアーラの胸を揉み続ける。
「ん、うっ……」
彼女の口から再び甘い吐息が漏れ始めた。
優しく撫でるようにしてみたり、少し強めに押し込んでみたりと色々試す。
その度にアーラは体を震わせたり声を漏らしたりするので楽しくて仕方ない。
やがて彼女の胸が俺の手汗でしっとりと湿り気を帯びていき、段々下着越しじゃ満足できなくなってきていた。
「……大丈夫だ。これはアーラの成長を確かめるためであって、やましい気持ちなんてカケラもない。ゆえにこれはセクハラじゃない」
聞かれてもないのにゴミのような言い訳を並べる。
はい、まったくもって大丈夫じゃないし100%セクハラです。
だが、アーラっぱいでアホになった俺は止まらないぜ。
Get Ready……
準備はいいか?
無様に暴発しないよう注意しろ。
我らはこれより人類の夜明けを拝むべくアーラ山脈へと登頂する。
そして俺はアーラのブラジャーを外すために背中のホックに手を伸ばして―――
「兄様? 一体何をしているのですか?」
いつの間にか起きていたアーラにガシリと手首を掴まれた。