指名依頼
ぜひ最後まで読んでいって下さい。
「あら〜いらっしゃい。」
「リズさん、こんにちは。」
最近は、結構な数の依頼を梟さんとこなしている。あの、初めての依頼以来まだ例の注射器は、発見できていない。あの注射器を見た梟さんの取り乱し様が、まだ気になっている。
「今日はね〜あんた達に、指名が入ってるわよ〜。」
「久しぶりね、梟。」
そこにいたのは、赤髪のショートカットで背が女性としては、やや高めの可愛い女の子がいた。
「お前か。久しいな。で、何だ俺たちに依頼とは?」
「その前に自己紹介いいかしら、助手さんが困ってるわよ。私の名前は、エリス。よろしくね。」
「僕は、リョウっていいます。よろしくお願いします。」
「じぁ早速だけど、依頼の話をすると、ジョーカーのアジトが判明したから、そこを潰して欲しいの。やれるよね?」
「あぁ、分かった。それ、受けよう。」
少し重たい雰囲気で梟さんは、返事をした。
「ちょっと待って下さい。梟さん、ジョーカーって何ですか?」
「梟、あんた助手の子に言ってなかったの?昔から大事な事は、何も伝えてないよね、そこは、変わらないんだね。それでね、ジョーカーって言うのはね、梟の恋人を、」
そうエリスさんが言いかけた時、梟さんがエリスさんの口を手で塞いだ。
「余分なことは、喋るな。俺が教える。ジョーカーって言うのは、前見た、違法な注射器を作ったり、危ない薬を密輸、販売しているところだ。この街の悪が、集まったようなとこだ。」
エリスさんが言いかけた事も気になるが、今はジョーカーの事に専念しよう。そう思った。
「とにかく、やってくれるよね梟。」
その日の夜、アジトに潜入する事が決まった。早くしないとジョーカーがアジトを移動してしまうからと言って、あの話の後、急いで準備をした。
「結構いますね。大丈夫ですかね〜こんな数相手にするの。」
「まぁ心配は、いらねー、俺がある程度は、守ってやるから、お前は死ぬんじゃねぇぞ。」
そう言うと梟さんは、ハンドガンを渡してきた。なんか含みがこもった言い方だった。
「まぁハンドガン何て、混沌が出て来たら気休めにしか、ならねぇけどな。」
「混沌って何ですか?」
「前、俺が使っていた力だ。普通の人は、使えないような特別な力。だから混沌っていうんだ。で、その力を強制的に発動させるのが、あの注射器だ。俺の触手は、数多くある混沌の中の氷山の一角にしか過ぎないがな。」
あんなにも恐ろしい力が、まだあるのかと思うとゾッとした。そして、あんなに恐ろしい力を量産しているジョーカーは、何者なんだ。
「合図を送ったら、突入するぞ。」
そう言って僕たちは、配置についた。ジョーカーは、たくさんある中の一つの倉庫に固まっていた。
「よし、行くぞ。」
そう言って僕たちは、突入した。
乱戦だった。僕達は、2人で銃をとにかく撃った。凄い撃ち合いだった。僕は、玉が当たらないように隠れながら撃っていた。梟さんは、玉を避けながら前進していた。あの人は、バケモンだと思った。
そして、ある程度中の人らが死んだで、梟さんに近づいたその時。
「ドン!」
目の前に、混沌を使っているであろう両腕がトラック並みにでかい男がきた。
「下がってろ。」
梟さんは、そう言うと背中から触手を出して、その大男と対峙した。梟さんの触手と大男の腕が激しく交じり合った。
「お前、梟だな。クックックッ死ね〜。」
凄い激しい戦いだった。僕が、ハンドガンで応戦しようにも速すぎてできなかった。
決着は、速くついた。梟さんの方が一枚上手だった。
「クックックッ、梟、お前が求めるものは、ここには、ないぞ。」
そう言い残して大男は、死んでいった。梟さんと大男が戦っている隙に、他のジョーカーのメンバーは逃げていった。
「帰るぞ。」
また、梟さんが辛い顔をしている。僕にもっと力があれば、何かが変わっていたのかな。
後日、バーに行くとエリスさんがいた。
「お疲れ、リョウ君。」
そう言ってお酒を渡してきた。
「ゲ〜、、どんだけ強いお酒飲んですか?」
「ハハハ、リョウ君がなんか悩んでそうだったから、つい。」
「つい、じぁないですよ〜。」
「じぁ、またどこかで会えたらいいね。」
そう言ってエリスさんは、バーを後にした。
ほんと、台風みたいな人だった。僕は、エリスさんから貰ったお酒を飲み干してバーを後にした。それが、エリスさんとの最後の会話になるとも知らず。
それから、エリスさんが死んだと言う報告を聞いたのは、もう少し先の事だった。
誤字などありましたら教えて下さい。
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