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テーマ詩集:抱擁

抱擁

作者: 歌川 詩季

「抱」より、「擁」を使っちゃいます。

 僕が両腕を失ってから

 ギターが弾けなくなった

 ボールを投げられなくなった

 ()せた肩から垂れ下がるよ チカラ無キ棒キレ


 傷つけることを知らない無垢(むく)さを

 その引き換えにまでして手に入れたのか?

 今じゃもう つかみとることもできないけどね


 僕が両腕を失ってから

 君を()きしめることができなくなった

 ぬくもりは伝わらない ぬくもりは与えられない

 僕が両腕を失ってから

 ひとりぼっちの世界がいやに綺麗で

 蹴り飛ばしてやりたいぜ

 傷だらけの両腕で 砕けるほどに君を()きしめたい



 僕が両腕を失ってから

 クラブが振れなくなった

 キャンバスは真っ白のままで

 役立たずなら切り捨てるよ ケガレ無キ棒キレ


 血塗られることを知らない無辜(むこ)さを

 腕の無い女神像になぞらえるのか?

 こんなのを 美しさなんて呼べないけどね


 僕が両腕を失ってから

 君を()き寄せることができなくなった

 愛しさは伝わらない 痛みさえ与えられない

 僕が両腕を失ってから

 君無しでの世界がやたら素敵で

 蹂躙(ふみにじ)ってやりたいぜ

 血の通わない両腕で 力の限り君を()き寄せたい

 サッカーは、できますね。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  失なってしまったものは。  やり遂げられる力、または情熱、または憧れ、なのでしょうか。  手放したら楽になれることをわかっているのに。  それでも求めるせつなさが胸を打つようです。 […
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