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Reality barrage Gamers〜超近未来な世界観とそんな世界のゲームから。少女は今日も革命を起こす〜  作者: diamond
第2章 闘技大会編

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T084  道標は歩む先に

*>>ナユカ視点



 見事ワンライフをクリアしたユキは、そのままメンバーの所に帰ってくる。表情はさも余裕そうだがあれはたぶん取り繕ってるね。何となくそんな気がする。


「さすがユキ!ちゃんとクリアしてくれたね!」


「うんうん〜、このくらい朝飯前だよ〜」



 実際には晩飯前である。大会ソロ終了後から動き出したこともあり現在時刻はかなり遅く深夜に入る。


 そんな私たちを他のメンバーとギャラリー、そしてビュアさんの視聴者は誰も一言も発言せずに見守ってくれていた。



(え?なんなんですわ!?なんなんですわ!?この2人!?)

(俺はこんな化け物に挑んで返り討ちにあったのな…)

(まさか!?まさかですよ!?こんなことできるとは思わないじゃないですか!?しかも同時に2人ともですよ!?)

(ウソーン…)


 逆にみんな静かすぎない?



『な、なにこれ?』

『化け物展覧会(てんらんかい)か何かだな』

『え?何?ここ、咄嗟とっさに生えてきた木を逆利用したり、いきなり飛んできた爆弾アイテムをり飛ばして回避するようなそんな技術求められるの?』

『この後のプレイヤー可哀想だな…。同情するぜ』

『いやよく見ろ、順番待ちの列半分くらい減ったぞ…』

『むしろ半分は残ったのかー…』




 とりあえずコメントはさわがしいまま。そして少しづつギャラリーもガヤガヤと音量が上がっていきもう何を言っているのか聞こえないくらいに騒がしいお祭りムードが戻ってきた。




「あ、あの!!」


 そんなギャラリーの中、背丈の小さな女の子が私に声を…


「サ、サインくださいッ!!」


 そう言いながら差し出される色紙。


「ん…?」


 え?え?私?サ、サイン!?


「ん〜、まあ、そろそろこういうファンサービスもしてあげないとね〜」


 そんな私の困惑は露知らず、おもむろにユキはその色紙を受け取ると、左斜め上の方に「yuki」と指で描き私に差し出してきた。


「まあ〜、有名税ってやつだよ〜。ナユカも描いてあげなよ〜」


「え?いや私?ユキだけで良くない?」


「いえッ!ぜひ!!」



「お、おぅ…。でも私初心者だよ?」


「「「んなわけあるかッ!」」」



「えーーー!!」


 ハルトさん、ミカさんに続きアリアさんにまで同時に否定された。いやいや、初心者でしょまだ初めて1ヶ月もたってないんだから!!


 だがその女の子は断られそうになると途端に悲しそうに曇る表情…うっ…。それは反則である…


 女の子に悲し思いをさせたくないので仕方なく「nayuka」と色紙の右下にサインをした。その後それを受け取って満面の笑みを浮かべる女の子。

 まぁ喜んでくれてるならいっか。と気を持ち直す。…ちなみに色紙なんて売ってるの?このゲームで見たことないんだけども。


「さて、ちょっとアイテム使うよ〜」


 喜んでいる女の子を前にユキが取り出したのは、最近お世話になりっぱなしである姿隠しのカプセルだ。


 あれ?持ってるなら行きも使えばよかったじゃん?そんな疑問を1人で浮かべるが、ユキが何を考えているのか教えてくれる素振りがないので諦めた。そうして私たち6人。リリースの姿はこの会場から消えてった。


 ちなみに後で知った話、こういう並んで受付などが必要な場合は、アイテム使用状態では参加出来ないという仕様が有るらしい。






*>>三人称視点






「彼女。すごい注目度集めてる」


「あんだけ黒龍とドンパチやったり?ほとんどユキと一緒に行動してたり?今回みたいな生配信してたら、そりゃー目立つよね…。あれ。ユキわざと目立つようにしてるでしょ?」


 そうぼやく2人は今仕事を終え、祭りのように並ぶ出店を楽しもうと闘技場から出たばかりであった。

 そんな中。人だかりを見つけ、何が起こっているのか確認しに近づいたのである。すると、今話題のパーティーがそのミニゲームに挑んでいる最中だったのだ。


「あの子もう規定値達したんじゃない?」


「その周り。もワンチャン有り得る。でも。約束は約束。デュオで優勝」



「いや…。どう考えてもその前にGMから接触してって言われるのがオチだと思うよ?」


「…かも」


 そう話す彼女達は、遠くからその楽しそうな2人を眺めていた。


「まあ、そうなったら私は仕事が減っていいんだけど。…あ、あのデザートみたいなの美味しそう!」





「アキアカネ。ワンライフ。どこまで行ける?」



 唐突に問われるヒカリの問にアキアカネはデザートを売っているであろう出店に行く足を止め…


「行けても4:00。ヒカリは?」


 振り返りながら真面目に答えるアキアカネ。ついでにヒカリに同じ問を返す。



「あそこまでの。身体能力がまずない。行けて3:00」


 ヒカリは再度、そのパーティーを眺めようと視線を戻すが、もう既に彼女たちはいない。


「まあ、そんなとこだろうね」


 ヒカリの答えを聞いて、再度出店の方に歩み出すアキアカネ。既にその顔は今にもヨダレが垂れそうなほど緩みきっていた。



「遊ぶのも、いい。けど。明日も実況、あるから。程々に」


「大丈夫!わかってるよ」


 そうして2人は人混みの中に消えていく。その後ろ姿を横目で見ながらユキは薄く笑うのだった。








「まだまだだよ〜?お二人さん」


「何か言った?」



「いや〜、なんでもないよ〜」

次回は、特殊なお話です!タイトルは後々回収するはず…

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