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Reality barrage Gamers〜超近未来な世界観とそんな世界のゲームから。少女は今日も革命を起こす〜  作者: diamond
第2章 闘技大会編

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T073  【鉄雨ノ弾幕下克上】



 しばらくして本選が始まり、1戦目の戦いが幕をあげる。私たちは約束通り、ハルトさんの試合の方にチャンネルを合わせて待機していた。


 ん?ユキはいいのかって?いや、ユキが初戦から負けるわけないじゃん。応援するだけ無駄だよ?最後の方までたぶん負けることはまずないって言われてたからね?ビュアさんに。ミケちゃんは相手の選手にどんまいと、割かし、マジな表情で言ってたから…


「ハルトはまだなの?」


「もうすぐ始まりますよ…。ほら」


 あれから何かとソワソワしているアリアさんは、横からジト目でビュアさんに見られていてもなんのその。てかあれ気付いてないね。


『さあ!皆さんこんにちは!今日は待ちに待った闘技大会の本選です!数多のプレイヤーの中から選ばれた1000人の選手が!今日ここでさらなる高みを目指して戦います!!』


『よろしくナ〜』



『実況は私!シェナと!』


『アルがお送りするナ〜』


 あ、実況いつもの人達と違うね?まぁでもそうか、何チャンネルもあるのに全部は無理だもんね。


『さあ!アル!今日の初戦のカードはどの人達かな?』


『1回戦目はメルル選手とハルト選手ナ〜。説明はシェナ頼むナ〜?』



『はいはい!うけたまわりました!それじゃあ説明しましょう!と言ってもランキングなんて言われてもパッとこないでしょうから、ざっくり言っていきますね!』


 なかなか始まらないな〜?と思ってたらそういえばこれ全試合現実の方でも見れるように放送してるんだったね。

 そのための説明と時間の調整をしているっぽい、意外と実況の人たちも大変そうだね。



『…と、言う感じです!』


『ありがとナ〜』



『いえいえ〜!ではそろそろお時間となりました!フィールド上にバリアがはられていきます!』


 えっと、ルールは回復薬の使用制限。制限時間は10分ね。フィールドはアリーナ(闘技場)内ならどこでもいいと。


 あ、ちなみに天井はあるし、観客席と舞台の境界は透明なバリアがあるから安全だよ!




《3…2…1…スタート!》



『さあ!始まりました!!開幕はハルト選手動かず、メルル選手は上に向かって飛んでいきます。これはハルト選手追わないんですかね?』


『ハルト選手は別に上じゃないといけなってことは無いからナ〜。遠距離攻撃手段がとぼしいから、あまり高いところに逃げられるのもダメだろうけど』



『ワオ!早速ハルト選手仕掛けました!アル!この技は?』


 上空に行く相手に対して、ハルトさんは技を発動する。


「【鉄雨てつうノ弾幕下克上(げこくじょう)】!」


 そして現れるは、たくさんの投げナイフが相手の頭上からまあまあの範囲に降り注ぐ。それと同時に下からも魔弾の弾幕を飛ばす。


「あれ全部失敗作って言うのがあいつのやばいとこだよな…」


 そう、ミカちゃんが言うように、あれは全部この1週間のハルトさんの鍛治のスキルの失敗したナイフである。それを上からただただ落としているだけだ。

 そして下から魔弾でそのナイフを弾いてさらに弾き飛ばし相手にナイフをデタラメに送り飛ばす。


『うひゃー…』


『技名は【鉄雨ノ弾幕下克上】で、使用スキルは〔転送〕〔魔力〕〔落とす〕〔弾く〕〔集合〕〔連動〕〔発射〕〔風〕だナ〜』


『上から投げナイフを〔転送〕、それを下から〔弾く〕のついたを魔弾〔発射〕って感じですか!あれ?でも集合とか連動とかは意味無くないですか!?』


『それはこれからだナ〜。見てたらわかる』


「っ!【落石雷々《らくせきらいらい》】」


『と!ここで少しづつダメージが入っていたメルル選手も技を発動しました!』


 次の瞬間。相手選手が急降下しながら、周りに岩弾を生成。さらにそこに電撃を被せて蜘蛛くもの巣のように広がった雷撃と落石岩弾がハルトさんを襲う。


 が、それを〔瞬歩〕で効果範囲外まで脱出することで回避したハルトさん。


『こんどは!?』


『【落石雷々】。〔岩〕〔連動〕〔集まる〕〔鉄〕〔雷〕〔急降下〕〔落下〕〔麻痺〕だね』


 さらに!!


『あっ!!こんどはハルト選手のナイフが!!』


『〔風〕で軌道きどうを整えながら〔連動〕と〔集合〕でいい感じにほとんどのナイフをメルル選手の後ろから当てたナ〜』



『ナイフは魔力攻撃ではなく物理攻撃のため、当たりどころによっては致命傷になり得るぞー!』


 まるで波のように相手にナイフを操りぶつけていくハルトさん。相手も必死に〔防御〕でダメージを無くそうとしているが、どんどんHPは削られていく。


『だナ〜、そして物理だから防御しにくい。あ、首に当たった…』


『おっと!ここで試合終了!勝者ハルト選手です!いや〜、結構すぐ終わりましたね』



『別にメルル選手が弱かったわけじゃないナ〜。ハルト選手の発想と作戦勝ち。という感じナ〜』


 試合が終わり実況と解説が振り返りをしている中、ハルトさんがっこっちを見て手を降っていた。


 アリアさんは腰に手を当て、胸を張ってふんす!ふんす!とドヤ顔をかましている。おーい、勝ったのはハルトさんでアリアさんじゃないよ〜?


 後に帰ってきたハルトさんは帰ってきてこういった。




「余裕」




「嘘ですわっ!!」

「だね〜」

「さっきまでまともに反応無かったのは誰でしたっけ?」

「あはは」

「男って変な生き物だよな」



「なんかみんなひどくね?」




 こうして無事ハルトさんは、1回戦を乗り切ったのであった。

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