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Reality barrage Gamers〜超近未来な世界観とそんな世界のゲームから。少女は今日も革命を起こす〜  作者: diamond
第7章 七恋星編

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Z342  小さな小さな非力を集めて



*>>三人称視点



 ナユカと同じメールを受け取ったビュア。そのことをセリエルに共有し、セリエル側、インフォメーションコーポの対応を話し合う。

 お互い、この件に対して心当たりは無いようであった。



「ナユカさん以外のメンバーも関係ないとなると、やはり突発イベントでしょうか?」


「外はかなりやばい状況見たいです。モンスター達はやはりと言うべきか、ノアと闘技場を目指して動いている様子。ですが、その通り道にあるお店やギルドにも無差別な攻撃が追加されているようです」



「…マスターもこの店の防衛をしなくちゃならないということですか?」


「そうなるでしょう。つまり土地を持つプレイヤー達は今回、前回のようにアクティブに動くことが困難となっています」



 ノアや闘技場を守らなくてはならない。それは視界上に出てきた緊急クエストが示している。



ーーーー



緊急クエスト:モンスターの襲撃


各闘技場周辺の戦闘不可エリア改め、セーフティーエリアと各艦「ノア」シリーズを死守せよ!!


勝利条件:敵モンスターの殲滅せんめつ

敗北条件:セーフティーエリアの破壊orいずれかのノアの破壊


ノアNo.1 稼働中:管制室、主砲

ノアNo.2 稼働中:管制室、主砲、副砲、格納庫、都市防壁

ノアNo.7 稼働中:管制室



ーーーー


 がプレイヤー達にとって自分の所持している土地というのはかなり重要である。ホームが敵に破壊されてはノアを守っても意味がなかった。



「CSF的には早期に大規模戦闘システムの起動がよろしいでしょう」


「それはおそらくどの地域でもそうでしょう。ミカさんいわく、全施設で合計出力が5万ワット行けば起動するらしいです」



「…それ以前ミカさんひとりで起動してませんでした?」


「あの人は例外です」



 ミカの〔電力〕はその他スキルの効果、装備の効果でとんでもない出力を発揮する。

 それもそのはずで現状、巨砲から超長距離、超火力のレーザーを〔レーザー〕スキルなし。素のEPと巨砲の物理的な設計で発射しているのはミカくらいなのである。巨砲一発打つのにすら通常プレイヤーなら不可能。EPを育てていても一発チョロリと漏れるだけであった。



 ナユカ達と出会う前からそんな大食らいと共に居たのだから現在のミカは普通に考えて化け物である。



「では我々も戦いながら少しでもEPを寄付しに行きますか」


「そうですね」



 2人はVIP席を立ち上がり部屋を出ようとする。リリースとしてのビュア。インフォメーションコーポとしてのセリエル。

 そんな2人を見上げる小さな小さな傍聴人は、今までの掟を破り意を決して声を上げた。


「お待ちください。お二人共!」



 二人しかいないはずのこの部屋で。通常プレイヤー達には知られていないVIP部屋。お互いの重要な情報を交換するために外部への漏れを完全にシャットアウトしているはずのその部屋の中で聞こえた。三人目の声。


「「ッ!?」」


 一瞬にして背筋に冷や汗が垂れたのかと思うほどの悪寒が二人を反射的にその三人目へと向けさせる。

 その声の主はかなり小さく、先程まで互いが挟んで座っていたそのテーブルの上に立っていた。


 小さな小さなネズミのモンスターが。



「わわ!?警戒しないでください!!」


 即座にお互いが臨戦態勢になったのを見て敵意がないことを小さな体を全力でバタバタさせアピールするネズミ。


「ネズミ…見たのはスカイスクランブル以来ですね」


「なんの用でしょうか?」



 ビュアはネズミに心当たりがある。スカイスクランブルイベントで猫と鳥との争いがメインであるが、ビュアのカメラに記録された、その争いの裏側に居た種。それがネズミである。

 そのことを当時から接触があったビュアとセリエルはもちろん共有している。ここには居ないがサーニャもその存在は知っていた。


「僕はネズミの…リーダー。名もない若輩者ですが、お二人の情報量と影響力を考慮した上で協力していただけませんか?」


「リーダー…」


「小さいですね…まだ子ネズミでは?」



 ネズミのリーダーを自称したこの小さなネズミはそう言って頭を下げる。とりあえず互いにアイコンタクトでもう一度席に座り直したビュアとセリエル。


「とりあえず、話は聞きましょう」


「感謝します。では、今日…と言っても先程なのでちゅが、我々のリーダー…いえ、元リーダーが星域外部からの異質な侵入を検知しました」



 早速2人の頭の上にはハテナが生成されることとなる。


「それはやって来てそうそう。この星域を我がものにすると宣言しました。警告しましたが聞かず、結局元リーダーが自らを犠牲にしてその存在を元いた場所へ。「帰還クリスタル」を無理やり使わせ帰らせました。ですがその直後、この星域に打ち込まれるモンスターミサイルの数が激化。その存在はこれまで来訪者が逃げてきた元凶そのものと判断します」


 ここで来訪者と繋がるのか。2人はそれぞれ別々に淡々と動いていた物語が繋がっていくのを感じる。


「我々ネズミはその他の種。プレイヤーを含めた12種へその情報を緊急事態として通達。全陣営が協力しその存在。古き伝承の姿より悪魔と判断したそれらの王。魔王の討伐をお願い申し上げます」



 さらに繋がるピースとピース。来訪者。魔王。そしてPVで話題になった勇者の存在を。

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