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Reality barrage Gamers〜超近未来な世界観とそんな世界のゲームから。少女は今日も革命を起こす〜  作者: diamond
第1章 魅力編

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032  緊急クエスト:黒の試練




「あまり…。人前には出たくなかったのですが…。いたし方ないですね」


 ハルトさんがそう呼びかけてしばらく、何もないところから新聞記者のような格好の女性が現れた。彼女はベレー帽?を深く被りその隙間から黒髪ショートヘアを覗かせていた。



 ちょっとだけ驚いた。ハルトさんが彼女に話しかけるまで、何もなかったそこに突如とつじょ人が現れたからだ。


 なに?透明化とかあるの?全く気が付かなかった…


「それで?なんで〔透明化〕なんて使っていたのですか?」


「面白そうなプレイヤーがいたので、あわよくば勧誘かんゆうしようかと。でも実力も何も知らないとさすがに不安が残るので。後ろからつけさせて貰いました」


 アリアの問いにそう悪びれもなく答えるビュア。


「とか言いながら、黒オーブを狙ってたって落ちじゃね?」


 ハルトさんはそうビュアさんをうたがってかかる。まあ確かにその〔透明化〕のスキルでこっそり脇を抜けてオーブをとることも可能だろう。そして今の状況はそう見えても仕方がない。自分の獲物を横取りされそうになったかもしれないハルトさんは少し怒り気味に、卑怯者を見るようなそんな目線をビュアさんに向けていた。


「ちなみに、あなたがおっしゃる通りなら、一体誰をストーカーしていたので?」


 アリアはそうビュアに問いかけると、少しキョトンとした顔で。


「ストーカーとは人聞きの悪い!私は実力を見ていただけです!!」


「それをストーカーって言うんだよ?」 


 は!思わず突っ込んでしまった!!あまり会話に馴染めてなかったのと少しまた怖かったからそんなにしゃべってなかったのに!


「で?誰をつけてたんですの?」


 再度アリアはビュアに問いかける。







「ナユカさんですよ」


「私!?」


 怖!?私ゲーム初めて初日にストーカーされてたよ。さっきから感じていた視線はこいつからかー!!まあ敵意はなかったっぽい?ならいいか…。いやいいのか?ひとまず、ユキ、ヘルプ…。私…


「マンションの窓にタックル決めようとしてカエルのようにへばりついて落下していく…ら辺からですね!」


「見てたんかい!!」


「何やってたのよ…」


 そんなに前からみてたの!?衝撃でなんか色々吹っ切れたんだけど!?


「あれ?でも私途中ログアウトしたよね?」


「はい、なのでまたログインしてきたあなたを見つけるのに苦労しましたよ?」


 うわぉ…、ストーカーこわぁーい。


「…なんでログインしたのわかったの?」


「そういうスキルも存在するんですよ」


 …今の時代に個人情報ダダれとかこのゲーム大丈夫か?


「ログインした場所までは分かりませんけどね?なんで同じ場所にログインしてくれて助かりました。探すの楽で」


「ストーカーですわ…」


「通報していいかな?いいよね?」


「いいんじゃね?」


 よーし通報ーー


「いやいやいや!!ちょっと待ってくださいよ!今イベント始まったばかりなんですからー!」


 私の平和のためだから仕方ないね!


「とりあえず自己紹介しねーか?アリアはわかるが他は知らないと後々困る。俺の名前はハルト。遠距離よりも近距離が得意かな」


「私はアリアと言いますわ。まあ、遠距離主体の魔法陣をよく使うわね」


「え?あ、次…私?私はナユカ。初心者です。今日始めたばかり」



「「嘘!!?」」



 …ほんとだよ?



「私はビュアと言います。普段は動画を投稿したりしてます。自分で言うのはなんですが結構知名度あるかと!」



「聞いたことありますわね」


「そうか?」


 そうアリアさんとハルトさんが反応する…。私?そもそもそういったもの見ないからね。知ってるわけないじゃん!


「戦闘はスピードよりの属性攻撃が得意です」


「とりあえずこんなものか…」


「で?これからどうするですの?あと配分ですわね。もしイベントをクリアしても報酬が黒オーブ1個ならそこから更に戦闘ですわよ?そんな体力、戦闘後にお持ちで?」


 私も結構危ないんだよね…。HPはあるけどMPが枯渇こかつ寸前だ。


「ないな。回復薬も少ないし、さっきの戦闘でだいぶHPが心もとない」


「私もまさか戦闘になるとは思ってませんでしたので…。MPの方が残り3割ですね」


「私もー、ビュアさんより少ない…」


 ちょっとやばいかも、みんな全開じゃないのはつらい。私は回復薬なんてものも持ってないし…




「ギュオオオオオオオオオオオオオーーーー」




「どうやら待ってはくれなさそうですよ?」


 私たちの目の前にはいつの間にか、オーブの姿かたちもなく、そこから更に何かが構成されていた。

 それは次第に大きくなり異形いぎょう咆哮ほうこうをあげる。


「これは、モンスターですわね?」


「あぁ、そうみたいだ…。しかもかなり大型のがお出ましだ…」


「いやー…。これは動画 えしそうですね。あ、皆さんこの戦闘動画配信していいですか?」


 私は何が何だかよく分からないよ!!モンスター?大型?配信!?アア…。もう好きにして!(諦め)


「モンスターなんて、空島イベントの時くらいだぞ?」


「私もですわ」


「…」


 そうしている間にもそれはどんどん大きくなっていき、そうして現れたのは全体的に黒1色。大きな翼を持ち。堅牢なうろこ。鋭い目。牙。爪。角。


 黒龍こくりゅうのお出ましである。



「おいおいまじかw!!?」


「嘘ですわ…」


「いやー、動画実況してる暇無さそうです♪」


「…」


 りゅう!!いきなり龍!?初人外戦闘龍!?私即死じゃない?


 こうして、私達4人は黒の試練に挑むのであった。


次回からいきなりこんなの出して大丈夫?というものが登場。大丈夫ですよぉ!ついでにこの物語はまだ終わらないですからね!

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