第二章 魔法をかけられて~失った心~
私は財務官室のそばにこっそりと待ち伏せした。
通り過ぎる人々から怪訝な目で見られたが仕方がない。
しばらく経ってから宮廷財務長官とともにリアンがやってきた。
「マヤ、好感度を確認してみて!」
「わかった!」
何年も使っていなかった魔法だが口の中で早口で呪文を呟く。
するとそこには見覚えのある真っ黒な小さなハートが浮かんでいた。
「嘘でしょ!?」
その声を聞きつけて、リアンがこちらにやってきた。
「誰かと思ったらクラキ君か。廊下で大声を出すのはレディとして嗜みに欠けるよ。では失礼」
銀縁眼鏡の奥の黒い瞳は廊下に座り込んだ私を蔑み、一瞥すると去っていった。
※
「リアン、いいのかい?今のは聖女マヤ殿だろう。君とはずっと懇意にしていたじゃないか」
宮廷財務長官がリアンに声をかける。リアンは眼鏡をかけなおす。
「いえ、今は大切な公務中ですから……それに彼女とは学園で一緒だっただけで何の関係もありません」
その言葉を口に出した時、リアンはふと疑問を感じた。
しかし、すぐに忘れてしまった。
※
「オーベロン、これって四人とも全員この状態って言うこと?」
「そういうことだね」
執務室で私は頭を抱えていた。
「で、でも、オーベロンはあの時私をこの世界に固定してくれたじゃない?あれはできないの?」
「あれは契約の強制力がさほど強くなかったから出来たけど、今回の呪いはかなり強力だ。かけた本人に解除してもらうか、解除条件を満たすかの二択しかない。しかも期限の一年以内。今年の終わり、十二時ピッタリが期限だよ」
「嘘でしょ!?」
「ボクとしてもマヤを手放すわけにいかないから協力するよ」
「どうやったら失った恋を取り戻せますかー!?」
お読みいただきありがとうございます。
ブックマークありがとうございます!
もう嬉しくて叫んでおります。
さあ、学生時代必死に上げた好感度は最低になってしまいました。
マヤは一体これからどうなるのでしょうか?
次回もどうぞよろしくお願いいたします。




