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最強の聖女は恋を知らない  作者: 三ツ矢
第一部 エンディングまであと一年
50/201

第十章 国の危機~魔王と妖精王~

「貴様が我を召喚したのか……?」


そこにいたのは首のない三頭の馬に戦車を引かせた黒衣の鎧に王冠を被った魔物だった。


「はい、私めがお呼びしました。お名前を教えていただけますでしょうか?」

「我はアドラメレクと呼ぶといい。契約はなんだ?」

「この王国の支配であります」

「そうか……では少々贄が足りないな」

「あそこにおります四人も贄として与えさせて頂きます。どうか私めに力をお貸しください」

「そうか、わかった……と、言いたいところだが」


アドラメレクはあっさりと結界を破るとイーサン先生に斬りかかった。


「そなたでは我を使役するには力不足だ」


イーサン先生は斬撃された傷に手を当てながら、信じられないといった表情で跪く。


「久方ぶりの現世だ。楽しませてもらおう」

「そうは、行かない……」


私は魔法陣から這い出し、イーサンの魔法杖を拾い上げた。


「貴方にはここで帰ってもらう! この王国を好きにはさせない!」


私は左手で刺された傷を庇いながら、杖にすがって立ち上がった。


「そんな傷で何ができる? しかしお前は強い力を持っている。贄として頂戴する」


アドラメレクが手を伸ばした時、金色の光が私を包み込んだ。

そこにいたのは緑色の髪に赤い瞳、褐色の肌に背中には羽根が四枚付いた美しい青年だった。


「え?パック?」

「それは仮の姿。私の名前はオーベロン。この世界の森を支配する妖精王」


オーベロンは私に手を当てるとお腹の傷があっという間に治った。


「小癪な真似を……」

「さて、四人も魔物をあらかた倒し終わったようだ。最終決戦というわけだな」

「マヤ殿!」

「マヤ!」

「マヤ君」

「マヤ先輩!」


四人が駆け寄ってくる。そしてアドラメレクと対峙する。


「我を簡単に倒せると思ったら、それは間違いだ」

「そうだね。それでは私が五人に加護を授けよう」


オーベロンが優雅に五人に手を振った。すると金色の燐光に五人はふわりと包まれた。


「なんだこの力は?」

「身体が軽い」

「魔力と体力が回復していく」

「これが妖精王の加護の力……」


「さあ、マヤ、人間の子らよ。存分に戦うがいい!」


お読みいただきありがとうございます。

最終決戦も大詰めです。

どうぞよろしくお願いいたします。

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