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第二章 運命の相手候補~ライアン視点~
ライアン・マーティン 腹黒王子
俺は苛立っていた。
俺はライアン・マーティン。
フローレンス王国の第二王子であり、この学園の生徒会長である俺が次席に甘んじている事実に。
相手は異世界からやって来たただの一般人。
何年も英才教育を受け、努力を積んできた俺をあっさりと一年で飛び越えていった。
しかし、その能力は有用だと判断し、生徒会に誘ったら、あろうことかこの俺の誘いを断った。
それでも俺の表情は変わらなかった。
例え勉強と武術だけ成績が良くても、冴えない容姿の平民。
俺たち、上流階級の者とは育ちが違うのだ。
付き合うべき人間はよく選ばなければならない。
使える人材を確保し、それを言葉一つで上手く使う。
それが王族というものだ。