第十章 国の危機~召喚~
その声を聞いて、四人は召喚の間に入ろうとするが召喚の間には鍵がかかっていた。
それをエヴァンとライアンが蹴り破る。中には大量の魔物と満身創痍の私がいた。
「これは一体?」
「イーサン先生が……私を生贄に強力な魔物を呼び出そうと。そして王国を支配しようとしているの」
四人はそれを聞くとそれぞれの得物を構えた。
「いいだろう、四人ともまとめてかかってきなさい。お前たち相手をしておやり」
魔物たちが四人に襲い掛かった。
四人が戦っている時私は膝から崩れ落ちそうになった。
その私を抱き留めたのはイーサン先生だった。
「流石のあの四人でもあの数の魔物と戦うには骨が折れるだろう。 その前に君の血を分けてもらうよ」
そういうと私の腹にナイフを突き立てた。
ぼたぼたと音を立て、真っ赤な血が魔法陣に広がる。
「うぐっ!」
「マヤ殿!?」
「おっと、よそ見をしているとやられてしまうよ」
駆け寄ろうとしたライアンの前に魔物が立ちはだかる。
他の三人も動きが取れない。
「それでは召喚の儀に入ろう……遠き世界を制する魔物の王よ。
この少女を贄として我が呼び声に応えよ。我が名はイーサン・テイラー。ここに参じよ!」
(ああ、とうとう、召喚されてしまった……)
魔法陣が禍々しく黒く染まる。
私は身動きも取れずそれを眺めていた。
お読みいただきありがとうございます。
ラストまで頑張りますので、どうぞお付き合いくださいませ。




