第十章 国の危機~ライアン視点~
ライアンは階段を昇りながら考えた。
第一王子から遅れること三年。
王家に誕生した俺は第二王妃である母から厳しい教育を受けてきた。
第一王子が何かすれば、『私のライアンの方が優秀よ』と周りに吹聴して回った。
幼い頃からプレッシャーとの闘いだった。
魔法学園に入学しても勉学、武術、人望全てを兼ね備えるために俺はいつも微笑んで、完璧にこなさねばならなかった。
しかし、ある日トップの座をマヤにすべて奪われた。
たかが一年、勉強したところでこちらは何年も努力を重ねてきたのに。
その上生徒会への勧誘も断られて、俺の中の彼女への嫉妬と苛立ちは募るばかりだった。
だが、剣術の対抗試合の時彼女の努力を真っ向から受け止めた。
この細い腕で軽やかに剣を扱うにはどれほどの苦労をしたのだろう。
俺は自分がこだわっていた順位などというくくりがいかに狭い考えだったか痛感した。
好敵手として彼女と接すると自分の努力も能力も受け入れることができるようになった。
より高みを目指そうという気持ちが生まれた。
それは自発的な気持ちで今までの急き立てられるようなものとは異なっていた。
真の向上心を教えてくれた俺の愛する人。
(絶対に君を離さない!)
俺は飛ぶように階段を昇った。
お読みいただきありがとうございます。
いよいよ、最終決戦が始まります。
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第一部完結まで頑張ります!!




