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最強の聖女は恋を知らない  作者: 三ツ矢
第一部 エンディングまであと一年
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第二章 運命の相手候補~ライアン~

ライアン王子 登場

私は脱兎のごとく寮を飛び出した。

校内を走っていると、廊下の向こう側から気配を感じた。

女子たちが遠巻きに視線を送っている。その相手は・・・・・・


「ライアン様……」


ライアンはこの国の第二王子だった。

少し癖のある金髪に碧眼。

細く通った鼻筋に形の良い唇は微笑みをかたどっている。

麗しい美貌のためだけではなく、確かにキラキラとまるでスノーダストのように輝きを纏っている。


「これはこれは異邦人、クラキ殿。そんなに急いでどちらにお出かけに?」

「え、いえ。ちょっとした探索と申しますか……」

「それは、お忙しいところを失礼いたしました。何せ、生徒会へとお誘いしてもお断りになるくらいですからね、ご多忙でしょう。

更に首席でありながら常に自己研鑽を怠らない、

流石救世主でいらっしゃる。

どうか、この国の未来をお救い頂きますよう」

「あ、あのライアン様ちょっと……」

「何か?貴方にとって俺など興味などないでしょう」


怪訝そうな顔をしてライアンが立ち止まった。

ライアンは人望厚き、この学園の生徒会長であった。

私も能力を見込まれて生徒会へ勧誘を受けたことがあったが、多忙を理由に断ったのだった。


(しかし、なんだろう。この冷たい微笑みは?!)


私は話しながら背筋に冷たいものが走っていった。耳元でパックが囁く。


(好感度の評価を発動するんだ)

(好感度?)


言われるがままに無言で魔術を発動させる。

するとライアンの横に小さな黒いハートが浮かび上がった。


(何これ?!)

(好感度、最低だね……)


「申し訳ないが、用がないならこれで」

「はい……」


ライアンは鋭く冷たい目で私を見つめて立ち去っていった。

私はその後ろ姿を見送ると、また制服を翻し、走り出した。



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