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最強の聖女は恋を知らない  作者: 三ツ矢
第一部 エンディングまであと一年
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第八章 ウィンターベル~ライアン~

初めての舞踏会

 シャーロットが行ってしまうと私はポツンと一人になってしまった。

近くのカナッペを摘まもうか悩んでいるとキャーっと歓声が近くに聞こえてきた。

歩いて来たのは白い詰襟風の燕尾服を着たライアンだった。


「マヤ殿、もう誰かと踊られましたか?」

「いえ、今会場に来たところです」


そうですかとライアンはほっとした顔を見せる。


「それでは一曲踊って頂けますか、美しい姫?」


ライアンが腕を差し出すと黄色い悲鳴がそこかしこで上がった。

断ったら断ったで後が怖いし、それならライアンに誠意をもって応えよう。


「喜んで、ライアン様」


私がその腕を掴むと視線が棘の様に刺さるのを感じた。

二人は会場の中心へと向かっていく。


「ライアン様、私舞踏会は初めてなんです。

 足踏んでしまったらごめんなさい。先に謝っておきます」

「そうでしたか。最初の相手になれて光栄です」

「ライアン様とはコンサートも初めてでした。あの時の演奏はまだ耳に残っています」

「それは何よりです。貴方の前だけでは、もう決して弱いところは見せませんよ」

「好敵手ですものね」


私がくすりと笑うと、ライアンはちょっと目を見開いてそれから耳元で囁いた。


「いずれ俺のことしか見えないほどの存在になってみせます」


(それってどういう意味だろう?)


私が考えているうちに曲が終わり、二人は離れる。


「それでは良い夜を」

「良い夜を」


お読みいただきありがとうございました。

この後、それぞれとダンスしていきますのでどうぞお楽しみに。

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