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第七章 ハーベスト祭の夜~エヴァン視点~
悩める男心その二
これは一体何だろう?
いや、オレにだってこれがハーベスト祭の菓子と花だということくらいは分かる。
だが、なぜ、マヤはオレなんかにこんなものを渡したんだろう?
湖に連れて行ったのは魔獣を呼んでもらうための口実で、感謝されるようなことをした覚えはない。
マヤはそれでも楽しかったのだろうか?
オレのようなつまらない男と過ごした時間が。
少しは好意を持っていてくれていると思ってもいいのだろうか?
それは思い上がりか?
袋を開けてみると焼き菓子が入っていた。
バターの良い香りがする。オレはそれを一つ口に入れた。
食べたことなどないはずなのに懐かしい味がした。
お読みいただきありがとうございます。
続きは後程。
またお会いできるのを楽しみにしております。




