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第七章 ハーベスト祭の夜~デヴィン視点~
悩める男心その一
僕は悩んでいた。
目の前には山と積まれたお菓子と花があるけど、僕が気にかけているのはその中で一番質素で地味なお菓子となぜか紙で作られた花だった。
これ、お礼って言ってたよね?
意味分かってくれてるのかな?
確かにドレスや服をプレゼントしたけど、僕にとって特別な意味は無い。
他の女の子にもよく贈るから。試験勉強のお礼だったし。
マヤ先輩のことは、今はそんなに嫌いじゃないっていうか……
そもそも他の僕に群がってくる女の子たちとマヤ先輩は全然違う。
頭がいいわりに抜けてて、自分の利益に無頓着で、無防備で、お節介すぎるくらい優しい。
だから、いつも何となく調子が狂う。
とりあえず、一口菓子を口にしてみた。口の中に柔らかな甘みが広がった。
お読みいただきありがとうございます。
少しずつアップしていきたいと思います。
またあとでお会いしましょう!




