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幕間 半端者の獣人は卑屈に笑う
「おい、エヴァン。今日の大太刀剣術ではよくもやってくれたな」
オレは男子生徒を無視して通り過ぎようとした。
こうした因縁をオレはよく付けられる。
武術の講師は大概、軍から出向している。
それによって贔屓されているとみなされる。
「通行の邪魔なんだが?」
「最初っからお前のこと気に入らなかったんだよ。将軍様のご子息ででかい図体しやがって」
「どうせ平民階級のおれたちを馬鹿にしてるんだろ?」
気が付くと十人ほどの生徒に囲まれていた。
「いつも痛い目をみさせてもらってるんだ。なぁ不公平だよな」
「……本当に不公平だな」
血反吐を吐くほど努力をしたことない奴らにクラキに負けたオレの気持ちなんてわかるわけがない。
木刀を持った十人が襲い掛かって来た。
オレは行き場の無かった憤りを全て暴力に変えて叩きのめした。
十分後、昏倒した男子生徒たちの中心に立ち、オレは冷めた笑いを浮かべた。
虚無感しかなかった。




