第四章 個人イベント発生
選択肢で破滅フラグ?
森を抜けるとパックが私の周りを飛びながら喜んだ。
「おめでとう、マヤ。個人イベントが発生したよ!」
「イベントって今の会話が?」
「共通イベントと個人イベントがあってね。それを発生させることによって好感度が上がりやすくなるんだ。今まではパラメーター不足で発生しなかったけど、イベントが発生した時はどんな言葉をかけたらいいか注意してね!答えを間違うと、それ以上関係が発展しなくなっちゃうから」
「嘘でしょ!?言葉一つで王国の危機が訪れちゃうってこと?」
「んー、そうなるね」
「さっきのエヴァンのイベントは大丈夫だったってこと?」
「多分。好感度チェックしてなかったけど、失敗するとわかるから大丈夫だよ」
大変だと私は痛感した。
最悪四人いるのだから、誰か一人成功すればいいと高を括っていたのだが、言葉一つでそんな窮地に追い込まれてしまうなんて。
(保険は掛けておいた方がいい)
元の世界での私は地味で堅実な生活を営んでいた喪女だった。
しかし、ここに決意する。四人全員攻略することを。
「個人イベントを起こすにはパラメーターを上げる以外にどうしたらいいの?」
「積極的に対象の人物と接触することかな」
次の日から私は必ず四人の気配を探って挨拶をすることにした。ライアンは生徒会室周辺、エヴァンは道場、リアンは図書室、デヴィンは庭園で過ごすことが多かった。
「ごきげんよう、ライアン様」
「……ごきげんよう」
皆一様につれない様子で、私は心折れそうになりながらも挨拶運動をこなした。それから、勿論シャーロットたちによる社交術の訓練も欠かさなかった。私の一日は多忙を極めた。
お読みいただきありがとうございます。
マヤと共に地道に頑張ります。




