11/201
第二章 運命の相手候補~デヴィン視点~
デヴィン・ハートウィック 狡猾な後輩
あーあ。本当におかしいな、つい笑っちゃった。
僕はデヴィン・ハートウィック。
この王国でも有数の商家の跡取り。
髪の毛ぼさぼさで埃だらけのクラキ先輩が羨ましそうにお茶会を覗いてるのを見つけた時は何かと思ったよ。
でも、一応将来救世主になるかもしれないと思って、お茶会に招待してあげたのに断ったのは先輩が先だからね。
今日はお姉さま方と春のお茶会。
みんな着飾って、お互いに牽制し合ってる。
馬鹿みたいだ。
僕が興味があるのはお姉さま方じゃなくて、家柄の方なのに。
それでも、僕は笑って意味も無い会話を聞いてあげる。
可愛らしい後輩を演じるのなんて簡単なこと。
あーあ、さっさと終わらないかな。




