第六章 回想~悪役令嬢~
レイラは召喚されてから夢の様な暮らしを送っていた。
風呂に入れられ、身を整えられている時、初めて自分が若返っていることに気が付いた。
若い身体はとても軽かった。
お城の中で毎日メイドたちにかしずかれ、綺麗なドレスを着て、お腹いっぱいにご馳走を食べて、柔らかで清潔なベッドで眠る。
そして、何より自分の事を初めて美しいと言って、愛してくれる存在がいる。
それは、元の世界では経験したことのないことばかりだった。
アッシャーの為ならこの呪われた魔力を使うことも誇らしかった。
アッシャーのことを考えれば、どんな努力も辛くなかった。
レイラとアッシャーは知恵を絞り、ライアンと邪魔なマヤたちに魔法をかけることを考えた。
最初は上手く行っていたけれど、結局悉くマヤに阻まれた。
自分にとって魔力と美貌と記憶は全てで絶対だったのに、何も持たないマヤは全てを取り戻してしまった。完璧な敗北感を味わった。
(元の世界に帰れば露と消える身。それならどうか、最期まで愛しい人といたい……)
レイラの想いもアッシャーと同じだった。大好きだった薔薇園でアッシャーの胸の中で眠る。
レイラの願いはそれだけだった。
お読みいただきありがとうございます。
ブックマークありがとうございます!
今夜はここまでにしようかと思いましたが、もう少し続きます。
お付き合いください。




