第二章 運命の相手候補~デヴィン~
デヴィン 登場
私は更に校内を歩き回った。
(あと一人!あと一人なんとかなれば!)
すると庭園の東屋に楽し気な女の子たちの声が聞こえてきた。
隠れて様子を見守るとどうやらお茶会が催されているらしい。
(春だし、花も綺麗でお菓子を食べながらなんて、のどかで羨ましいわ……ん、あれは?)
キラキラオーラの気配がする。
女子たちの中心に誰かいるらしい。
こそこそと茂みの陰に隠れて近づくとその人影がこちらに気付いた。
「あれ?貴方は異邦人のクラキ先輩だよね?」
「あ、あなたはデヴィン君」
陽光に透けるような銀髪に琥珀色の瞳は少し垂れ気味で整った顔に愛嬌を与えている。
「そんなに茂みに隠れるようなことをしなくてもいいのに。
前に僕のお茶会を断ったこと後悔してくれたのかな?」
「ああ、うん。そんなところ……」
そう言いながらこっそりと好感度をチェックする。
その結果はもちろんちっちゃな黒いハートが現れた。
デヴィンは蕩ける様な甘える表情をしながら、困った顔をして見せた。
「ごめんね、マヤ先輩。
ご一緒してあげたいんだけど、その恰好じゃ、ちょっと誘えないからまたね」
くすくすと周りのドレスを着た子女たちの嘲笑してくる。
学園中を走り回った今の私は薄汚れた制服姿だった。
私は制服の埃を払いつつその場を立ち去り、自室へと戻った。




