あの日の誓い
少し昔の話になる。
7年前、俺とアルーナはこの崖にいつものように遊びに来ていた。
そこにゴブリンが出てきたんだ。ゴブリンは最弱とも言われる魔物だ。
けれど、俺とアルーナはパニックになったんだ。
左に棍棒を持ち、右に盾を持つそれが最弱とは思えなかった。
俺は彼女を守るために逃げた。彼女の手をひいて。
けれど幼い俺たちがゴブリンに追いつかれてしまうのは明白だった。
そんな俺は彼女を守るためにゴブリンと戦ったんだ。
結論、俺が勝った。けれど足や、腕に痣ができた。ギリギリの勝利だった。
帰りが遅いと心配になって村の人が探しに来た。
村の人はゴブリンの死体とボロボロの俺を見て、何が起きたのか悟ったらしい。
すぐに手当をしてくれた。その時のアルーナは泣きじゃくってて「ごめんね」ばっかり言ってたっけ。
その時から俺が彼女を守らないと、家族を守らないとって思ったんだ。
そして神様に祈った。どうか俺に力をくださいって。
そしたら、次の日から俺は魔法が使えるようになったんだ。
きっと神様がこの村はお前が守れと仰ってるんだと思った。
村のみんなは魔法が使えない。
だから、魔法の使える俺がみんなを守るんだ。