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時は流れるままに 94

「なんでお二人がついてくるんですか?」 

 さすがの誠も自分の部屋のドアを前にして振り返って二人の上官を見据える。

「それは助言をしようと思って」 

「だよな」 

 あっさりと答えるアイシャと要。おそらく邪魔にしかならないのはわかっているが、何を言っても二人には無駄なのはわかっているので誠はあきらめて自分の部屋のドアを開いた。

「なんだ変な匂いだな、おい」 

「エナメル系の塗料の匂いよ。何に使ったのかしら」 

 部屋を眺めている二人を置いて誠は買ってきた画材が置いてある自分の机を見つめた。とりあえず椅子においてあった画材を机に並べる誠。

「あ!こんなところに原型が」 

 幸いなことにアイシャは以前誠が作ったフィギュアの原型に目をやっている。誠はその隙にと買って来た並べた画材見回すと紙を取り出す。

「しかし……凄い量の漫画だな」 

 本棚を見つめている要を無視して机に紙を固定する。誠は昔から漫画を書いていたので机はそれに向いたつくりとなっていた。手元でなく漫画に要の視線が向いているのが誠の気を楽にした。

 そして紙を見て、しばらく誠は考えた。

 相手はカウラである。媚を売ったポーズなら明らかに軽蔑したような視線が飛んでくるのは間違いが無かった。胸を増量したいところだが、それも結果は同じに決まっていた。

 目をつぶって考えている誠の肩をアイシャが叩く。

「やっぱりすぐに煮詰まってるわね」 

 そんな言葉に自然と誠はうなづいていた。それまで本棚を見ていた要もうれしそうに誠に視線を向けてくる。

「まあ、アタシ等の方が奴との付き合いが長いからな」 

「そうよね。あの娘が何を期待しているかは誠ちゃんより私達のほうが良く知っているはずよね」 

 自信満々に答えるアイシャに嫌な予感がしていた。完全に冗談を連発するときの二人の表情がそこにある。そしてそれに突っ込んでいるだけで描く気がうせるのは避けたかった。

「じゃあ、どういうシチュエーションが良いんですか?」 

 誠は恐る恐るにんまりと笑う二人の女性士官に声をかけた。

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