第13話 壮絶なる勘違い
玄関の扉を開けて出てきた猫と恵里菜ちゃんが目を合わせて2人とも固まった。
猫の手から滑り落ちたプラモは、地面におちて音を立てて崩れた。
恵理奈ちゃんは白猫を見た途端、顔を真っ赤にしてプルプルと震え出した。
「な、な、な....」
「いや、これはその....」
やばいばれてしまう。家にしゃべる猫が居る事が。もしそんな事が世の中に露見したら新聞の大見出しに【世界初!?喋る猫】みたいになって、俺は猫の出演料をいただいて....あれ?
「「2人の愛の巣に、お、お邪魔しました!!」」
?
世界が固まった。
違う。それは違う。
大変な勘違いが生じてる。
ゆっくりとロボットの様に猫を見ると、猫は顔を赤らめて言った。
「あ、姫さん以外の人から見ると成人男性に見える機能、外して無かった☆」
テヘペロと、舌を出して謝る猫。外見は可愛いが、やってる事マジで最悪だ。
「こんっっのクソ猫がぁぁぁ!!」
俺はその後、勢い良く猫を掴み窓を開け月に向かってぶっ飛ばした。
「zzz.....」
因みにメガネちゃんはその場で立ったまま寝ていた。
因みに
一方親友は....
「なんかうるさい家あるな、こんな夜に」
ベットからのっそりと起きると誰かの気配を感じる。
「おい、隠れてんのは知ってる。はよでてこんかい」
「流石、といったところでしょうかやはり現役復帰した方が良いのでは?」
女の声がどこからか響く。
その声に対して親友はやれやれと頭を振り、言った。
「無理だ。言っただろ?俺はもう疲れたよって」
「ならば、私たちのProjectに賛成してくれると?」
その女の言葉に親友は目を見開いた。
「嘘だろ?」
「嘘じゃありません」
「まじかよ....」
「マジです」
独り言に言葉返すやつなんて初めて見たわ!
イラッ
「まあ、その時の状況によるな。お前の味方にもなるし敵にもなる」
「成程、では」
その女が親友の目の前に現れる。
そして一瞬のうちに抜刀し、斬りかかった。
「!?」
「魔法局No.0、排除致します」




