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某の名は

Q 表にでないはずの黒歴史設定

  腰と太もものつながっている部分だとなぜわかったんですか?

 入ったのはテーブルがコの字となっている部屋。


 向かって中央のテーブルに姫さんたちは向かい、俺たちは左側に案内される。右側にはすでに座っている人20名くらい。その20名の後ろにはそれぞれお付き?の人たち。宗教関係者、獣人、推定エルフ、子供?20人の中だと普通に見える男性達などなどいろいろいる。


 姫さんや、30代戦士、20代後半魔法使いの服装と比べると、この部屋で待機していた人たちの服装には現代に近いのが混じっている。俺たちに近い文化レベルなのか?


 皆、部屋にいる面々を一瞥する。ただ、真希奈さんだけは最期に誰もいない隅のほうを見ているよに見えた。あ、違う、部屋全体も見渡したのか。


 女執事さんが引いた椅子に姫さんが座る。ボロ剣士、ローブ少年、赤髪青年も座った。


 こんなときだが、マナー的にはどうなんだろう?才華のもとで働く際、一度、最低限のマナー講座を良子さんから受けている。


 って考えたが、全員違う世界だからどうしようもないか。


「ーーー。ーーーーーーー」


 姫さんのジェスチャーで座ってくれと言っているのはわかる。


 俺、真希奈さん、甲冑、制服女性が座り、30代戦士、男魔法使い、初老、おっさんも座る。給仕さんが飲み物を配りだす。


「ーーーーーーーーーーー」


「~~~~~~~~」


 姫さんが立ち上がり、甲冑になにかを促すが、甲冑はすこしだけ逡巡した後、断りを入れるような動作。なんだ?その様子を初老は機嫌が悪そうになる。


「ーーーーーーーーーーー」


 姫さんがこちらに一礼。そこで、真希奈さんがそっと手を挙げる。


「ーーーーーーーーー。ーーーーーーーーーーー」


「ーーーーーーーー!ーーーー」


「ーーーーーー。ーーーーーーーー」


 真希奈さんが俺のほう見ながら、姫さんと話す。姫さんも驚いた表情でこちらを見たので、俺だけ、言葉がわからないことを説明してくれるようだ。


 神様、女神様、真希奈様。まじで感謝。すっごい助かる。見知った女神と真希奈さんなら、真希奈さんを信奉する。そういえば、あの女神はどうしているんだろ。って今は関係ない。脳裏からも消し去ろう。


 通訳、翻訳などの魔法はあるよな?あってほしい。いや、ある。じゃないと真希奈さんたちが話せる理由がない。俺は才華たちとは違うから、言葉をすぐには覚えれん。学生時、英語は全然わからんかった。俺は覚えて使いこなすには平均の10倍以上かかる自信がある。


 魔法使いがこちらにきて、魔法を使う。魔法でいいよな。これを見て、真希奈さんたちは異世界にいることを実感しているようだ。ただ、剣士だけは反応が薄い。魔法のある世界からきたのか?だとしたら、あのローブ少年はなんなんだ?


 まあ、今は考えても仕方ない。


「どうです?言葉は通じますか?」


! 魔法使いさんの言葉が理解できる


「あ、はい。わかります。助かりました」


「大丈夫なようですね。魔法が効きづらい体質など、特異体質というわけではないようですが、なぜですかね」


 俺を観察するようにまじまじと見る魔法使い。俺みたいな例は少ないってことか。まあ、そうなるわな。


「まあ、これかなって理由が1つあるんでひと段落してから、説明します」


「そうですか。では後ほど」


 魔法使いが姫さんにうなずくと姫さんも応じる、


 ようやく始まるけど、その前にっと


「ごめん。助かった」


「いえ」


 隣の真希奈さんに小声で御礼を言っておく。礼はいらないですって感じだけど、そうはいかない。正式なお礼はのちほど。なにができるかはわからんけど。


「わかりました」


 改めて、こちらを見る姫さん。


「まずは皆さまのご意思を無視して、私共の世界『ウィーリク』にお呼びしたことを謝罪します」


 丁寧に頭を下げる姫さん。高圧さも、うさん臭さも感じられない。改めてみるとだけど。今のところはだけど。人を見る目のない俺の目でだけど。まあ、裏があっても、今すぐどうこうできないんだけどな。


「謝るくらいなら、呼ばなければいいだろ」


 かったるそうにしていた剣士が口をはさむ。態度が悪いが、言いたい気持ちはわかる。


「無礼者が。姫殿下のお言葉を遮るな」


 初老が激昂して、テーブルをたたく。態度の悪さに苛立つのもわかる。てか、姫殿下?えーっと王国の姫様。姫さんじゃなくて、殿下って呼ぶべきなのか。殿下、陛下を使うべき相手についても、涼子さんからの講習を受けている。いざ使うなんて思いもしなかった。使えるか?使えるのか?俺?


「あ?こちとら、いきなり、わけのわからんところに呼ばれてんだぞ」


「だから、それについて姫殿下が説明していう途中だろうが、小僧」


 また一触即発の空気。


「ミッタおやめなさい。こちらの方のいう通りなんです。お怒りになるのも当然のことです」


 初老を制する姫殿下。それでもしないといけないなにかがある。ってことだよな


「あんたも、話を聞いてからにしなさいよ」


 制服女性はボロ剣士を制する。


「俺に言ってるのか?」


「ええ、そうよ。いちいち不満を言っても話が進まないわ」


 睨みあいとなるボロ剣士と制服女性。一触即発の空気は終わらない。


「まあまあ。双方落ち着いて。落ち着いて」


 割って入ったのは甲冑。


「この状況でも話は進まないと某は思う。まずは貴女のいうとおり、姫殿下の話を聞いてからにせぬか。貴殿の思うことについても、姫殿下なら聞いてはくれよう」


 翻訳のせいなのか、本人のしゃべり方のせいなのか。某?なんていう人物は初めて見た。 確かに外見は武者にみえるが。


「ふん。顔を見せないやつにいわれてもなあ」


 悪態をつくボロ剣士。


「そうであるか。ふむ。確かにそうではあるな。では脱ぎますが、その前に1つだけ言っておきますが、驚かないでくれるとありがたい」


 少し考えて、甲冑は兜を脱いだ。え?


「は?なにを言っ……」


 ボロ剣士は剣を抜いて立ち上がり、お付きさんたちも身構えた。制服女性も立ち上がっている。動けないでいるのは俺、真希奈さん。赤髪。ローブは逃げようとしたのか、尻もちついている


 「これで良いかな?」


 囲まれても動じない甲冑。だが、周囲は違う。俺も含めて多かれ、少なかれ、動揺している。ちなみに俺は多かれのほう。


 それもそうだ。

 

 「骸骨の魔物が!」


 「チョイ待っ!」

 

 「な!」


 ボロ剣士が飛び掛かり振り下ろした剣を右腕でとめる骸骨。そう甲冑の中身は骸骨。ぱっと見でも顔から首は骸骨。


 「なぜ、魔物が?」


 「囲うんだ」


 「姫殿下、おさがりを」


 「黒い骸骨?見たことないぞ」 

 

 お付さんや30代戦士が甲冑を囲い、魔法使いと初老は姫殿下の前に立つ俺含めて、呼ばれた異世界人の外見はぱっと見人間。その中、一人だけ骸骨ってなれば、そりゃ、驚く。こうなるとわかっていたから、兜を脱ぐのを躊躇していたのか。それも仕方ない。


「待て、待て。敵対するつもりはない」

 

 ただの骸骨だったら、それで話はすむ。俺だって、骸骨キャラは知っている。本名シャレコウことベキン骨マンとかホラーマンとか。スカルマンはキャラだけど、骸骨ではないか。黄金バットもか?でもそうじゃあない。それだけじゃない。


 骸骨は骸骨でも骨は黒いし、目の部分は黄色く輝いている。ついでに角もある。角と言っていいのかわからんが、そうとしか言いようのない部分があるのだ。人の骸骨ではなく、鬼とかか?


「皆。落ち着きなさい」


 殺気だった中透き通るように聞こえる姫殿下の声。それにより、皆の動きは止まり、視線は姫殿下に。


「しかし、姫殿下」


「もし、この方に悪意があるなら、とっくに行動しているか、まだ、本意を隠すはずです」


 確かにそうかも。まず兜を脱いだのは、ボロ剣士に催促されたから。全然進まない話を進めるためだ。結局進んでいないが。いいかげん本筋を進めてほしい。


「剣士様も皆様も引いてください」


「姫殿下がそう言っておるから、ひいてはくれぬか?剣士殿。某は腕も脚も震えてきたので」


「お前は魔物か?」


 ボロ剣士は剣を黒骸骨から離す。まだ、剣を納めないのは警戒からか。魔物と戦う世界からきたのかな?


「通じるかはわからぬが、中身は人間。外見はこのようなアバター。何故この姿形なのかは、某が聞きたい。捕らえるならおとなしく捕まるが、話は聞いてほしい。そして、敵対する意思はない。それだけでも信じてほしい」


 甲冑もとい、黒骸骨は両手を胸の前にあげ、降参のポーズ。「アバター」ってことはゲームとかの外見だよな。つまり、俺とは違って本来の外見とは別ってことか?しかも。その可能性は頭になかったな。まじでか。まじでか。

 

「えっと、敵対するつもりはないことは分かりましたが、その姿については……」


 さきほどの説明を理解したのは、俺、真希奈さん、赤髪、制服女性。ボロ剣士は理解していないようで、ローブはわからん。そして、姫殿下には通じていないようだ。


「……理由はわかりませんが、私や在人さんと違って……本来の姿ではないってことです、姫殿下」 


 真希奈さんが答えた。


「貴女のいうとおり。この外見故、兜を脱ぐのをためらっていた。」


 黒骸骨は首を縦にふる。


「そう……ですか」


 姫殿下も戸惑っている。まあ、どうみても魔物だよな。敵か味方かでいえば敵役だよな。


「ふう。姫殿下、話を進めましょう」


 力を抜いて制服女性が椅子に座り、ボロ剣士も座った。


「結局話を止めてしまって、申し訳ない」


 丁寧に頭をさげる黒骸骨。


「いえ。……えっと」


「ああ。そうですな、姫殿下。某をはじめ誰も名乗ってはいないですな。話の前に自己紹介でよろしいですかな?」


「そうですね。そのほうがいいですね。改めて、私は聖位ヤセント王国王女、ナテア・キイド・ヤセントと申します」


 骸骨の質問にやわらかい笑みで答える姫殿下。骸骨は空気を換えようとしたのか


「某の名はアロッド。一応職業は重装武者。この外見は、某の世界では有名な骸骨騎士と骸骨魔法使いへのリスペクト故。お見知りおきを」


 重装武者のアロッドはなぜか歌舞伎のように手を前にだして自己紹介。武者のアバターだから日本人かと思ったが、日本かぶれ?な外国人なのだろうか?そして、外見についてはなんらかの物語にあやかっているのか。こういう状況だと本人の能力はどうなっているのだろか。まさかゲームでの能力か?だとしたら、やりこみ勢か否かで、変わるか


 アロッドが椅子に座ると皆の視線は隣にいるボロ剣士に。


「俺はゲッジクスの勇者ケイログト」


 勇者という言葉にこの世界の人々は喜びの色をふくんだどよめき。態度は悪いけど異世界の「勇者」って言葉に希望が持てたのだろうか?。自分の世界を救う戦いの連続だから、服装はボロボロだったのか?勇者を名乗るからにはきっと魔王やらがいるんだろうか。だとしたら、この世界に呼ばれたことに怒りをもってしまうのも仕方ないことなのかもしれない。俺だって、才華たちの危機をほっておいて、全く知らん人たちを救えって拉致られたら、怒りはする。賞賛を聞こえる声に当の勇者はさきほどの態度はどこへやら、口角があがっている。お調子ものなんだろうか?


 次は赤髪


「俺は矢賀光毅(やがみつき)17歳。高校生」


 顔つきや名前の雰囲気から、日本人高校生。だけど、俺の世界ではありえない赤い髪。才華とは微妙に違うが真っ赤だ。なにかが違う日本なんだろう。ゆえにこれ以上思うことはない


 んで次はローブ男


「僕は……エラボザ。16歳。賢者の見習い」


 紫色の髪に紫色の目。そんで職業は賢者。ボロ剣士もといケイログトみたいにファンタジーな世界の住人か?賢者見習いはすごいのか?それともすごくなるのか。判断がつかない。あとアロッドの件があるから、なんともいえん。


 次は制服女性


「治安維持部隊『エニルマ』所属 槍見(そうみ)エリカ。19歳」


 治安維持部隊「エニルマ」?軍人ってことか?銀髪セミショートだったから、外国人だと思ったが、日本人?あ、でも今の時代なら、普通か。 いや、ハーフとかか?真希奈さんのほうばかりに気を取られていたが、美人だ。赤スカートの黒制服。赤と黒、湘北の色は関係ない。


 てか、皆職業を言っている。俺はなんていえばいいんだ?使用人?マネージャー?付き人?無職じゃあない。引きこもりニートでもない。


「……真希奈、21、日本人です」


 女神様、真希奈様。ありがたいことに名前と年齢だけの紹介。助かった。俺も同じように言えばいい。……同い年か。


「人多在人、21、私も日本人です」


 って感じで紹介しておけば、問題ないかな?失礼じゃあないよな。


「ケイログト様、アロット様、ヤガ様、エラボザ様、ソウミ様、マキナ様、ザイト様。改めてよろしくお願いします。」


 姫殿下は頭を丁寧にさげる


「まず、この状況について説明をさせていただきます」


 姫殿下のお話の結論を言うと


  『世界がやばい』


以上。まじでかー。

A 在人「ノーコメント又はご想像におまかせします」

  才華「ちなみに、私、愛音、マアカのは目をつぶって触感で区別できるよ」

在人「おいーーーーーーーー」

 マアカ「やってみるもんね」

 愛音 「しかも1回で」

 在人「おいいいいいいいいいいいいいい、いや3人とも親指たてないで、今はナイスじゃあないから」



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