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異世界技術物資交流

表にでないはずの黒歴史設定

Q なにか訓練とかしましたか?

「うおおおおおおおおおおおおお」


 3人の姿は見えなくなり、周囲の風景は変わる。なんだこの空間は?空間?あ!死後の世界か?とは違う気がする。あそこはもっと静的なイメージがある。こちらは動的。こんな説明しかできんが違いはある。違う気がする。


 あ!


 手に持ったままの紙袋から、通信機が落ちた。やば!とっさに右腕を伸ばそうとした瞬間


「おは」


「ん」

 

 一瞬まぶしくなり、すぐ視界は薄暗くなる。感覚的にさきほどの空間ではないってのだけはわかる。感覚があることから、無事生きている。と思いたいが、死後の世界でも感覚があるから、なんとも言えない。


 ここはどこだ?


 下半身や左腕は地面の上に横わたった感覚だ。だけど上半身と右上は違う。


 そして、顔を覆う感覚に女性の声?いい香りもしている。他にも人の声が聞こえるが、それはあとあと。


 顔を覆う感覚は柔らかさもある。布のようなものがあるとはいえ、人の肉体的触感。それも女性のもの。


 才華、愛音、マアカとは異なるけど共通部位にある感覚。経験上これは胸ではない。そう、太ももと腰のつながっている部分だ。


 って余計なことを考える前に顔を上げないと。体は動く。


「……」


「……」


 顔を上げた俺の目線の先には女性。もちろん、才華、愛音、マアカではない。いえるのは3人に負けないくらい美人であることと。茶髪のショートヘアだけど、前髪の一部が編み込んでいことと。顔色が優れていないこと。俺の右手は通信機を握っているのはいえ胸元にあること。というか、まず離れよう。右手をずらし、両脚の上から体を下げる


「いやあああ」


「ぶほっ」


 上半身をずらしたことで、できた俺と彼女の隙間と時間。呆然としていた彼女の思考を動かし、足をばたつかせるには十分だった。鳩尾、顎、と蹴りが俺を襲撃。そして、とどめとばかりに顔。


 今まで食らった蹴りとは違い、重みも鋭さはない。必死さだけが伝わった気がする。そりゃそうだ。いきなり股座に他人が顔を突っ込んできたらそうなる。


 悪気はないって言っても信じられないよな。仕方ない。そんなことより放れないと。


うげ。 鼻がじんじんする。これ、


 鼻血がでた感覚と入れ違いに蹴りの間合いからは逃れることができた。



 俺と物理的に距離ができたせいか、セクハラ被害の女性も落ち着いてきたようだ。


 それは俺も同じで周囲に目をむける余裕ができた。まずここはどこだ?状況把握は大事。マアカも言っていた。身の安全の確保。それは愛音が言っていた。思考すること。それは才華が言っていた。


 把握できたことと


 ここはまあ建造物の中。レンガかな?とりあえず大自然の中ではない。

 床には模様。なんやら、剣とか槍に見える。

 時間はわからん。見える範囲に窓がないので、夜なのか、昼なのかもわからん。

 室内を照らしているのは照明。


 耳に入るのは人々の声。悲鳴や落胆の色が見える声ではない、むしろ安堵や歓喜の声。そんな風に聞こえる。そう聞こえるだけ、なにを言っているのかわからない。


 周りにはいかにも戦士といかにも魔法使いが多数。目につくのは30代くらいの男戦士と20代後半男魔法使い。初老の男性。その初老の横に女性てか姫様。その姫様の隣にも執事服の女性。


 そして、その似通った人たちとは異なる服装なのが俺を含めて7人。俺たち7人も服装に共通性は少ない。



 ファンタジー世界の男性剣士。鎧も着ているがなんか薄汚い。緑色短髪。背は俺くらいで、20代中ばぐらいか?

 同じくファンタジ世界のローブ姿の少年。中3から高1くらいに見える。髪と目の色は紫?こっちは小奇麗だな。

 顔も隠した赤色甲冑の身長200センチ近くある大男。性別はわずかに聞こえた声で判断。年齢はわからん。

 赤髪の青年。こっちも高校生くらいの年齢。服装はブレザーの制服。さわやか系ルックスと言えばいいか。

 組織人って感じの制服をきた女性。俺よりチョイ年下ってところか?銀髪で肩くらいまでの長さ。でも顔は日本人よりに見える。

 俺からのセクハラ被害にあった女性はパジャマ。年齢は俺と同じくらい。美人。


 住んでいる国というより住んでいる世界観も違うって感じだ。


 俺含めた男性4人と女性2人は

 

「ここはどこだ?」


 って感じで周囲を見ている。その表情には戸惑いや驚きが見える。いや女性の1人だけ慌てた様子が少ない。なんて冷静な子なんだ。

 

 この状況から考えつくこと。

 

 「転移した?」


 ってことか?ありえないってのはもう言える立場じゃあないな。


 異世界転移?それとも単に第2世界での空間移動?どっちだ?そこまでは分からん。


「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


 セクハラ迎撃で声を掛けるタイミングを失っていた、この世界の初老の男がこちらに声をかける。ふう。何言ってるか


「〇〇〇〇〇〇〇〇」


 制服女性が応じた。ん?なんで彼女の言葉はわかるんだ?異世界で言葉が即通じるなんて物語上のご都合主義では?


「prkltkwんmrwqsxsspklllrrrr」


「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」


「$$$$$&&&%&%$%$%%%%%%$$$$$$$$$$」


「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」


「◇◇■□■◇▽▼」


「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」


 制服女性はボロ剣士に食って掛かられるも受け流す。ローブ男の言葉に対しても返している。赤髪少年に応答してからは、威圧感があった。


 その威圧感に反応して、戦士たちは剣を構え、制服女性も臨戦態勢になり、一触即発の空気。


「ーーーー!」


「ーーーーー」


 30代戦士の一喝。それと同時に姫さんが戦士たちの制服女性の間にはいる。


「ーーーーーーーーーーー」


 30代戦士の言葉で、周囲の戦士たちは剣を鞘に納める。さらに姫さんは制服女性に頭をさげる。


「〇〇〇〇〇〇」


 制服女性も臨戦態勢をとく。


「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇??」


「ーーーーーーーーーーーーーーーーー」


「~~~」


「ーーーーーーーーーーーー」


「0lひぃyのおうjhbg」


「ーーーーーーーーーーーーーーーー」


 制服女性の言葉はわからん。甲冑の言葉もわからん。ローブの言葉もわからん。もちろん、姫さんの言葉もだ。てかこの世界の住人の言葉を理解していないのは俺だけのようだ。


「……召喚、そんなことって……」


 パジャマ女性の言葉だけなぜかわかった。なんでだ?いやそれよりも


「しょうかん?」


『しょうかん』?商館? 将官? 


 娼館? 女性2人に目がいってしまったが、気づいていな。あ。パジャマのほうが一瞬こっち見たけど、偶然だよな。うん。きっとそうだ。じゃなくて


『召喚』?

 

 だよな。これ。転移ではなく召喚。異世界確定か?


 まじか。才華たちと離れ離れになったってことか。まずいまずい。どうする。どうせればいい。ん?だめだ、なにも思いつかん、落ち着け。落ち着け。ん?あの術式で本来呼ぶつもりだったのは愛音ってことか。愛音すげえって思うけど、それどころじゃあない。愛音の代わりに俺が来たのはやばいんじゃあないか。俺にとってもこの世界の住人にとっても。でもあの状況だとああしちまうのは仕方のないことだよな。なにが悪いって言ったら、この世界の住人達の運が悪いもの1つだろう。てか、召喚するってことはなんらかの理由があるんだろうな。ありそうなのは、救国?勇者?それとも利用?愉悦対象?情報がなさすぎてわからん。愛音を召喚しようとした時点で、利用、愉悦対象はご破算だと思うが。いや俺が来た時点でそれは無理か。ってそれは想像上、物語上。現実は?現実は非情である。あ!異世界技術物資交流とか。この世界にない技術、物資で商売しているんです。あなたの技術・物資に応じて、こちらも相応のものを支払います。なんか、一話完結物でいけるんじゃあないか。まあ、俺は書けないから、誰か書いて。


 いやいや。今はそうじゃあない。異世界召喚に巻き込まれたってことついてだ。どうする。マアカたちはどうしている。あ。通信機で呼び出す。それだ。それしか。




「あ、あの……」


 セクハラ被害、もといパジャマ女性の言葉で現実にもどる。


 「って皆どこへ?やべ、聞いてなかった。」


 召喚された面々が姫さんのあとをついていく。やべ、考えすぎて、話聞いてなかった。言葉はわからんけど、わかることあっただろうに。今は現状把握だ、そこからだな。キリヤルガのナイフ、盾はいつでも使える心構えをもってかないと。


 てか、よく俺に話しかけたな、彼女も。あんなことあったのに。正直、きまずい。が、彼女の勇気?寛容さには感謝をしないと。まじで感謝しています。


「……場所を変えて、詳細を説明してくれるそうです」


 やっぱり顔色はよくない。大丈夫なのか?今にでも倒れそうってか、死にそうだ。


「ですか。全然聞いてなっかたし、いや、言葉も分かんないんでどっちにしろ困ってま……言葉わかるの?」


 なんで彼女の言葉だけわかるんだ?


「……やっぱり、……そうなんですね」


 なんで、分かった?


「……様子が違いましたので、……もしかしたらと思っていました」


 俺の疑問を表情から察したらしい。ゆったりした雰囲気だが、よく観察していると思うべきなのか?


「でも君と言葉は通じるんだよな。それもよくわからん」


「……日本語……だからだと」


! 言われるとそうかも。彼女は日本人っぽいではなく日本人。似たような世界があってもおかしくはないか。いやないと断言はできないか。でも日本人っぽいのはあの制服女性もなんだよな


「ーーーーーーーーーーーーーーーー」


 この世界の住人が心配そうにこちらを伺う


 「あ、……はい。ーーーーーーーーーー」


 日本語から分からない言葉に変わる。まあ、ここにいてもなにもわからない。パジャマの彼女が歩き始めるので、俺も着いていく。


「っと。ちょい待ってくれ」


「どう……しました?」


 振り返るパジャマの彼女


「どうしましたって、裸足にパジャマなんだからさ」


 まんま寝ているところから直接来ましたって感じの彼女。よく見ると寒そうにしている。この世界の人はこの服装に対してなんとも思わないのか。って思ったが、異世界の人の服装について、知識があるわけではないか。これが普段着とでも思ったのかも。裸足が普通っておもったのかも。


「愛音のがちょうどよさそうか」


 才華よりは背が高いが、マアカよりは低い。体格は愛音より細いが、出ているところは出ているのがわかってしまう。ただ健康的な細さではない。ガンソドの収納リュックの中から、予備の靴と靴下と、上着を取り出して渡す。


「これ……は?」


 渡した上着は女性が着るタイプのもの。男性のリュックから出てくるとなれば、怪しいか?まあ、俺の外見では商人には見えんよな。


「えーと、セクハラのお詫びと通訳の依頼ということにしといて。これらの説明は機会があればのちほどで」


「……ありがとうございます」


 頭を下げるパジャマの女性。


「いいよ、いいよ。えーと」


 当然だが、名前が分からない。パジャマさんなんて呼ぶわけにはいかない。


「……真希奈です」


「真希奈さん。気にしなくていいから、あと、俺は人多在人って言うんで、よろしく」


「こちらこそ……よろしくお願いします……」


 言葉が通じることは安心する。でもいざ目を合わすとそらされてしまった。かわいい。ぱっちりした目の美人だ。


「ーーーーーーーーーーーーーーー」


「ーーーーー」


 俺たちが召喚された場所をあとにする。


 


 召喚チームの最後尾の俺と真希奈さん。


「……さきほどは気が動転して、おもいっきり蹴ってしまってすいません。大丈夫ですか?」


「ああ。大丈夫大丈夫。あの状況だったら仕方ないと思うし、だれが見たって俺が悪いと思う」


 客観的に見たら俺だってそう思う。あの状況。あの状況。


「いえ……」


 俺の志向を読んだのか。思い出して恥ずかしくなってしまったのか。こちらから目をそらす真希奈。


「本当にすいませんでした」


 深々と頭をさげた。


「あ、いえ。……気になさらないでください。頭を上げてください」


「…………」


「…………」


 気まずくなって無言になってしまう。なにか話題を変えよう。話題?なにをはなせば、あ!


「そういえば、なんで、日本語のことが分かったんです?」


「えっと。最初、人多さんの言葉が日本語で聞こえました。その後……剣士さん達とこの世界の方の会話の際、言葉は理解できたんですが、違和感を感じたんです」


「違和感?」


「結論を言いますと、口の動きが日本語と違ってたんです。……たまたま気づいたんですけどね」


「なーる」


口の動きか、そこになんて気がまわらんかったな。あの状況でたまたま気づくのか?って疑問は浮かぶけど、今はいいや


「あれ?俺は真希奈さんの言葉もは日本語できこえたんだけど」


「そうなんですか?」


 少し考え込む真希奈さん


「……多分なんですが、……私はそのとき、この世界の方とお話していません。それで日本語だったのではないでしょうか」


 独り言みたいにつぶやいたからか


「人多さんに話しかけたときは、服装はともかく日本人かもしれないと思って話したので、……そのせいかと思います」


 服装や装備は全部パヴォロスのものだから仕方ない。そして、日本人でよかったあ。


「相手によって、言葉を使い分けできるってこと?」


「基本的にはこの世界の言葉なんでしょうが、……そうだと思います」


「なーる。まあ、外国語を使えても、自分の母国語をそうそう忘れるわけないか」


 日本語しかしゃべれんから知らんけど。あ、でも方言とか、そんな感じじゃあないかな。標準語を話しているつもりだから、わかんないけど。


「……なんで人多さんだけ、使えないいんでしょうか?」


 まあ、そうなるよな。原因はどう考えても、愛音を押し飛ばしたからだよな。


「えーと、それは心当たりがあるんだけど、っと。ついたのかな?」


A 才華 ロボットもの、戦う科学者の出る漫画を見直していた

  愛音 銀魂やケンガンアシュラを見直していた

  マアカ ゴブスレやニンスレ、キン肉マンを見直していた


  在人「いつもと変わらんのでは?」

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