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その夜

表に出ないはずの黒歴史設定

Q フード女の情報はどんな味だった?

「じゃあ。お休みのチュー。んーーーーーー」


「んー。じゃねえ。」


「王子の目覚めのキスがあるんだから、魔女のお休みのキスだってあるでしょう。んーーー」


「魔女はともかく、王子はいないだろ。はい。おやすみ」


 俺は抱き着いてくる才華の頭を押さえてそのまま横になる。才華、寝るつもりある?まだ元気が余っているようだ。俺は寝たいので密着するのはこの際我慢。


「じゃあ。シクはこっちね。はーい。おやすみ。」


「うにゅ。」


 シクの顔を胸にうずめて横になるマアカ。窒息させるなよ、マアカ。


「おやすみなさい。シク、在人。」


 最後に布団に入ってきた愛音はマイペースに横となる。はい。お休み。


 今日は俺の部屋でみんなで寝ている。まあ、シクにあんなことがあったんだ。こうはなる。


 華に囲まれた布団で天上を見上げる。本当に今日は疲れた。布団に入れるだけ良かったと思うべきか? こうして5人で寝れる日は当分ないのかもしれない。・・・あくまで当分。そう。当分の間だけだ。としたいところだが。



 魔女才華により、教団特有の自爆の技術を食われたフード女はジョーさんに担がれて、ギルドに連行された。アマとイナルタさんはルンカ達3人を送っていき、俺達はギルドへ向かった。


 フード女から引き出した情報や今日の出来事などを報告しあった結果、俺に理解できたこと。 はいそこ、少しはいらない。簡単に理解できたこと。


1 死滅の竜について

 ・ 約4000年くらい前に突如現れた。

 ・ 異常な回復力、凶暴性を持った竜。

 ・ 心臓だけでも生き残れる。

 ・ でかくてつよいを地で行く。

 ・ 食べ物の好き嫌いなし。

 ・ 理性とか知性はないんじゃね。

 ・ 心臓部は魔力、魔法を吸収し体を再生させていく。

 ・ 心臓部だけでもタフで、あと食事している。

 ・ 物理的につぶせって思うが、心臓部からは常時物質を腐食させる毒をだすのでムズイ。

 ・ これ心臓?     

 ・ 頭をつぶして、ぼこぼこにすれば倒せる。 

 ・ 倒せはするけど、活動停止した体が即死級の毒となって一定範囲まで広がる。腐海の蟲かよ。

 ・ それらのせいで、体を再生させないようにするので精一杯。

 ・ 残った心臓は周囲に肉がない場合はほほんとウン百年数期で復活する。

 ・ ここ2回ほど教団の手で短期間で復活してる。



2 教団について

 ・ いつからか竜を神聖視している集まり

 ・ 信じる者は不死性を与えられるって本気で思ってる。

 ・ 信者は体のどこかに魔法で刻まれた印がある。

 ・ 印は普段は隠れているが、魔力や筋力のコントロールで見えるようになっている。

 ・ 印が自爆したり、させたりする源らしい。

 ・ 竜を復活させたりするのでハタ迷惑。

 ・ 武力行使ありき

 ・ 実力はピンキリだけど、強い奴はいる。

 ・ 主力は少ない。

 ・ 世界中のどこにでもいる。あなたのとなりにほら。

 ・ 『無数の人災』の1つ。

 ・ 竜がいる限り存在しつづけると思われる。

  

3 フード女について

 ・ 才華によって、自爆の魔法と信者の印に関する情報が食べられ、印はなくなっていた。

 ・ 信者の印がなくってしましたのでほぼ自暴自棄状態。

 ・ 引き続き、ジンモン・キツモン・ゴウモーンで情報収集中。

 

4 教団の今回の計画

 ・ 目標はシクの力で竜の不死性をわけてもらおう。

 ・ そのためにまず竜を復活させよう。

 ・ ミタキの街はちょうどオーク歌劇団のおかげで人の出入りも多いからちょうどいいね。

 ・ カタム傭兵団はいなくなってから計画実行しよう。

 ・ 傭兵団が進んだ先の小村に魔物の騒動を起こして、そこに足止めしておこう。

 ・ 先遣隊が信者の希望シクをさらおう。

 ・ 邪魔になる俺達は丁度よく恨みを持ってるミティたちを利用して消してもらおう。

 ・ シクに教団について知ってもらおう。

 ・ 竜の心臓の到着をまとう。

 ・ 信者全員集合、そして封印を街で解き放とう。

 ・ 竜復活。

 ・ 大願成就、やったね。 



てな内容。


 すでに街1つで解決できるような問題ではない。だが、その問題の根幹にはシク。そのシクは疲れのせいか、安心した表情で寝ている。・・・・マアカのおかげかな?イタっ!才華よ腕に頭突きって。


 カルト教団に聖女認定されたシク。よりにもよってカルト集団。他者を巻き込むことも、自爆もためらうことのない集団。


 「詳細を知らないのはよくないわ。」

 「反論できなくなるまでアラと矛盾をみつけとかなきゃ。ひひっ。」

 「決めつけての行動はよくないわね。教育的にも」


 と才華たちはギルドで教団の歴史に関する情報を目に通していた、そして、


「「「カルト!」」」


の結論がでたので俺はそれを信じる。


 5日後には街での争い。一種の戦争だよな。これは本来なら俺達の世界に帰る条件。


 俺達が昨日この街に来たなら帰っていたかもしれない。街の住人とのつながりがなければ帰っていたかもしれない。


 だが、帰るわけにはいなかい。


 シクが関わる以上、放っておくことはできん。愛音たちの顔もそう言っている。非常時は俺の判断を優先するという決まりもある。


 ここを切りぬけて、後で良子さんに怒られよう。うん。それしかない。・・・・・・・身震いを必死にこらえるが背中の悪寒は消えないぜ。


 アラクネル、殺し屋と危険な奴らと対峙してきたが、まだ良子さんを恐れている部分が俺の本能のどこかに残っている。


 そんなことよりシクのこと。シクだけじゃない竜の復活のこともある。



 シクを教団に渡すわけにはいかないので、戦いは避けられない。その教団もこの計画に総力を挙げているので、蜘蛛以上の数の信者がこの街に向かってくるらしい。


 ミタキの街はオホック国の一領域なので、首都シバーリアへ救援要請をしている。が5日以内に国軍がこの街に到着するかは微妙。

 ミタキの街が交易、流通の拠点であることから、放置こそされはしないが、距離、伝達時間を考えると間に合わない計算になるらしい。

 

 カタム傭兵団の協力を得たいところだが、それをさせないための妨害策はもう用意されているだろう。それにギルドでもこの街以上に戦力のない小村が狙われていることから、協力を得るのは厳しいと考えている。

 

 じゃあ、戦力は登録者となるんだが、「期待はできない。」とギルド長。


 その理由は「割りに合わない。」から

 

 アラクネルのときは生活にかかわるから戦うことはできた。だが、『死滅の竜』の強さと『教団』の面倒さは生活ではなく命にかかわる。多少の報酬では割に合わないらしい。

 そもそもこの街周辺の魔物の強さは下の中であり、それと戦って死ぬことのある登録者。その登録者達じゃ、信者はともかく最上の最上にいる『死滅の竜』と戦えはしない。竜との戦いに参加しえるのはイナルタさん、ガーゼットさん、ターロホさん、ジョーさんのみとギルド長の弁。


 この状況だと住民は街から避難してもらうしかないと思えるが、その避難もうまくいくのかは不明。四方から信者は集まってくるので、どこかで捕まる可能性はある。

 さらに道の要所要所は信者によって塞がれている可能性が高いそうだ。それは現在調査中。


 ギルドでは、街からの避難案の異見が多い。


 それに対して抗戦を主張しているのは、ジョーさん、ガーゼットさん。


 門扉を閉じて戦うほうが守りやすい。

 信者事態の数は多いが、強い存在は限られている。

 竜事態は復活していないので、復活する前に心臓を奪還。

 竜が完全復活するにも時間がかかるので、時間に猶予あるんじゃね?

 奪還できれば、応援が到着するまでの防衛戦でもいい。


 などの理由からだ。


 抗戦派は2人だけじゃない、才華、愛音、マアカもだ。


 愛音は言った。 


 「これからもルンカちゃん、サウラちゃん、ライジーちゃんたちとこの街で思い出を作ってほしいわ。」


 そのときのポーズも表情も悪役にしか見えなかったが、賛成である。街から避難したとして、また戻ってこれるかはわからない。一緒に住めるとも限らない。俺達はそこに住めない。


 マアカは言った。


 「好きな人には追われたいけど、面倒な奴に追われ続ける人生なんていやでしょ。」


 そのときのポーズも表情も悪役にしか見えなかったが、賛成である。今回、逃げても、教団は追い続けてくる。


 才華は言った。 

 

 「シクの今後のために 教団には全滅、壊滅してもらう。」


 そのときのポーズも表情も悪役にしか見えなかったが、賛成である。組織の壊滅、全滅は難しいけど、少なくとも、シクが自立できるまで活動できないようにはしたい。組織としての力を微々たるものにしたい。


 結局、調査ものの結果がでてからとなった。戦うか、避難か。戦力は?逃走経路は?俺が考えてもどうなるものでもないが、それでも考えてしまう。


「私に考えはあるよ。」


 寝たと思った才華がつぶやいた。


「考え?」


「シクの安全を守る手段がね。それなら100パーセント安全。」


「?」


「明日、ギルドの方針を聞いてから教えるよ。だから、明日のために寝よ。それともやっぱり眠りのキス欲しい?」


 こちらに体を向けいたずらっぽい笑みの才華。こういう才華を見ると気が楽になる。そういう身体のつくりとなっている俺。愛音やマアカでもそうだろうなあ。


「才華がそういうなら、安心だよ。」


 考えることはいっぱいあるが才華の言うとおり寝よう。明日もギルドに行き、街の方針を確認しないといけない。才華の質問には答えず俺も目を閉じた。


 

A  才華「癖の悪い海鮮とんこつラーメン味。私は食べることできるけど、おかわりはいらないかなあ。3   代目ジョジョはお金を払わないと思うよ。」

   在人「ですか。」

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