教団信者は・・・・だった。
表にでないはずの黒歴史設定
Q 在人が火吹き鳥の浚われて、カタム傭兵団に助けられ、才華たちの元に戻ったとき、2人が冷静だったのはなぜ?
「そうしたいのはやまやまなんだけど。殺し屋に龍のためとか言う教団が私たちを。6つ。襲ってくるんだよね。」
襲ってきた1人をなぎなたで切り捨てた才華。
「教団・・・・・。でい!っと。でえい。・・・・・こいつらが・・・・・。」
「邪魔するなと」叫んで背後から襲ってきたフードの頭を屋根に叩き付けようとしたジョーさん。人様の屋根なので、急停止し、自分の膝にたたきつけた。『教団』で表情が深刻なものとなる。やっぱり厄介な存在なんだな。
「南門の広場もそうなのかな?」
「向こうは愛音、マアカが護衛依頼のスタッフの子を引き渡しに行ってる。今わかっているのは、邪魔になりそうだから、7つ。私たちに死んでほしいんだって。なんの邪魔になるかは不明。えい。」
胸になぎなたを突き刺し、そのまま蹴とばした才華。
「そうか。向こうにはガーゼットさんが向かっているけど、急いだほうがいいな。どえい。」
丸太のような脚が旋風のように回り、フードを吹き飛ばした。
「ガーゼットさんが?」
「ケンカじゃすまない騒動の情報が入ったからね。仲裁のために俺とガーゼットさんが向かうことになったんだよ。だけど、『教団』となると仲裁では終わらないな。」
「向こうも心配だから急ぎたいん・・・防壁・・・だよね。」
才華は俺の背後に回るように移動して1人の攻撃を受け止めた。俺は「防壁」の指示に反応して、正面からの火球を縦で防ぐ。
「っしゃあ。少し急ぐか。君たちは少し休んでな。」
俺達を挟んでいた2人を殴り飛ばすジョーさん。すぐさま次の信者へ向かい、数十秒の間に全滅させた。うわ。
「屋根の修理代は彼らに支払ってもらうかな。」
ジョーさんの力に耐えれず、屋根には砕けた部分が何か所もある。あらら。
「さて急ぐか。まず君はその三つ目君をかかえるんだ。」
「あ、はい。」
俺はクロスティを抱える。なにか俺達を高速移動させる方法があるのだろうか。
「ひゃい?」
その間に才華はジョーさんの右腕にかかえられた。はは。荷物扱いだ。あれ?
「へ?」
俺はジョーさんの左腕に抱えられた。
ジョーさんの体がでかいからこんなことができるんだろう。シュールとはこういうことだろ。屋根の上でも見える人には見えるだろう。
「あの、ジョーさん。」
「揺れるけど我慢。行くぞ。」
決断が早い。俺が質問する前にジョーさんは大ジャンプ。風圧が振動があああああああ。
「どらああ」
ジョーさんは途中襲ってくる敵を蹴りのみで迎撃しながら、みるみるうちに広場が近づいてくる。
「いた!あそこ、あそこ。ガーゼットさんもいる。」
才華の指さすほうには愛音、マアカ、ガーゼットさんが三角をつくり、上空にはエルージュ。無事なことは一安心。がそれ以上にフードたちがいっぱい。
「こっちが本命・・・か?」
どことなく歯切れの悪いジョーさん。なんだ?
「ワン!ワン!」
「どうした、クロスティ!落ち着け」
突如クロスティが吠えて暴れだす。俺に抱かれるのが嫌になったわけではないな。どこかへ行こうとしているようだ。
「どしたのクロス・・・・」
クロスティの視線のほうを見た才華。顔色が変わった。
「ジョーさん、あっち!急いで!」
「おお?なにがあった?」
才華はジョーさんの体をパンパンとたたく。この慌てようは?・・・・俺もクロスティの視線のほうを見る。・・・・・あれか?遠くの屋根になにかをだき抱えているようにしているフードがいる。あれなのか?そのフードはこちらから離れていく。
「あいつらが私たちの妹を抱えていた。早く!」
・・・いもう・・・シク!?シクが?なんで?一気に混乱した?なんで?
「あれか!そこが本命。こっちも足止めってわけか!よし!」
どうやったのか宙にいる状態から方向転換するジョーさん。こっちもなんで?
「才華、愛音たちに連」
「もうしてる。」
空に火球をあげていた才華。えーっと考えろ。あいつらはなにが狙いだ?なぜシクを浚った?
「なんでシクがあいつらに?シクだけか?」
「私たちに対する人質くらいしかしら?それ以外だとしたら、あいつらに吐かせる必要があるね。」
「・・・・彼らくらいだと詳細は知らないだろうね。」
全く理由が思いつかない。考えがまとまらない、思いつかない。だめだ、落ち着け。落ち着け。切り替えろ切り替えろ今、重要なのはシクが攫われたってこと。
「理由はあと!だな。」
「そう。っとジョーさんにお願いがあるの。」
「なんだい?」
「シクは私たちはが守るから、近くに塾帰りの猫人、有角族、有紋族の子を探して守って。シクの友達で一緒に歌劇団のいる広場に行くって言っていたから、あの子たちも巻き込まれているかも。」
「それは了解した。だけどその子らの姿や場所が分からんとどうしょうもない。」
「あの辺からフードたちがいた場所の間になると思うけど、クロスティ、分かる?」
才華はイナルタさんの塾の場所から、シクのいた場所を指差す。
「クーーー。」
ルンカたちの匂いを探すクロスティ。頼むぞー。あの遠距離でシクを見つけたんだから・・・
「ワン!」
ある方向で吠えたクロスティ。見つけたか!無事でいてくれよ。
「あの付近ね。クロスティはそのままジョーさんと一緒にルンカたちに護衛。」
「ワン!」
「任せたわよ、クロスティ。ジョーさん、在人、私の順に投げ飛ばして。在人はこれもって。で・・・」
才華から氷塊を受け取る。
「自力で着地。シクの盾。落下しても放置。怪我してもはベットで介護。泣きつくんで、抱き着くんで、甘えるんで。それでよろしく。」
「よし。」
それくらいわかる。それしかできないからな!落下する気はないし、それを防ぐための氷塊なんだろうけど、俺だからな、絶対とは言えない。状況が状況なので覚悟を決める時間はない。だがやるしかない。怪我はあとでなおせばいい。まずは首が折れないことに全力を。
「ジョーさん、思いっきりお願いします。そして、ルンカたちのことをお願いします。」
「いい決意だ。よしっ!っっしゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「うわわあああああああああ。」
発射台つきの人間ロケット。今更だけど、人間1人をこんなふうに投げるって普通できるか?できてるんだけどおおおおおおおお。あの体格は伊達じゃあない。
これ無事着弾できるか?着弾?ん?氷塊が後方に引っ張られて、結果的に俺のスピードが落ちた。これならなんとか落ちずにすみそうだ。ふと安心したところで、肩に衝撃。俺が目線を上げると
「体借りた。あとこれ。」
躍動する才華さんの脚と・・・・。おう・・・・。あ。なぎなたを手放したのでキャッチ。切り替え、切り替え!
「いけ!」
俺と盾を踏み台に才華は加速。
「このロリコンがあああ!」
フードは才華に気付いたが、前後を挟むように炎が飛んでいき、動きが止まる。シクも才華に気付いた。
「才華さん。」
「ちょっと我慢してね。あんたは凍ってろ。」
「わ。」
シクを抱えていたフードに組み付き、一瞬でシクが屋根に尻もち。フードは屋根に組み伏せられ、氷漬けとなる。
同時に俺も屋根の上を盾で滑走。踏み台の反動でさらに減速したおかげでなんとか屋根に着弾。ふう。ふうじゃない。
「シク、怪我は?」
「・・・・・・」
あっという間の出来事に呆然としている。才華がしゃがみ込んでシクに目線を合わせる。
「シク?大丈夫?怪我とかない?シク?」
「・・・・・・あ。わ、私はだ・・・だいじょ・・あ。サウラたち・・・わたしを助けようとして怪我しちゃって。私が行けば手を出さないって言われて、だから・・・・ねえ、サウラたちを」
我に返ったシクは身振り手振りで状況を説明する。サウラたちを助けるために自分を犠牲にしたのか。っつ。そして、サウラたちにも危害か。くそっ。
「サウラ達には別の人とクロスティが行ってるから安心して。シクも頑張ったね。怪我はない?」
才華がそっと優しく抱きしめた。少し安堵したのかポロポロと涙を流すシク。
「・・・う・・・・うん。」
「よかった。怖かったでしょ。安心してね。」
「安心してね。」と同時にそれをぶち壊す奴らがワラワラ出てくる。
「聖女様。」「シク様。」「聖女様を汚すな。」「返せ。」「聖女様を返せ。」
8人のフードが俺達を囲む。シクはまた怯えた表情となり、才華もシクを抱いたまま、フードをにらむ。
シクが聖女?なんじゃそら?だがフードたちからその言葉はやまない。「聖女様」「シク様」と五月蠅い。
「聖女かあ。うん。確かにシクの可愛さは聖女だし、優しい性格も聖女認定されるだろうね。そして、成長したらまさに身心とも聖女のようになるとは思う。私も楽しみなんだよね。ひひ。でもそれでシクを浚っていいわけないでしょ。」
才華と教団たちの間でシクは聖女であると共通認識があるも、意味合いが違うよな。シクが聖女ってのも理由があると思うんだが、そこらへんが分からない。
「お連れするように司教様から命を受けました。」
「お連れ?なんのために?おっと近寄るな。今、私に攻撃をすればシクも傷つくように動くよ。互いに大事な聖女様が傷つくことになるから、よーく考えな。シクは友達のために命を懸けれる子。むろん私たちのためにも傷つくことに立ち向かう勇気もあるよ。」
ぎゅっとシクを抱きしめて教団に対する人質とした才華。あれ?なんか立場が、いや、まあ、フードの動きが止まったからそれでいいか。教団側もシクを傷つけるつもりはないってことが分かった。才華はそれを確かめたのかも。とにかく俺達対策の人質ではないようだ。
「これ以上汚されないため。」
「聖女様はまだ未熟、我々が守る。」
「いるべき場所にお連れするため。」
「悪魔から救うため。」
口々と理由を述べるフードたち。ですか。彼らの異常性を感じ取ってシクが怯えている。
「はっ。本人が嫌がっているのは見ればわかるでしょ。それを無視しして連れてこいってか。」
才華は見下す笑みで笑った。
「それに、汚れないため?私たちといると汚れるってこと?この見た目に対して酷くない?」
「お前たち悪魔は聖女様のためにならない。」
俺達は聖女を惑わす悪魔扱いか。全否定はしないし、できないけどな!
「ふうん。なら堕ちないほど汚れきったらあきらめてくれるのかい。」
「ひぃあ。」
まさに悪魔。そんな笑みでシクの耳をなめた才華。その奇行に驚いたのはシクだけでなくフードたちも一緒だ。
「シクの体のあらゆるところに私たちの手は及んでいるんだよね。この可愛い顔も髪型もしっぽも手や皮膚や舌で堪能している。成長が楽しみな胸やおしりもわしわししまくった。嘘だと思うなら今証拠を見せてあげる。ほら。んー。」
「あう。」
頬をなで、髪をなで、しっぽをなでる。そっからシクの頬に口づけをする才華。屋根上での公開セクハラ。斜め上すぎて呆然と見ているしかできないフードたち。シクが汚されていく。恥ずかしさで顔が真っ赤となるシク。だよな、公開処刑みたいなもんだよな。あれ?フードたちの言っていることはやはり否定できない。
「ひひ。もう手遅れだね。これは教皇に、聖女は魔女の手に堕ちていました。って伝えにいったほうがいいね。だから今すぐお仲間連れて帰りな。これで手打ちにしてやるから。しっしっ。」
シクを再度抱き着ける才華。
「ころ!」
「遅い。」
激高したフードと冷静な才華。「遅い」はどちらに言った言葉だ?
「ごめん。シクがいて、ジョーさんとクロスティはどこに?」
「遅いのはこいつらでしょ。」
「シクは無事ね。」
「やっ!」
愛音、マアカ、ガーゼトさんがフード3名打ち倒す。ちょっと遅れてアマがもう1人倒した。アマ!?なんでここに?
「教団はロリコン。狙いはシクが聖女だから。なんで聖女かは不明。シクをかばってくれたサウラたちのところにジョーさんとクロスティにいってもらった。シクに怪我はない。」
「そう。」
もう1人を切り伏せた愛音。
「聖女・・・・見た目と性格はそうだけど。」
ハイキックで撃破したマアカ。
「それだけではないわね。」
2人切り捨てて、屋根から蹴落としたガーゼットさん。
「えっとこれは?あれ?サイカさん?髪が?」
状況に戸惑っているアマ。愛音たちと一緒にいたわけではないのか。
「アマはなんでここに?の前に手伝ってくれてありがとうね。」
「えっとですね。たまたま近くを歩いていたら、フードを倒しながら屋根を渡るイトネさんたちが見えたんです。慌ててる様子だったのが気になって追いかけたら、こういう状況でした。」
「そう、助かったよアマ。と、シク立てる?」
「あ、はい。」
シクの汚れをとり、俺のほうへ促す才華。
「なら、在人よろしく。シクは在人の盾に隠れる。危なくなったら、在人も盾にする。いい?」
「え、そんな。」
才華の言葉に戸惑うシク。まあ、そうなるよな。
「返事は『はい』。そして、移動。屋根上にいることを忘れない。」
シクとアマビシッと指さす才華。戸惑うかもしれないが戸惑っている場合じゃあない。
「は、はい。」
立ち上がりそそくさと移動するシク。俺は才華になぎなたを渡す。
「アマもシクのことお願い。アマも危なくなったら在人を盾にする。」
「あ、はい。」
アマは反論しても無駄なのを理解しているようだ。
「さてと、そっちはなにがあったの。」
「スタッフの子は無事連れていけたんだけど、その広場で襲われたの。」
ですか、愛音。とりあえずクエストは実質終了。あとは俺達の問題か。
「あとスッタフの何人か行方くらましたみたい。そいつらが信者で、私たちにクエストが回ってきたってところね。なにが狙いなんだか?」
ですか、マアカ。歌劇団が来たときにはもう教団は動いていたのか?それとももっと以前から動いていたのか?
「さてと。シクが聖女の理由がわからないから1人は確保したけど、詳細知って」
「知らないわね。」
女の声が聞こえたと同時に、氷漬けとなっていたフードの脳天に輝く刃が突き刺さる。血が舞う中、才華たちは武器を構え、俺も咄嗟に盾でシクの視界を隠す。シクが見ていいものではない。
突如現れたのは同じフードを来たブラウン色の髪の女性。ガーゼットさんたちが攻撃されてから反応しているってことは、急に表れたのか?
「ザイト、シク、アマはもっと下がりなさい。まだフードが来るかもしれないから警戒を怠らない。サイカたちは私の後方。サイカは魔法対策。マアカはサイカの援護、イトネは私の援護。」
ガーゼットさんもいつの間にか最前に移動し、女の前に対峙している。行動と決断が早いのは経験の差か。蜘蛛との闘いのとき以上の緊張感を醸し出す。
「あ。はい。シク下がるよ。」
「はい。」
これでやばそうなのは、フード男にヴィテスに続く3人目か。
A
才華
「魔力の気配で在人が人と合流したのはわかったのよ。その後こっちに向かってきているのもね。だから、目の前の戦いに集中して、そのあとこっちからも向かうことにしてたの。」
愛音
「結局、初めての戦いで時間が掛かったから、在人たちが先についちゃったけど」