3対3 ハーフタイム
表にでないはずの黒歴史設定
Q 最近、気にっている技とか
愛音の戦いから才華、マアカの戦いに目を向ける。変化はない。つまり膠着状態。じり貧って訳ではないが、なにか打開する方法を考えないと。人数の差でこちらが有利・・・・有利?なのか?いまさらながらテリカの弟子は3人だけなのか?
あの3人がここに俺達を誘いだした。鉄球やあの大鎌、謎スカートを使いやすいようにしているのもあると思うがそれだけか?今のところそれだけしか思いつかないがほかにのあるだろ。たぶん。ないほうがいいけど。
「ストップ。聞きたいことがあるからいったん休憩にしましょう。」
突如、才華が手を前に伸ばして動きを止めた。大鎌を振り上げていたフォトゥの前で止まってしまう。
「才華?!」
完全に無防備。振り下ろされたら、真っ二つ。
この動きを警戒したのか、それとも完全に戦闘態勢を解いたせいなのいか、フォトゥはピタと動きを止めてしまう。ふうう、ハラハラさせる。
「・・・・・・な~に~?」
大鎌を下すフォトゥ。こっちも雰囲気が落ち着いたものとなる。
「テリカの弟子ってあんたたちだけ?あ、在人、飲み物投げて。あ、飲む?」
フォトゥに背を向け、俺に手を振る才華。俺は才華から目を離さずに水筒を投げる。
「なにやっている、フォトゥ。」
「煩い!女の話に口出しすんな!」
「そうよ。」
「そうだ、そうだ。」
「む・・・・・」
当然の反応を示すレイダーに対して、才華、マアカ、ついでにフォトゥが反論する。なんだ、この状況?気迫負けしたのか言葉が出ないレイダー。
「なにを言っているの、ころ」
「テリカ・ヒッスなら喜んで応じるわね。才華、私にも飲み物いいかしら。」
ミティの言葉を遮りながら愛音が構えを解いて、無防備に背を向けた。愛音はちらりと顔を向けたが、テリカにできたことをあなたにできないの?本当に弟子なの?愛音の目線はそう言っている。
「私も飲むわ。あなたも飲む?」
マアカも才華、愛音のもとへ。愛音、マアカが飲み終えると水筒をフォトゥに投げ渡している。
確かにテリカ・ヒッスならしそうである。実際、俺と対峙した際、バレバレだったと思う時間稼ぎの振りには付き合ってくれた。
「っ・・・・・いいでしょう。」
ミティも同じ考えに至ったのか、愛音を襲うことはなく水筒を受け取り、レイダーに目配り。レイダーも鉄球の回転を止めた。
本当になんだこの状況は?
「ふう。ごちそうさま。変わった味の飲み物だね。で?聞きたいことってな~に?」
水分補給を終えたフォトゥは水筒をミティに渡す。まあ、水ではなく清涼飲料水だからね。ミティは嫌そうな顔をしたが、愛音や才華を見て、意を決して飲んだ。テリカなら飲むとおもったのだろう。飲んだ後、味わいに怪訝そうな顔をして水筒を俺に投げてきた。毒はないよ。レイダーは飲む気はなく、目をつぶり腕を組んで突っ立っている。
「弟子は今この場にいるあなたたちだけ?ここに隠れているのかなって思ったけど、どうもいないようだからね。ちょっと気になったの。」
ミティに指さす才華。それは重要。答えてくれるかはともかくそれは重要。とりあえず、才華は戦闘中にも感知はしていたため、周囲に隠れている者はいないことはわかった。まあ感知されないようにしている可能性はあるので油断はできないけど。
「それを答えると?」
ビシリと答えるミティ。ですよね。
「だよね~。」
同じように最初から回答は期待していない才華。
「なら、仇討ちに応じた弟子はレイダーとフォトゥだけ?まあ、フォトゥはそこまで熱心なわけではなさそうだけど。」
チラリと目線をミティからフォトゥへむける。俺だけでなく、才華たちもそうなのだろう。視線があつまることから無言でそっぽをむくフォトゥ。
「ええ。そうです。姉さまは、そういうのを望まない方なんで・・・・・」
「いい音さえ聞こえればそれでいい。って感じだからねえ。師匠は。」
視線を落とすミティ。師の言葉に反していることが心苦しいのだろう。対して、飄々としているフォトゥ。フォトゥ自身は仇討ちより、愛音や才華に興味がある感じだもんな。
ではレイダーはどう思っているのか?レイダーは無表情のまま、口を閉ざしているので、表情からはわからない。
「ああ。なるほどねえ。」
「そうなのね。」
ミティ、フォトゥの説明に納得する才華、愛音。まあ、俺もあのテリカの性格や行動からなんとなく納得はできる。
「もう休憩はいいかしら?」
「そうね。確認したいことはできたから。」
「ええ。ハーフタイムは終了ね。」
マアカの言葉に2人がうなずく。
「なにがいいってか、なにが分かったんだ?」
俺だけ置いてけぼりだ。
「ずばり、この場にいるテリカの弟子は目の前の3人のみ。」
「ですか。才華。」
「私たちの感知に引っかからない方法で隠れている仲間はいないみたいねえ。」
「ですか。愛音。」
「あの後ろの劇団の子が実は3人の仲間で奇襲するつもりとかでもない。」
「ですか。マアカ。」
3人の言葉に俺だけじゃなく、ミティ、フォトゥの2人も驚きを隠せていない。レイダーもピクと反応していた。
「でしょ。フォトゥ。」
「うん。あ!」
驚きのせいか、うっかり3人の言葉を肯定するフォトゥ。あら、単純。といよりそうなの?たぶん、カモにされたな。このままだと、もっとカモられるよ。
「まじで?」
「ミティたちの雰囲気から嘘はついていないわ。」
「あの目、表情からもね、ザアイ。油断はだめだけど、とりあえずは目の前の3人に注意しておけばいいだけね。」
愛音とマアカもにっこり笑う。
「聞きたいことは聞いたし、さてと・・・・・そっちも聞きたいことはある?」
「はあ?なにを言ってるんです?私たちは敵ですよ?」
才華の言葉に不機嫌な顔となるミティ。
「いやー、フォトゥがいろいろと教えてくれたから、そのお礼としてね。にひひっ。」
「ありがとうね、フォトゥ。」
「▽◇○」
小悪魔よりも下卑よりの笑みを浮かべる才華。微笑んで感謝を述べる愛音。マアカも同じく感謝しているのは表情からわかるが、ミティたちに言葉は通じていないようだ。スパ?どこ語ですか?
「ロシア語よ、ザアイ。」
「ですか。」
「で?あるの?ないの?ここを逃すともう聞けないよ」
余裕のある才華。この休憩まで互角に戦っていたと思うんだが?焦るよりはいいんだろうけど、その余裕はどこからでている?
「・・・・・・・姉さまの遺体はどうしたのです?」
不機嫌な顔がミティが静かにつぶやく。
「本人の頼みで燃やした。」
才華も余裕のある雰囲気から真剣な表情となる。その目はまっすぐ3人を見据えている。
「そのときテリカの組んでいた仲間にネクロマンサーがいて、遺体を利用されるのは御免だ。って言ったのでそれに応じたの。」
愛音もまっすぐテリカを見つめる。嘘は言っていない。
「そう。」
感謝したようにもみえる表情をしたミティ。
「ほかには?」
「もうないです。」
「そ。なら休憩終了。続きやろうか。」
「ええ。」
奇妙な休憩時間は終了し、互いに武器を構えた。本当になんだったんだろうか、この時間は。
A 才華 深紅刺貫
愛音 羅生門
マアカ ≪完肉≫ バトルシップ・シンク
在人「まさか使える?使うつもりなのか?」