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3対3前半戦

表にでないはずの黒歴史設定

Q 今更だけど、なぎなたと刀を使いこなしているけど、なんで?竹刀と刀じゃあ重い違うよね。あとなんで本物をすぐ用意できたの?

「ふうう。はああああ。」


 引き戻される鉄球をマアカは飛び上がり体を一回転させながら打ち下ろした。打ち下ろした先には四角い穴。鉄球はその穴にすっぽりはまったせいで、レイダーが引っ張るもチェーンがピンと張るだけ。


 着地と同時にマアカはレイダーに向かって走り出す。


「むううん。」


 レイダーは気合とともに鎖を引っ張る。鉄球は地面を抉りながら引き戻された。あっらま。


「ワオ。」


 引き戻した鉄球をすぐさま投げつける。この一撃はマアカの顔を狙ったものだ。あんなの当たれば顔が潰れるどころではなく吹っ飛ぶ。


 ハラハラしながら見える俺とは違い、マアカは冷静に右に避けた。がそこで


「ザアアイ!」


と俺の名を叫び後方に吹き飛んだ。


 マアカはハンマーで鉄球を受け止めてる。あれ?もう1個?もう1個鉄球?いやそれどころじゃない。


 俺はマアカのクッションとなった。・・・・・椅子にはならないが、クッションにはなっているんだよな。才華がジューファさんに「私のクッション」っていってたら即座に否定できなかったな。


「大丈夫か?」


「ええ。それにしても、うーん。才華や愛音が気に入るだけのクッションねえ。今度私にもしてね。」


「へいへい。」


 言葉と表情に余裕がみられる。はいはい。俺の首に腕を回すのが余裕の証拠だろう。


「鉄球2個だったのか。気づかなかったな。」


「使い方も脳筋キャラじゃないわ。」


 えーと、鉄球の来るタイミングやスピードを覚えさせる。顔面狙いと思わせて死角を作る。鉄球の後ろに鉄球を隠して投げるってことか。


「あらあら。も少し堪能していたかったのに。」


「ん。とおお。」


 マアカがレイダーのほうを見たので俺もむけると、目に映るは黒い塊。そう既に鉄球が迫ってきてた。容赦ないといより、これが普通か。


 マアカは術式を展開させた。先ほどと同じようにブロックが地面から浮かび上がる。そのうちの1個が鉄球を真下から打ち上げ、軌道を変える。ふう。いやまだ、もう1個くるのか。


「左からよ。鎖の下からは動いて。イヤーー。」


 左を見ると鉄球は故を描き飛んできていた。マアカは飛び上がりゴルフスイングで鉄球を下から救い上げ、軌道を変えた。俺はささっと立ち上がり、鉄球の軌道より外れる。


「もう少し舞いましょうか。」


 マアカとレイダーの鉄球のぶつかりあう。



 体勢を立てなおした俺は、才華と愛音のほうの現状を確認。愛音とミティは淡々と剣と刀を振りあっている。互いに様子見をしているのか、空を斬る音とつばぜり合いの音のみが聞こえる。


「あはははは。」


「きゃきゃきゃきゃ。」


 対照的にしゃべり声と笑い声が戦闘音より大きいのは才華とフォトゥ。才華はフォトゥに釣られているいるのか?


 大鎌となぎなたがぶつかり押し合いとなる。


「きゃは。おっもしろーいねええ。」


「誘ったかいはあった?」


「うん。うん。来たかいあった。」


 体格はそう変わらないが、武器の質量の差なのか、徐々に押し込まれる才華。


「そう。そりゃよかった。ならそろそろ出し惜しみはやめたら?」


「そうする。はっつああああ。」


 才華の言葉に目をぱちくりさせた後、ニイと笑ったフォトゥ。フォトゥは才華を押しのけつつ、グローブで大鎌の柄をたたく。大鎌は刃の部分が変化。鎌というよりはアニメ、ゲームででる振り子の罠のあれみたいな形に変化。そしてその大鎌の峰の部分、この鎌なら刃になっている峰で突いてきた。


 才華はバックスッテプで間合いの外へ出ると同時に指先より炎を放つ。フォトゥは大鎌の刃で防いだ。いや違う。刃の先端部にあたると同時にフォトゥは体を一回転。炎は峰に沿って逆の先端の移動し、一回転終了と同時に炎が才華に戻っていく。加速されたのか倍の速さでだ。


「っと。」


 才華は水流を放ち炎を相殺。


「ならこっちは?」


 フォトゥに雷撃が一直線で向かっていく。


「これもだよ~。」


 炎と同じ要領で電撃を返したフォトゥ。これは左に避けた才華。


「ではこっち。」


 足が地面につくと同時に足元が氷つききながらフォトゥへ。


「これにはこう。」


 フォトゥは刃を先端に刺しす。地面はその刃をそれて凍結していく。


「なるほどなるほど。逸らすのか。」


「そうゆうこと。そうゆうこと。あらゆる魔法を逸らすのがこの特注大鎌。魔女っぽい、サイカちゃんには天敵だねえ。」


 鎌をゆらつさせながら答えるフォトゥ。


「ん?逸らすだけで、あの返すのはフォトゥの技術?」


「そうゆうこと」


 肯くフォトゥ。まじでか。矢除けのヘアピンでナイフを逸らして攻撃した愛音。その攻撃を魔法でしているってこと。軽そうに扱ているけど、重さはあると思われるあの大鎌で行うなんて、なんちゅう技量なんだ。テリカの弟子に恥じない実力を感じる。


「ふうん。この『矢除けのヘアピン』みたいなものね。」


 ヘアピンを指さす才華。矢のほかに飛び道具や落石などもさけるガンソドのヘアピン。


「いいねえ。そのヘアピン。どこで売っているの。おしえて、おしえて。」


「ミタキのガンソドって店。現在蝶、月、ネコ型発売中。新作として炎、太陽、ウサギちゃんとキツネちゃんが3日後に発売予定。そこのかわいいお嬢ちゃんもおひとついかが?」


 宣伝かよ。またなぎなたと鎌を振りあいながら、会話している2人。


「この件が終わったら買って帰ろう。ショッピングだ。」


「私もこの件が終わったら在人と一緒に買いに行こう。デートだ。」


 俺のほうを振り向く才華。レイダーだったらこの隙に攻撃してくるぞ、才華よ。俺は集中してもらうため、うんうん頷く。生き残ったら、行ってやらあ。だから前、前見てくれ。俺の言いたいことは通じたらしく嬉しそうにしてフォトゥの方へ目線を戻す才華。この間にも大鎌もよけている。


「へえ、あの兄ちゃんとサイカは付き合っているの?」


「私は在人の彼女で、婚約者で、将来の嫁。」


 ここで半ば恒例の彼氏紹介ですか。うーん。付き合っているから少し照れるなあ。


「私は在人の恋人で、許嫁で、将来の妻。」


「んーん?」


 聞き耳立てていた愛音が口を挟む。目が点となるフォトゥ。今度は聞こえたか。


「私はザアイのガールフレンドで、フィアンセで、将来のワイフ。」


 同じくマアカが口を挟む。目が?となるフォトゥ。これも聞こえたか。


「どうゆうこと?どうゆうこと?」


 俺に叫んでくるフォトゥ。


「・・・・・・・・・聞いたまま。」


「マジで?なんで?もっと世間にはかっこいい男はいるよね。どこがいいの?どこ?」


 今までで一番騒ぎ立てるフォトゥ。そんな反応されるのは予想していたけどさ。していたけどさ。 どこって言われても、俺にも分からん。それは3人に聞いてくれ。


「ふっ。男も女も見た目だけじゃあ分からないことがあるんだよ。深淵を覗くよりも深くて濃い処にいかないと分からないこともあるんだあよ。」


 目を閉じ勝ち誇った顔をする才華。質問には答えていないような気がする。・・・・・いいところの説明は省いただけだよな。ないからそう言ったわけじゃあないんだよな。


「確かに!」


 納得したフォトゥ。今度はこっちをみた。


「3人とデートするの?」


 そんな甲斐性あるの?と顔が言っている。そんな気がする。いや間違いない。あれは言っている。あの口元は。


「4人デートもしくは個別デートを3回。やるったらやる。あとなんか買ったらあ。だから終わらせて帰るぞ。」


 俺用の貯金が減る予定となったが、3人の気力は上がった気がする。これも間違いない。


「・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」


 俺のデート宣言後、動きを止めて無言となった才華とフォトゥ。


「そういうわけだからささっと終わらせないと。」


「そうなるとこれは邪魔しないと。」


 構えを取る2人。さきほどまで空気が一層し、緊張が走る。


「「生きて帰れると思ってんの?」」


 才華はなぎなたで攻撃をしかけ、それを受け止めたフォトゥ。才華、数分前と言ってること違うぞ。


 

!?


 誰かが吹き飛ばされ、地面を転がる音が聞こえた。そのほうを見るとミティが転がっていた。愛音が蹴り飛ばしたようだ。


 立ち上がろうとしたミティに愛音が間髪入れずに間合いを詰めて斬りかかる。


「っく。」


 何とか剣で防いだミティ。デート補正によって愛音が攻勢に出ているってところか。デート補正ってなんだ?


 刀と剣のぶつかり合いは終始、愛音が押している。デート補正すごっ!


「なめないで!」


 ミティは刀をさばき、左脚で顔面への蹴り。


「どうかしら?」


 口角が上がるミティ。だが残念。


「軽い、鈍い、甘い。斬撃もだけど、テリカ・ヒッスのはもっと響いたわ。・・・・・・・あなた本当に弟子?」


 その蹴りを左腕で止めた愛音は涼しい顔をしている。テリカとの闘いは愛音、才華にとって1つの転機であり、基準となっている。最後の部分は挑発か?


「そうよ。私は姉さまより劣る。」


 ミティは激昂するかと思ったが冷静に間合いを広げた。


「だけど、あなたたちだって姉さまに劣る。」


「そうね。」


 否定しない愛音。ここ最近の組手やらで動きはよくなった気がするが、それでもテリカには及ばない。2人はそう考えている。簡単に追いつき。追い越せる相手ではないか。


「なら、なんでここにいるの?なにをしたの?あなたたち二人が相手でも姉さまに勝てるはずがない!」


 悲壮な顔で叫ぶミティ。それは正解。なんとか生き残ったともいえる。


「・・・・・あのときは在人もいたわよ。」


 愛音の視線がこっちに向き、ミティも釣られる。


「それが?あの男じゃ足を引っ張るだけじゃない?」


 それも正解。


「そうね。見事に足を引っ張たわ。」


 愛音もうなずく。俺のココロにグサッとナイフが刺さった。


「テリカ・ヒッスの足をね。だから私たち3人は生きている。」


 微笑む愛音。嬉しそうだ。


「あんな、あんな雑魚に!お姉さまが?嘘だっ!あんな男になにができる。姉さまの前に立つと同時に首を刎ねられる男に!」


 顔を真っ赤にして激昂するミティ。俺の存在がそんなに気に食わないようだ。そらそうか。愛音と才華は、俺とテリカで俺を選び。さらに俺がいたことでテリカは死んだ。


 『あんな雑魚に!』誰も否定しようのない『雑魚』の俺。『THE・雑魚』の俺。その雑魚のせいで。この事実は受け入れられないようだ。


 もしかしたら、傭兵団相や愛音、才華、マアカの3人組が相手なら納得と観念はしていたのかもしれない。だけど現実は厳しい。俺のせいでごめんね、なんて言わないけど。


「じゃあ、あなたは首を刎ねられるかもしれない状況で、その相手の前に立つことができる?自分より強い人を守るためにそういうことできる?生き残るためにそういうことができる?主観、客観どちらから見ても死ぬ状況でそういうことができる?」


「なによ、それ?言っている意味が」


 回答に窮したミティ。


「でも在人はそれをした。愚かかもしれない、無謀かもしれない。それでもその行動を選んだ。少なくともあなたや私たち、もしかしたらテリカにもできないことをしている。そこに私は・・・・・・・・惹かれている。」


 やや恥ずかしそうにする愛音。そんなこと言われると俺も照れる。あのときはあれしかなかっただけなんだけどね。


「・・・・・・ならアイツから殺して、あんたたちにも同じ苦しみを・・っち。」


「させないわ。」


 標的を俺としてこちらを見たミティ。視線がこちらになるかならないうちに、愛音が斬りかかっていた。容赦ない愛音。


「できるかしら?」


 だがそれをミティは左腕で受け止めていた。刀だぞ。刃を服で受け止めた?!あのドレスの袖の下になにか仕込んでいるのか?それとも生身が頑丈なのか?


「あら?」


 愛音も手ごたえのおかしさに目を丸くしている。ミティは剣で突いてきたので愛音は首を傾け回避。だが剣はよけていたのに左頬に、あのすべすべした左頬に一筋のかすり傷ができた。


 間合いを広げて、左頬を触れる愛音。


「その袖のフリルどうなってるのかしら?」


 愛音はミティの袖フリルを刀で指さす。よく見ると右腕のフリルが赤い筋が見える。愛音の血か。

フリル?フリル?どうみてもちょっと仕立てのいい感じのドレスなのに?それともレイダーやフォトゥの武器みたいになにか特別な技術でも?


「フリルだけじゃあないわ。」


 ミティはドレスのスカート部分をつかんだ。破くのか?え?これは目をつぶったほうがいいのか。?

あ、違う、取り外せるのか。スカートの下にはスカート。ふう。一安心。


「在人。履いてるスカートと脚じゃなくて、持っているスカートと腕を見といたほうがいいわ。」


「あ、はい。」


 こちらを見ないで俺の目線の動きを理解している愛音。そうですね、あのスカートもなんか危険な気配がする。たぶん目の前にいる愛音はもっと感じているんだろう。


「見てるだけ?遠慮せず触ってもいいわよ。」


「私は才華と違うのでご遠慮するわ。」


 愛音は炎でけん制。ただの服ならこれで燃える。ただの服じゃなくてもなにか分かる。あと才華なら「うっひほーい」って言いながら鼻の下を伸ばし飛びつきそうな状況ではある。俺とは違って。俺は飛びつかない。


 ミティはスカートを振り払う。


 あらま、炎が切り裂かれた。なんかあのスカートは鋭利に見えた。ついでに脳内イメージでスカートに飛びついたネンドロイド才華も切り裂かれた。


 愛音は冷静に氷、水と放つが全て切り裂かれる。ついでに脳内イメージのプチ才華とSD才華も切り裂かれた。


 ならばと地面が隆起しミティに襲い掛かる。普通に考えれば・・・・地面の隆起が普通かは置いといて、質量的にはスカートに勝ち目はない。


 ミティはスカートを振ると隆起し襲い掛かる地面もあっさり切り裂かれた。ただのスカートだよな。


「これは?」


 愛音が電撃を放つ。ミティはこれを右に避けて、スカートを振る。大きくなった?伸びた?どう見てもスカートの元の丈を超えている。そして速い。


「布は布ね。」

 

 愛音は先端を避けつつ、刀を振り下ろす。スカートを斬るつもりだ。


「ええ。布ね」


 ミティは剣でスカートを叩く。スカートは直線的な動きから弧を描き愛音の背後を先端が襲う。スカートに囲まれた状態だ。変な表現だがそうなっている。あれじゃあ逃げれない。先端に突き刺される?スカートに挟まれて斬られる?


 愛音は新体操選手のように両脚を前後開脚と上半身を前に倒して、スカートを回避。スカートは顔すすれすれだった。前もこの回避方法見たな。


 この回避はミティも想定していなかったのか、追撃はなかった。ミティは自分の左脚を見ている。その左脚、ミニスカートが途切れる左膝から血を流している。


 どうやら愛音が魔法を放っていたようだ。伸びたスカートの真下を通るように、ミティの死角となるように魔法を撃っていたのだ。


「ふう。」


 愛音は立ち上がりつつ、スカートを刀で払った。愛音は冷静に謎スカートに対応しているが、あの袖以外にもまだなにか隠しているのか? 下手に近づくのは危険か?


 この2人の戦いも膠着しそうである。 なにかきっかけがほしいところだ。

A  譲二じいさんの指導のもと、最終的に本物と同じ重さのもので素振りをしていたから。

   用意できたのは金持ちなのと、あとは知らないほうがいい。

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