お別れ
表にでないはずの黒歴史設定
Q 「~ぞい」を教えた3人は次に仕込むものは?
コア、愛音、マアカがゴブリン数十体と乱戦中。その中には大型ゴブリンが3体。完全使い捨て扱いだったゴブリン使い配下のゴブリンとは違い、ゴブリン側に連携が取れているのがこの場所からならわかる。
おっと投石。
「でるよ。ジーファの『悪天乱舞』が。下がって。下がって。」
「あいよ。」
コアの指示により、マアカ、愛音はゴブリンたちから距離をとる。逃がすまいと追いかけてくるゴブリンたちを覆うように土が盛り上がり壁となる。才華の魔法だ。
空中の術式の完成と同時に杖を掲げるジーファさん。竜巻がゴブリンを囲み、突き刺すよう豪雨と雷鳴が響く。雷の発光で一瞬目がくらんだ。まぶしい。
術式の下にいたゴブリンたちはあっという間に真っ黒こげ。竜巻で足止め、弾丸のような水でダメージ、その水を伝い感電。こわっ。これよけれるのか?
「ワオ、怖い怖い。ねえ、ザアイ。」
ゴブリンの死体を眺めて感想を述べるマアカ。うん。敵に回したくない。3人はともかく俺には防ぐ策も逃げ切る策も思いつかない。
「感知できる範囲にはなし。クロスティのほうも感じないのね。」
愛音は周囲を確認。足元にはクロスティがすりついている。
「同じく。これでひと段落かな?エルージュのほうは?」
才華も周囲を見渡した後、空中で旋回していたエルージュの叫ぶ。
エルージュは
「クエー」
と鳴き
「いないのね。」
「そのようね。」
「だね。ザアイ。ジーファ。コア。」
「ですか。」
頷く3人。なんでわかるの?
「戦闘終ーーー了。」
大ジャンプで喜びを表現するコア。3人と2匹のやりとりを疑うことなく受け入れているのはこの世界の住人だからなのか?
「ふう。」
ジーファさんも不思議と思っていないようだ。
「ザイトもありがとうね。」
こちらに微笑むジーファさん。俺は術式が完成するまで才華とジーファさんを投石などから大盾で防いでいたのだ。多少は役にたてたようだ。
「このまま。警戒しつつ、後片付けを終わらせましょう。ザイトは数えておいて。」
「「「はーい。」」」
「えーい。」
女性陣は早速死骸処分を始める。俺はわいわいしているコアと才華を傍目に死骸の数を数え始める。
今日はジーファ、コアと一緒にクエスト。内容は流れてきたゴブリン退治。それも間もなく終了する。ジーファ、コアと合同でクエストに挑むのは数回あるが、今日で最後になる。
カタム傭兵団が3日後にはミタキの街を発つことになったからだ。
それを知った時間は今朝だ。
シクを塾に送った後、今日はクエストへ。そこにはギルド内にはカタム傭兵団がいた。さて、うーんっと、ジーファさんとコアはいると。
「おはよう。ジーファ、コア。」
「はよー。」
「おはよう。」
女性陣たちは早速おしゃべり。傍からみても華やかなものだ。
アラクネル討伐から既に2か月経っているがカタム傭兵団はいまだミタキの街にいる。討伐直後は子蜘蛛討伐を行っていたが、それも終え、王国への報告も済まし報酬も受け取っている。
この街にいる理由はないはずだが、ただ行先が決まってないだけらしい。ジーファさんによると、幹部間でテリカ・ヒッス達の依頼者を探すか、暑くなるから南の海へいくか考えているとのこと。
殺し屋の件か海かで悩むのか。殺し屋たちの件を深く考えていないのが、すごい。というか余裕があるというか。
リーダー格のネクロマンサーは自爆したから、情報が少ないし、相手にしていてもキリがないのもある。とジーファは言っていた。
「ああ。それとね。私たち3日後にここを発することになったの。だから今日会えてよかったわ。明日からは移動準備でギルドに私たちは寄らないからね。」
ジーファの発言に3人は驚いた表情となる。
「そっか。なら今日か明日の夜に送別会ね。」
「ありがとう、マアカ。明日なら大丈夫ね。」
「寂しくなるわ。」
しんみりする愛音。異世界で最初の友人だもんな。
「イトネ・・・・。」
ジーファさんの表情もどことなく寂しそうだ。
「はいはい。気持ちはわかるけど、我慢我慢。永久の別れじゃないんだから。で結局どこに行くことになったの。」
明るく振る舞う才華。まあ、そうだよな。再会はできるさ、マアカのときみたいに。
「海を目指して南へ。アラクネルの件で金銭に余裕はあるから、バカンスだー。やっほい。」
便乗したのかことさら明るく振る舞うコア。
「殺し屋たちの件はやっぱり情報が少ないし、対処するとなると、また長期間になるかもしれないしね。それよりはのんびり遊んで、依頼者たちに余裕を見せつていらつかせる。いつ報復に動くのかわからない恐怖に浸らせておくほうで決まったの。」
いたずらっぽい笑みを浮かべるジーファさん。珍しいし、かわいいこって。才華たちがやるとどうしてもいたずらっぽいより、邪悪さが勝るからなあ。
あとその考えは誰から出ているのかは気になる。カタムさん?ジブルさん?イトベスさん誰だ?
て、あいたたた。
「才華。今俺のほおを引っ張る必要あるか。」
「ハーレムメンバーの前でジーファの笑顔に見惚れるのはどうかと。うへへ、俺様のハーレムに加えたいなあって思うのはどうかと。」
前半部分にやや照れていたが、後半部分の内容に一瞬固まり、一歩引いたジーファさん。目が冷たい。信じないでくれませんか?っって言いたい。だが、目の前の女性3人とああだ、こうだってなっている俺の言葉に説得力はあるか?とりあえず、黙っているのはよくない。
「あんまり見たことない表情だったからね。前半部分は全否定はしない。だが後半はない。とくに『うへへ』はない。」
「あら。それってジーファはザアイのハーレム基準に達してないってことかしら。こんなに綺麗なのに。ねえ。」
「ちょっとマアカ。」
ジーファに抱き着くマアカ。いやいいシーンだよ。これ。
「いや、美人なのは否定しないけど、そうじゃない。上手く言えんけど。そうじゃあない。」
「ザアアアイ。私は?この可愛いならジーファ以上のコアちゃんは?ここにはいない妹的存在のコアちゃんは?」
「そうねえ。コアちゃんも可愛いよね。」
てへっとウィンクしてくるコア。愛音はにこやかな笑顔でコアの頭をなでる
「ない。」
時間が停止した。俺もついに時を止めれるようになったか?ってか。
「ちぃぃっよっと、すごっく失礼じゃない。ジーファと違って全否定したよね。今。」
むせるような炎を燃え上がらせて叫びあがるコア。だって本当にそんな気がわかないんだよ。
「ああ。在人は『妹』キャラに反応しないんだよ。」
「はあうい?どうゆこと?」
「私と付き添ってギャルゲーやエロゲーをやるときも、妹は対象外。妹以外のキャラを攻略しているときは私の椅子をしながら、じっと見てたり、意見を述べてくれるけど、妹のときは全く集中していない。」
「才華さん?あの誤解を生むその発言。」
声が裏返る。椅子の発言はやばい。今のジーファさんには間が悪い。あとギャルゲーとかは通じないと思います。絶対わざとだ。おいおいおいおいおい。
「い・・・・す?」
すでに手遅れだった。顔がドン引きしているジーファさん。どう考えても俺が四つん這いの俺の背に才華が座っている姿を想像している。そうしかならん。俺だってまずそうイメージが出てきてしまう。
「四つん這いになっている俺の背中にいるわけじゃないから。俺が胡坐かいてるところにもたれ掛かってくるだけだよ。クッションとかそんな感じだよ。」
「正確には私がすべり落ちないように、お腹あたりに手をまわしてくるだけだよ。」
「そうそう。そうしろって言われて根負けしてるわけ。愛音でもしてるかね。たぶん、マアカにも要求されたら根負けするよ。」
ぶーぶー騒がしいのであきらめているんだ。それをもとに愛音が嘆願してくるんだから、拒否しようもないんだからね。
「そ、そう。ごめんなさい。付き合っているならそういうときもあるわね?」
ほっとした表情となるジーファさん。 ・・・・・付き合ううんぬん以前からだけど。2人にそうすることはさも当然に考えているのはいいのか?そういうものだともうあきらめているのか?
「なーに朝から変な想像してるのさ。ひひっ。ジーファも好きねえ。」
才華はジーファさんをからかいだした。おいおい。
「あらら。」
「ふふ。」
「そんなつもりは」
赤面するジーファさん。あらかわいいこって。
「んなことの前に 結局どいうことおおおおおお」
一難は去ったがまだ一難は残っていた。一緒に去ってくれればよかったのに。
「ああ。在人の好みは私たちのような同い年。そこから100光年譲ってやや年上ってこと。年下はあらゆるパラレルワールドでも存在しない。」
ジーファさんとコアは100光年とパラレルワールドを理解できてないようだ。だがそこは重要ではない。
「まあ。可愛いとか以前にそうなる。」
そこは否定できん。嘘もつかん。同い年、年上はともかく、年下はそうなる。
「じゃあ、才華はどうなるのさ。見た目は3人の中じゃあ、幼く見えるし、スタイルだって。ひいい。」
目を見開いている才華に恐怖したコア。隣でまた「あふれ出る」を見せつけている愛音とマアカ。コアと才華を見比べる目線のジーファさん。
「どうどう。才華は・・・・・・・・・才華だからなあ。」
才華をあやしながら理由を答える。
「そゆこと。ごめんねぇ。コア。あと私もあるんで。」
コアに見せつけるように俺の首に腕をからませる才華。それで通じるから才華だよなあ。
「ちっくしょううううううう。その理由だとどうしようもないじゃないかああああああああ。」
コアは四つん這いとなって悔しがる。悔しがることか?俺のハーレムに入るのが?俺のってつい思ってしまったが、そう思っていいのか?だって俺だぞ。
「ごめんねえ。コアは私に生まれなった己の不幸を呪っていて。その間に私たちはハーレムを堪能するから。」
「おおううううう。」
これそろそろ騒々しいって。あ。
「朝から騒ぎすぎね。」
「騒々しい。」
「あた。」
「ぎゃふ。」
ガーゼットさんが手板で才華の頭を軽く叩く。ジブルさんがコアの頭を踏み潰す。あれ?コアが動いていない。
「くっ。りょ・・・・ごめんなさい、コアをからかうのが楽しすぎちゃって。」
はい、よくできました。姿と声が似てるというかほぼ一緒だから『良子』って言いそうになるのは分かる。けど、今目の前にいるのはガーゼットさん。流れで頭をなでとく。コアはまだ動いていない。だが誰も気に留めていない。ジーファさんとジブルさんにとっては平常運転なのかもしれんが。
「場所と言葉はよく考えなさい。注目されているわよ。」
そういわれ、周囲を見渡すと確かに俺達は注目されている。そりゃまあ。「椅子になっている」や「ハーレム」やら絡みついてきたらそうなるか。こっちが目線を向けたことにより、周囲の登録者は慌ててそっぽを向いて足早に移動していく。コアはやっと微振動。マアカがハンマーでコアをつんつんついている。
? 今だ俺を睨んで来る者が数名がいる。なんだ?
「あらら、ザアイ、美人に囲まれているから、嫉妬されてるわねえ。」
「そうねえ。あれはそういう目よねえ。」
「ですか。それは・・・・・・・どうしようもない。」
才華、愛音、マアカ、ジーファさん、ジブルさん、ガーゼットさん美人たち。微振動中のコアはどう判断すべきか?そのコアをジーファさん杖でゆすっている。まあ、俺が外が第三者としてこの状況を見てたら、うらやましいとは思う。
「コアも起きなさい。」
腹部を蹴り上げるジゼルさん。
「がぶ。」
ふらつきながら立ちあがるコア。
「他の団員は依頼を決めたわよ。そして、あなたちはどうする?」
そうだ。これからクエストだよね?コア大丈夫なのか?あと雑談しすぎたか?
「じゃあ、私たちと一緒にしよう。いいでしょう?ジーファ、在人。」
「私は構わないけど。」
才華の提案に戸惑うもまんざらでもなさそうなジーファさん。その表情で笑顔を見せる才華。
今度は俺のほうを確認する才華。俺はチラっと愛音、マアカの様子を確認。2人とも歓迎のようだ。
「いいよー。」
「お願いジブルさん。」
俺の回答を得た才華は才華は訴えるまなざしでジブルさんを見上げる。
「ふう。いいわよ。ただ1日で終えれる内容にしといてね。」
やれやれといった顔をして笑みを浮かべるジブルさん。押し負けたな。
「ありがとう、ジブルさん。よーし、コア早速選びに行くよ。在人たちは待ってて。」
「おっにゅ」
コアの手をひっぱり掲示板へ向かっていく。
「それじゃあ、私は行くわ。あなたたちも頑張ってね。」
「あ。はい、そちらのほうも。」
ジゼルさんとは手を振った後、他の団員のほうへ向かっていた。
「私たちも頑張りましょう。」
「よろしーくね。ジーファ。」
「ええ、よろしく。マアカ、イトネ。」
こういう光景も見れなくなるのか。そう思いながら、話している3人を見ていた。
「最後に一緒にクエストをできてよかったわ。ありがとうね。みんな。」
ギルドでの報告も終了すると、ジーファが改めて3人に感謝を述べていた。
「楽しかったー。」
満面の笑みでいるコア。
「おいおい。まだ終わりじゃあないよ。ねえ、在人。」
ん?才華、なんかあるっけ?なにも思いつかないうので首を横に傾ける俺。対照的にうんうんと縦に首を振るマアカ。
「ザアイ。友人とのお別れには送別会よ。」
「そういうこと。マアカ!」
「イエーイ、才華!」
ピシガシグッグッ。
マアカと才華は息ピッタシに見たことあるタッチ。それをにこやかに見てる愛音。キョトンとしているジーファさんとコア。送別会はともかくあのタッチは意味不明だろう。
「どう2人とも?」
愛音がジーファとコアの回答を求める。
「いいよ。いいよ。じゃんじゃん飲もう。」
「そうね。」
2人も頷いた。この後一旦解散し、ジーファさんたちはジブルさんたちと合流。俺達はシクを迎えにいった。
その夜、グラッチェで散々飲んだ。その席で酒乱ジーファさんに3股の件をフォークで胸倉を刺されながら事後報告。結果危なく上から下の大事なところをナイフで刺され、切り刻まれるところだった。
その様子を当事者3名を笑いながら見ていた。恋人以上夫婦未満の関係なのに。
3日後、シクを送った後、西門でカタム傭兵団の見送り。カタムさんやガタクンさんたち顔見知りの人たちにあいさつを済ました後、ジーファさん、コア2人のもとへ。
「もう少し一緒にクエストしたかったわね。ジーファ。」
「ええ。私もよ。イトネ。」
愛音とジーファさんが握手。コアはあっけらかんとしているが、ジーファさんはやっぱり寂しそうである。
「また会えるかしら、サイカ?」
「また、『会う』だよ。ジーファ。『会いたい』じゃなくて『会う』。人間ってそういう気持ち、考えで行動しないと、まず望みはかなわないんだから。」
握手をする才華とジーファさん。ぼんやり思うじゃ駄目ってことですか。装置を作ったことを考えると実感あるなあ。
「私もそう思う。そうじゃないとザアイに私は再開できなかったんだから。」
「そう。そうよね、マアカ。また必ず会いましょう。」
笑顔となるジーファさんとマアカが握手。マアカも重みが違う。
「ザイトもその、先日はそのまたというか。コアに聞いたんだけど。」
握手はするが気まずそうにするジーファさん。フォークとナイフの使い方の第一は食事のためだね。
「気にしていないと言いたいけど、気をつけたほうがいいと思うよ。フォークとナイフを冗談ととらえる人は少ないんだから。すくなくともシクは怖がっていた。」
あの時はシクがハラハラした表情で見ていたので、ジーファさんはなんとか踏みとどまっていた。あれで踏みとどまったと考えていいのかは要検討だけど。俺だからってところは考慮してほしいもんだ。
「本当にごめんなさいね。」
「ま、その件はもういいんで。ああ。シクからも『お元気で』って。本当はここに来たかったみたいだけど、塾だからね。」
「シクにもよろしく言っておいて。」
微笑むジーファさん。この間に才華たちはコアと握手っというより抱き合っていた。ハグですか。
「今度は温泉とかにも行こうよ、ザイト。」
「そうだな。コア。」
「そこで、私の魅力に気づくぐわああ。」
「はいはい。無駄な努力はしない。」
ジーファにのどを突かれるコア。悶絶している。
「それじゃあ、行くわよ。」
ジブルさんの号令で傭兵団がぞろぞろ歩き出す。こっちに気づいたジブルさんは手を振り微笑んだ。
「それじゃあ、皆。またね。」
「楽しかったよー。またねー。ばーいばーい。」
ジーファさん、コアも振り返って歩き出した。4人で傭兵団の姿が見えなくなるまで見送った。
この世界で最初の友人で、俺にとっては命の恩人でもある人達はこうして、ミタキの街を去っていた。
異世界だけど、『また』会いたい。会える日を楽しみにしていよう。
A 才華 「ピュアロードの名乗りシーン」
愛音 「どんどんドー・・・・・・・う」
マアカ「ファイナルダイナミ・・・・・・ル」
在人「きこえませーん」