魔女対魔女
表にでないはずの黒歴史設定
Q 3人は在人のどこが好きなの?
「・・・・・・心を読むう?それってとりあえず強くないか。やばくないか。」
3人はあまり気にしていないが、やばい相手じゃないか。やばすぎて「やばい」しか言えない俺の語彙力のなさ。心読む相手によくナイフが刺さったな。
いつから3人とも予想していたのか。俺は置いてけぼり。俺の思考はそこに追いついていません。
それがなんで分かったんだ?
「えーと、それは何故、そうっ思ったので?」
「私が覚えていない刀の横なぎにいこうとしたって在人の説明から。」
ですか、愛音。俺の説明を受けたときにはもう予想していたので。
「私も収束の魔法を発動させて在人の前に移動したけところは覚えているけど、そこでなにをしようとしたのかを覚えていない。あれって思ったときにマアカの注意がなければ、私も魔法を食らっていた。そこから考えると、魔女の力で考えを食われたかのかなって思った。まあ、漫画様、アニメ様、小説様かたがたのおかげだねえ。」
ですか、才華。かたがたのおかげってのはわからんでもない。
「私は最後尾にいたから、2人の異変と魔女の口の動きがよく見えたからね。やりあっているときも、こっちを見て笑ったときは回避に余裕があったから。まあ、魔女の事前情報あってだけど。」
ですか。マアカ。あの笑みはそういことだったのか。
「それで思考を読む、食べる能力だと仮定して、その詳細を把握しようとしたの。だからヘアピンのことは言わなかったし、ナイフを投げるときだけしゃがんでってお願いしたの。」
「対象を見る必要があるのか?見るとしても時間、距離の制限は?その判断のためね。」
「ザアイが声を出したのは、なるべく愛音に目視させないためね。」
なーる。
「さて、話はここまでね。」
才華が振り向いた方向にはローネ。息もあらく、吐血した跡があり、さすがにあの人を食った笑みは消えている。これで笑みのままだったら、テリカだったが、そこまでではないか。自然とテリカと比べてしまうのはあいつが強敵で印象深いせいなんだろう。転生したってのも印象の補正になっているんだろう。
「はあ。はあ。はあ。ちくしょうが。」
ローネはナイフを引き抜いた。おいおい、血が流れ出るよ。だがローネは気にも留めていない。
「はあ。はあ。」
「さて、寛大という言葉が最も似合わない私だけど。」
才華よ、自分で言うことかい、それ。ふつうは似合うだと思うけど、まあ、最も似合うはないか。愛音とマアカは頷いている。俺の思考を読んだのか、才華は一瞬こっちをみたが、すぐにローネに向きなおる。
「ドラゴンと私たちを諦めて去るなら追わないよ。」
「ああ?」
「私たちの目的はローネやドラゴンじゃなくて、温泉だからね。食欲より入浴なわけ。」
「はあ。はあ。ふふっ。去れるかよ。ここで。今まで、人間、エルフ、猫人、有角人など食べたけど、ドラゴンはまだだったからね。」
脇腹を治療しながらだんだんと目がおかしくなっている。狂気じみた表情となりゆがんだ笑みがこぼれる。今の発言でわかったのは未知なる味をもとめてドラゴンを襲ったってことか。
「ふうん。」
なにかを悟った表情の才華。なんだ?
「まだまだ、あのドラゴンを味わい足りない。もっと苦しんでいるときの味を味わっていない。」
「痛いとか、苦しいとか考えているのがおいしいの?」
「そう。そうなの。しかも痛めつければ痛めつけるほど、だんだん濃くなっていくの。致命傷のときは一番濃厚。死ぬ直前のは後味すっきり。だけど、気絶できないで、ダメージを深く意識しているときの味が一番長く楽しめるの。」
愛音の質問にハイとなっているのか、味を思い出して顔が恍惚としている。しかもおいしいって状況が物騒だな。苦しんでいるときの考えがおいしい。ドエスか。
「おいしそうな女3人も見つかったし、そのうち1人は魔女。魔女はまだ食べたことない。」
ですか。それが俺達をというか、3人ついでに俺を攻撃してきた理由か。この2人だけでなくマアカもおいしいのか。はあ。そうですか。いや、そうですか。はい。そうですか。わかってましたよ。
「食べたい。食べたい。食べたい。はあ。はあ。はあ。」
どっちにしろ、まだまだやる気か。
「ふうん。そう。・・・・・・あんたならいいか。」
?ローネならいい?どゆことだ?才華?
愛音、マアカに下がるように手振りをして、前にでる才華。まさか1対1で決着をつける気か。魔女対魔女の高度な魔法のぶつかりあい、能力により食い合いとなるのか?
「はあ?なにを言っている」
「読めばいいだろ」
ローネの言葉を遮りながら、才華は突如突撃する。負傷した脇腹をめがけた横なぎをするつもりのようだ。
「くっ。」
奇襲にローネは焦りながら、間合いを開け、なぎなたの横振りを回避。負傷のせいか、反応が遅い。今分かったが負傷以前にテリカより動きが遅いのは間違いない。
「この程度で逃げるのかよ。」
この言葉に怒ったのか、ローネはキッと才華をにらみ、口が開け閉めする。この動作で才華の思考を食べたってことだよな。余裕が戻って笑みを浮かべるローネ。だがすぐさま顔色が悪くなる。なんだなんだ?
「どうしたの?」
対照的に動きをとめ、狂気じみた顔となる才華。なにを読ませてるんだ?
「うぷ。おおおおおおおおおおおお」
両手で口を押えたが、限界を超え嘔吐したローネ。ええええええ?愛音、マアカも驚いてる。
その状況に間髪入れずに動いたのが才華。
「人の想いを吐き捨てるなよ。あとここで吐くな。」
ローネを容赦なく顔を蹴り上げる。想い?ローネ対策じゃなくて?才華の攻撃が止まらない。
顔が跳ね上がったところで、なぎなたの柄頭で腹を突き。これによりむせるローネ。
追撃は終わらない。一回転して、顔面にハイキック。傾いた体をなぎなたで頬を叩き、地面に倒れることすら許さない。
そこから、右手の掌底が胸に。ん?手の動きがおかしい・・・・・大きさ確かめた?
この無駄としか思えない動きで、ローネは間合いをとりつつ、口を開く。がそれに合わせて才華に不適な笑みが浮かぶ。思考を食べようとしたのかもしれないが、才華はそれを読んだのだろう。この状況だとまた嘔吐魔女となる。
ローネは悔しがりながら口を閉じ、両手に術式が展開される。食べる行為は不利と察したか。
「左のは私へ撃った氷塊ね。在人、盾構えて。」
「右は炎の刃。防壁も張れるようにしてザアイ。」
「あ、はい。」
愛音、マアカの指示に盾を構える。一瞬であの術式を覚えるってところが流石だよな。 見習うべきところなんだろうけど、無理。
「飛び散!」
先に完成した左手の氷塊が才華に向けられる。
「遅い!」
才華はなぎなたを振り下ろす。
「あああ!!!」
なぎなたの刃がローネの左腕に食い込む。刃はそのまま押し込まれ、氷塊は明後日のほうへ飛んでいく。
「くっ。このおおお!」
ローネは歯を食いしばり、右手を才華の目の前へ向ける。こっちの術式はまだ未完成なのか炎は見えない。
「こっちも遅い!」
才華は術式に一瞬触れる。その瞬間、ローネは驚きと同時に術式を消した。その隙に才華はひじ打ちを腹部へ。なんで消したんだ?
「なにした?」
「ローネの術式に線を1本足したの。」
「はい?」
俺の質問に愛音が答える。
「術式に想定外の線が入ったんだから、魔法がどうなるかわからない。下手したら自爆するわ。だからローネは術式を消したの。」
ですか。
「できてるんだからできるもんなのって聞かないけど、あれ、2人はできる?」
「ううん。」
「無理よ、ザアイ」
2人は首を振る。この間に才華は顔に肘うちの打ち上げ、打ち下ろし。
「あれは、相手の情報を見れる才華だからできる芸当だわ。術式のあの線は術者それぞれの魔力でできてるの。私が線を描いてもなんの影響はない。こんなかんじで」
愛音とマアカが右手に術式の線で円を作り近寄せるが、互いに影響なく線が重なりあっている。
「でも才華は魔女の目で魔力の質を見極めて、それと同じ質に合わせた線を作ってる。」
マアカは術式が重なった場所に左手を添え線を1本足す。この状況だと2人の円に線が加わったように見えるが、重なった術式を離すとマアカの方にのみ線が増えている。
才華はマアカの左手で線を足す行為を誰にでもできるってことか。この間に才華は裏拳で鼻を殴打。
「術式同士反発とかぶつかるもんだと思ってた。」
「そうなって術式が壊れるかもしれないから、影響のない線で術式を作成しているの。」
「ふうん、さいですか。愛音。ちなみに、2人ならあの場面どうする?」
「才華対策で考えておいた術式を斬る魔法を使う。」
「対才華の空間にブロックを作る魔法で線を描けないようにする。」
なにやら物騒な想定だがそこはスルー。でも魔法の発動を阻止はできるんだ。この間にローネは術式なしで指先に炎を作ったが、放たれる前に指を折られて悲鳴をあげる。
「なら2人も似たようなことができるってことじゃん」
「似たようなことはね。ただ、私たちは魔法を発動させないと相手の術式を妨害できない。」
「でも才華は術式を作成する段階で相手の妨害できる。」
「わずかだけど時間に差ができて、それが決定的な差になる可能性があると。」
「ええ。」
「そうゆこと。ザアイ。まあ、ローネの動作は遅いから、後出しでも間に合うわね。」
「そうね。体の動きにキレはないから、才華も肉弾戦をしているのよ。」
なーる。才華はなぜか、ローネの右頬をひっぱたたいた。ここまでで、ローネはもうボロボロだ。
「まだまだああ。才華版田楽刺し!」
才華はなぎなたで棒高飛びの要領でとび上がり、バック宙からローネの後頭部を縦に蹴り抜く。
「才華版毒針ニーリフト」
「だふっ」
着地と同時に腹部に膝蹴り。この一撃でローネの表情に苦痛が浮かび、血を吐いた。膝が離れるとそこには氷山ができている。この技名のために膝に魔法で作り上げたのか?が考える間もなく攻撃が続く。
「天城家の赤い雨」
力強い手刀を喉元に入る。いいのかよ、自分の家の名前にそれって。とのんきなことを考えていたが、のど元がわずかに切れて血が流れている。ただの手刀に見えたんだけど。
「才華版竜巻地獄」
なぎなたを振ると同時に発生した小さな竜巻がローネを空高く打ち上げる。才華は地面から何本か氷柱をつくりあげ、それを踏み台に、ローネに向かって飛び上がる。
「これで!」
なぎなたを投げ捨て、落下してくるローネに組み付く。・・・・・あれは釣鐘固め、今までの技名から予想はしていたが、まんまの技だ。さすがに回転はしないが、そのまま落下するようだ。ただ、地面じゃなくてさきほど足場にした氷柱めがけてだが。
「才華版ナパーム!」
「おあっ・・・・・・」
ローネの腹部が氷柱にぶつかり、嘔吐したあとローネはぐったりとした。気絶?死んだ?才華はクラッチを外し、そのまま地面に華麗に着地。
「これで気絶するなよ。田楽刺し以降は全部本家には遠く及ばないんだから。」
けり上げたなぎなたをキャッチしながらローネを見上げる才華。かっこいいんだけど、かっこいいんだけど。本家、本家ねえ。確かに及ばないよね。
「・・・・・あ!氷柱に『A』の形ででっぱりつくっとけばよかった。くうう、不覚!天城のAが」
ですか。 そこまで再現したいですか。心底悔しがる魔女が目の前にいた。
予想した激しい魔法戦ではなく、竜巻と氷以外は一方的な魔法(物理)で攻め立てた才華。まあ、ここが温泉だから魔法で広範囲に被害を及ばないようにしたと思う。あと今までの相手より動きが遅いせいもあるか。
でもまず確認することがある。それはローネが嘔吐魔女となったきっかけ。思考を食べさせたはずが嘔吐したあの状況はどうなっているんだ?
「えーと、何故、ローネは吐いたわけで?なにか吐くほどの恐怖を与えた?」
人の想いを吐き捨てるなって言ってたけど。
「ん。あの体には私の思考が多すぎただけね。」
自分の頭を指さす才華。
「えーっと、ようは食いすぎ?」
「まあ、そうだね。」
ですか。思考の食いすぎって変な文だな。
「はあ。あの一瞬でそれほどの思考を食べたのか?そんなことよくできたな。」
できるのか?って思うが、現にできているのでこの質問は割愛。
「食べるときの感覚はもうわかったから、食べる瞬間にこっちからも食べさせた。だから、ローネにとっては想定外の量だったんだろうね。ただ、手加減はしたんだけど、吐くのはひどいよねぇ。」
心底あきれてる才華。吐いたのは才華の仕業なのに。想定では吐くまでいかないつもりだったのだろうか?
「よくまあ、そんなに考えることができるな。なんか、計算でもしたのか?それとも転送装置の図面でも思い描いたとか?」
「そんな単純かつ少量じゃないわよ。」
もっと複雑かつ大量のもの?なんだ?
「在人への思いを言葉にしたら、尽きることはないよ。古今東西のあらゆる再生能力を超える速さで言葉が溢れるんだから。」
・・・・・・・・・・・・・・・・ですか。例えがわかりにくいが、そうですか。本当は恥ずかしく思うべきなのかもしれないんだけど、引いてしまう俺がいる。しかも手加減して食わす量を減らしているんだよな。嘔吐で済まない可能性があるのか?
「そうよね。私の命が尽きても、在人への思いが尽きることはないわね。」
「手加減しなかったら、ローネは一瞬で内側から破裂するわよ。ザアイ。」
2人も肯いている。まじょですか。一瞬で自爆する寸前のセル状態を通過して破裂するローネがイメージされる。冗談には聞こえないのがよけいに怖い。
A 現作者「さてとこの質問の答えをデータより抜粋しますか。っとなんだ?このパネルに書かれた落書きは?『このラクガキを見て うしろを 振り向いた時 おまえは 死ぬ』
あっ!さい」
ガオン!