魔女ローネ・ドライス
表にでないはずの黒歴史設定
Q ゲキピュアシリーズって?
「・・・・・」
「・・・・・・」
上空から降りてきた魔女と才華が無言でにらみ合う。緊迫した空気となった気がする。
俺らよりは幼い見た目。魔女と判断される材料の赤髪はツーサイドアップだ。杖はないし、魔法使いをイメージする服装でもない。服装からも幼いとか若いとか、無邪気とかかな?俺の浅い考えだと。
が、魔女は長寿で若さを保てるみたいだから、外見と実年齢は一緒ではない。見た目通りなのか?実際はもっと年配なのか?どっちだ?
魔女同士、そのことを考え、どう切り出すか考えているのか?
「・・・初対面のときは元気で礼儀正しいあいさつが一般的だけど、それより先に、ドラゴンと私たちを攻撃してきた理由を教えてもらいたいかな。」
才華が口を開いた。それに対して魔女は
「すいません!ドラゴンだけしか見ていなくて、皆さんに気づきませんでした。」
焦った様子で頭を深々とさげた。緊張した雰囲気だったのは、どう謝るべきか、考えていたのか?正直拍子抜け。これだけだと見た目と同じ年齢なのだろうか?
この様子だとこっちもまずは話し合いになるか。
「お怪我はありませんか。」
頭を上げた魔女はこちらを心配する表情。悪人ではなさそうだ。ほっとした。
「嘘つくなよ。」
「嘘ね。」
「嘘」
才華、愛音、マアカは口を揃えて言った。ん?『嘘』、この言葉に魔女の表情は一瞬固まる。そして、焦った表情と変わる。
「すいません。本当はわかっていました。私はみなさんを傷つけない自信があったので。」
魔女は身振り手振りで説明をする。俺達が襲われていると思って魔法を使ったってことか。この様子だと相当焦っていたのか、魔法がうまくコントロールできなかったってことか?
「嘘つくなよ。」
「嘘ね。」
「嘘」
先ほどと同じ言葉でまた魔女は固まる。どこが嘘なんだ?
「すいません、すいません。見栄をはりました。絶対当たらないとは言えませんでした。ただ、ドラゴンが攻撃する前に攻撃するしかないと思ったんです。それは本当です。」
そこかい。あっぶねー。俺1人だったら、そこで終わりだった。
「えーと、なんでドラゴンと戦う状況に?」
「半年ほど前、私の住んでいた村があの2頭が襲われて・・・・そのとき、私はたまたま村から離れていて、無事でしたが。」
さきほどまでの焦りが消え、重く沈んだ表情と変わる魔女。目を伏せてしまう。
「その村は?」
「壊滅しました。村には戦える人もいましたが、2頭のドラゴンを相手にはできず・・・・・。魔女だった私がいれば・・・・・」
俺の質問に魔女は涙をぬぐいながら答えた。結果は多少は変わったのだろうか。
「じゃあ、ここにいるのは」
「はい。5日前にやっと、あのドラゴンたちを見つけて戦ったんですけど、逃してしまって。それで、今日やっと見つけて。」
顔を上げた魔女。ぐっとこぶしをにぎっている。やっと仇を見つけったってことか。
「やっと見つけて、俺達がドラゴンの前にいたから焦って攻撃したってこと?」
「あ、はい、そうです。みなさんもドラゴンの前にいたのもあって、慌てて攻撃してしまいました。危なく皆さんに怪我をさせてしまうところでした。本当にすいません。」
再び深々と頭を下げる魔女。
ふむ。あの炎は危険なドラゴン俺達を守ろうとしたってことでいいんだな。同じ魔女がいるせいか、多少の見栄を張ったみたいだが、ならこの魔女は危険ではないか。
が。
「嘘つくなよ。あの魔法は私たちも狙ったんだろ。」
「村の話は全部嘘ね。」
「あんた・・・・・・、つまんない、ウソつくね」
3人は嘘と断定した。本当かよ、才華、愛音、マアカよ。俺は邪悪な3人よりもこの魔女を信じたいと思っている部分がある。だってこっちの3人のほうが悪人面なんだから。
「・・・・・ひっどいなあ。その理由を挨拶前に教えてほしいなあ。」
魔女は薄ら笑いとなり、背筋に悪寒が走る。3人の悪人面にタメを張る表情。あとこの笑みを知っている気がする。
そしてこの瞬間、俺が騙されており、3人の方が正しいことが俺にも理解できた。あの焦った表情や村の話をしたときの表情もまっかなウソだったのか。俺が単純すぎるのか?
「私も嘘つきだからね。」
不敵な表情で言うことか?才華よ。
「才華を見てたからね。」
それで通じるか?愛音よ。
「嘘を見抜かなきゃやってられない環境だったからね。これで満足?」
どんな環境にいたんだ?マアカよ。
「へえ。」
魔女はこの理由で納得した。まじょですか。
「理由を教えたから、今度は・・・・・あんたの名前と目的を教えてもらおうか。あ、嘘は時間の無駄だから。」
そうだね。才華。
「ちなみに私は愛音。あるのが才華、あふれ出るのがマアカ、彼が在人で私の恋人。ここにいるのは温泉に入るために障害の除去。」
ここでその紹介をするのは余裕がある証拠とみていいのか?おいと才華がつっこむが愛音はスルー。
「さあ、あんたの作戦目的とIDは?」
マアカ、それは通じないと思う。
「ローネ・ドライス」
マアカの言葉に怪訝な表情となるもID・・・名前は名乗ってはくれた。ドラゴンと戦う理由、俺達を襲う理由、それはなんだ?とりあえず、村人の仇ではないことは確かだ。
「目的は・・・・・そうねえ。調理?」
おどけた感じで答える。調理・・・・・?意味がわか
「おいししそうなドラゴンを見つけたから、さあ、狩っておいしく味付けしましょうってことね。」
あ、そういうことですか。才華。
「ううん。そんなんじゃないない。」
手を振ってあっさり否定した。才華の予想が外れた?じゃあ、なんだ?
「じゃあなんでドラゴンと戦っている?」
「ん?それはねえ」
ローネが笑う。なんだ?嫌な予感。あとこの笑みを知っている。あれだ。テリカ・ヒッスだ。
「こういうこと。」
両手に術式を展開させて、ローネが突っ込んできた。どういうこと?いや、はい、戦闘ですかああ。それはわかるよ。でもまだ会話パートだったのに、まだ話し合いの途中なのに。両手に術式も初めてみた。
「行くよ。愛音、マアカ。」
「ええ。」
「ザアイ、下がって。あと才華の回答で当たってるってこと。あえていうなら、私たちもおいしそうってこと。」
だがこちらの女性陣も負けていない。というより、俺の反応が遅いだけだ。3人は俺よりもっとローネを危険な魔女と判断していたんだろう。マアカが俺を後方へひっぱり。才華は俺とマアカの前に立つ。あとそうですか、マアカ。
愛音はローネに回り込んで突撃。態勢から刀を右から左に横なぎするつもりかな?これはローネの魔法が放たれるより先に決まる。早いなあ。そして、俺もよくこれが見えたなあ。あれか。良子さんや千佳さんとの特訓のおかげか?
「きゃあ。」
が。俺の予想はあいかわず外れる。俺の思考はもう駄目フラグなのか?
刀を振る前に愛音の動きが止まったのだ。なんだ?なぜ、そこで止まった。俺の目には不自然に見える。ローネはその硬直を見逃すことなく、右手から放った氷塊で愛音を吹き飛ばしたのだ。さらに氷塊は細かく吹き飛びこちにまで破片が飛んでくる。
「なんで?」
マアカも不思議がっているが行動は早い。炎で氷の破片を防ぎながら、ハンマーの鉄球を外し終えていた。そうだ。俺も動かんと。とりあえず、無防備な愛音のほうへ走り出す。こんなときこそ、盾の出番。
「在人!いと・・・・え?」
才華はすでになぎなたの魔法で氷を収束させている。だが俺への指示途中で言葉が止まる。
「才華!せええい!」
「っつ。」
才華に向かって炎の刃が飛んでくる。マアカの声で我にかえった才華は収束した氷塊でそれを間一髪で防ぐ。さらにマアカが鉄球を投げ飛ばしてたので、ローネは間合いを広げた。
俺の名前を叫んだときは、明確に意思のある声色だったが、それは続かず「え?」と言ったときは、呆気とした声色だった。なんだ?
・・・・なんだ?じゃない、魔女ローネがなにかをしたのだろう。たぶん。なにをした?・・・・今のままじゃ情報不足。俺はとりあえず愛音のもとへ走ろう。えーと腰のポーチから傷薬を出してとりあえず、ぶっかけるか。
愛音の上半身を抱え上げる。気絶してるわけではない。
「愛音、無事か?動けるか?」
「ええ。なんとか後方には飛べたし、運よく致命傷は避けれたわ。あ、薬は左腹部にお願い。」
心配させまいと笑顔を見せる愛音。指示どおり薬をかけると、一瞬痛そうにするが、すでに思考は前に進んでいる。
「在人、ローネが術式を展開させたときから、私がこうなるまでの状況を教えて。在人の見た私の動きだけでいいから。」
? 意図はわからないが、そのことを考えるだけ時間の無駄か。
「えーと、ローネに向かって走り出す。たぶん、刀で右から左の横なぎをするんじゃないのかなって思った。で、そのままいけば、魔法を放つより先に決まると思ったところで、愛音の動きが不自然に止まる。その隙を逃さすローネの魔法。それで吹き飛ぶ愛音。」
以上が俺の見たままの報告。 ちらっと才華たちのほうを見る。才華が炎を連発し、マアカは鉄球で牽制。今のところ動きが不自然に止まることなく、互いに牽制しているようだ。
「私は刀を横なぎするつもりに見えた・・・か。確認するけど、横なぎの部分はそれで間違いない?」
愛音は考え込む。?覚えていないのか?
「絶対とはいえないけど、俺にはそう見えた。それより、飛ばされて頭を強く打ったのか?覚えてないみたいだけど。」
頭への衝撃はやばい。脳震盪とか起きてないよな。
「頭は大丈夫。ただ、在人、私ね。刀を横なぎしようとしたって記憶がない。」
「はあ?やっぱり頭ぶつけてるんじゃないの?」
「焦らないで。正確には私はローネに向かっていたのは覚えている。でも気づいたら、ローネの目の前で自分がなにをしようとしていたのか分からないで立っていた。で、私は今どうしているんだろうって思ったときに攻撃された。あと2歩くらい近かったら回避できなかったと思う。そしたら、おなかに在人の赤ちゃんじゃなくて、大穴ができてたわ。」
本当にぎりぎりで回避できたってことか。・・・・・本当にぎりぎりだったのか?まあ。焦りはなく、精神的に余裕はあることは確認できた。
「それって」
「なにかを食べられたってところかしら。」
「そうなるよな。」
俺でも考え付く。でもそんな簡単に食えるものか。愛音、才華が気づかないことがあるのか?それとも魔女とはそれくらいの力の差がある?まあ、ドラゴン2頭を追いかけてくるからには実力はあるんだろうけど。
「うん。よし、行きましょう。在人はいつでも大楯の防壁を使えるようにしといて。」
「ずいぶん、落ち着いてるね。」
「うーん。テリカ・ヒッスや、才華、マアカが巨悪なら、ローネの雰囲気は、不良みたいなものね。」
ですか。テリカ・ヒッスと比べるのは、わかるが、才華、マアカもですか。そう言われると、そうかな?たぶん。
ローネと才華、マアカの攻防は少し見ない間にレベルが上がっていた。流石に接近戦は愛音のことがあったからしていないが、激しく魔法と鉄球が両者の間を行き交っている。どっちも攻める機会をまっているのか?
「さてと。私もまず借りは即返さないとね。」
愛音は薄ら笑いを浮かべながらキリアルガのナイフを取り出した。ふっと飛ばされた件を多少は根にもっているのか?
「在人。お願いがあるんだけど。」
「ああ。」
この状況でお願いってことはなにか策を思いついたか。
「行くわよ。」
「ああ。」
俺は大盾を持ってローネに向かって走りだす。
「マアカ、鉄球!」
俺の声にローネは俺のほうを向く。がそれは一瞬ですぐさまマアカのほうへ、その間に鉄球はすでにがローネに向かっていた。
「才華、氷乱射」
ローネが鉄球を回避したところで、才華が氷塊を打ち出す。
「在人!」
愛音の声で俺はしゃがみ込み、俺の頭上をナイフが飛んでいく。ナイフが飛んでいったので俺は立ち上がる。ふう。ナイフが飛んでくることはわかっていても、この状況だと怖い、怖い。
ローネに愛音が投げたナイフと才華の氷塊が交差するように襲う。キリアルガのナイフは俺の分も合わせて、2本。これだけでも回避は困難になるだろう。が、真の狙いはナイフと氷塊の衝突でナイフの方向変換。愛音たちはこの攻撃方法の連取はしている。愛音としては、まずは攻撃を当てるところからだそうで。
これならどれかは当たるだろう。
俺がそう考えたとき、ローネは俺を見て笑った。
ローネは前面に防壁を張って氷塊を防御。それも自分の目の前ではなくやや離れた場所に発動させているのでナイフと氷塊は衝突しない。読まれた?一瞬で読んだのか?
愛音が飛ばしたナイフ2本は氷塊との衝突を考えて投げているので、ローネがその場で動かないでいるのでこれも当たらないか。
「残念ハズ!?・・・・・」
余裕で笑みを浮かべてていたローネの顔がゆがんだ。自分の右脇腹を見たローネ。そこにはナイフが刺さっていた。
ローネは信じられない表情をし、俺を見た。?俺はなにもしてないよ。してると思ったか?
「あんたね。」
ローネは俺の後方を睨んだ。
「掠ればいいかなあって思ったけど、思った以上に体の動きは鈍いのね。」
愛音は勝ち誇った顔をしている。なにをしたんだ?俺がそんなことを考えたとき、動いた人物がいる。それも2人。
「うああああああ。ガフツ!」
ローネに電撃が当たり、さらに間髪入れずに鉄球がローネを吹き飛ばした。才華とマアカだ。あの2人から見たら、スキだらけだったんだろう。
「テリカ・ヒッスだったら避けていたわね。」
俺の横にまで移動してきた愛音の感想だった。
「なにをした?」
愛音は自分のおでこを指さす。そこにはアレがない。そうヘアピン。
「ナイフの1本に矢除けのヘアピンを着けて、魔力を込めて投げたの。」
「なーる。」
矢除けの効果を利用してナイフの軌道を逸らしてローネに命中したのか。これは当初の作戦説明にはなかった。思い付き?
「そして、在人に教えないのも作戦だったから。」
真面目な表情で答える愛音。どゆこと?
「ローネの能力を調べるためにね。私の姿を隠すのと知らないことがある。それが作戦だったの。」
「思考を読む、食べる可能性があったからね。」
「そして、実際そうだったというわけ、ザアイ。」
「なーる。」
才華とマアカが合流する。
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