才華犯人説
表にでないはずの黒歴史設定
Q 才華の好きなゲキピュアシリーズ『ピュアロード』の登場人物を教えて
大気が震える。地面が揺れる。耳が。耳があああ。
ドラゴンの遠吠えを間近で聴くとこうなるのね。
「魔女が。兄貴には近づかせねえええぞ。」
ドラゴンは臨戦態勢となった。まずい。まずい。まずい。才華はなにをしたんだ?ああ、違う才華じゃない。違う魔女だ。・・・・たぶん。ってそれどころじゃない。えーとまずは?
「ちょっと、落ち着いて、落ち着いて。おーい」
恐らく、99パーセント、ドラゴンの勘違いから始まる戦闘なので、まずは説得してみよう。勘違いのはず・・・・・はずだ!・・・・たぶん。俺の声に反応したドラゴンはこちらに目線を送る。その眼は血走ってる。
「だましやがってええ。魔女の下僕があああ」
下僕?
「いや、違うから。」
ドラゴンは右腕を振りあげる。
「おい、聞けって」
って言ってる場合じゃない。ここから動かなきゃ。あ、遅かった。ドラゴンの腕が振り下ろさている。つぶれる。切り裂かれる。どっち?
「ザアイ!走って。」
マアカの声とともに鉄球がドラゴンの腕を跳ね上げた。さらに電撃がドラゴンの顔面を襲う。いや目か。容赦ない。当たると同時に氷の山がドラゴンを押しつぶす。電撃は愛音で、氷の山は才華か。
助かったあああああ。ありがとうううう、そして相変わらず足手まといでごめんよおおおおお。心の中で感謝と謝罪を述べながら、才華たちのもとへ走り出す。助けがなければ温泉名物血の海地獄になるところだった。ふう。ドラゴンは氷の山に隠れて姿は見えないが、氷の山は激しく揺れている、結構な氷の量だがそれでも、時間稼ぎ程度か。ハンマーでブロックを壊す赤いヒゲのイタリア人が思い浮かぶ。
それにしても、魔女になんの恨みがあるんだか。才華じゃないよな。
「才華、なにやったんだ?」
「もう。知らないうちにまた悪さして。」
「白状するならいまのうちよ。もうちょっとでザアイが怪我してたんだから。」
3人の元に合流し、違うと思うも確かめずにはいられない。その考えは、愛音、マアカも同じだった。
「はあ?私があのドラゴンを怒らすことをしたと。そんな人物に見えると」
「「思います見えます」」
「はああああ。」
愛音とマアカの回答に、ドラゴンに勝る怒りを見せる才華。流石に怒るよな。心外だと表情がいっている。
「してないと思うけど、念のため。」
俺の考えはこうである。だが2人は
「魔女だし。赤い髪だからねえ。」
「才華だからね。」
マアカの言った「才華だから」、それだけで納得できてしまうんだよなあ。
「私が1人でドラゴンの相手する時間があった?ずっと一緒に行動してただろう。」
「まあ。そうなんだよなあ。」
1人でいるのは家の中でだけ。だから、ドラゴンにあうのは無理か。俺達に気づかれずに行うなんて・・・・
「夜中にこっそり抜け出して、数時間で終わらす。性格的にしそうだし、能力的にできそうね。」
「才華だからね。」
マアカの言った「才華だから」、それだけで納得できてしまうんだよなあ。
「もう、怒った。そんなに疑うのなら、今夜から在人にくっついて寝るからなあ。それなら疑いようないだろう。今さら、撤回してもおそいからなああ。思いっきり抱き着くからな。手放さないからな。いちゃつくからな。べたつくからな。」
「いや、それ、俺が寝た後に行動すればいいだけだろ。」
才華が部屋から抜け出しても気づかない自信がある。
「ドラゴンに会うより、在人の寝顔を見てるほうがいいわ。」
「ドラゴンと戦うより、ザアイとの密着よね。」
これで大丈夫と2人が判を押した。ですか。
「あと。私なら、こんな事態にならないように徹底的に殲滅するわあああ。私ならあのドラゴンだってとっくにカンアの空で消滅してるわ。」
自分の非情さを周囲にアピールする才華。おいおい。消滅って。
「「そうなのよねえ。」」
愛音とマアカが2人でうなずく。才華犯人説を否定する理由がそこかあ。俺も納得できるけどね。
「で、これからどうする?」
だいぶ話が逸れたが、今はこの事態をどうするか。まずはそれだ。物陰からドラゴンのほうを確認してみる。
「方針は変えない。まず理由を聞いてから。」
「この状況でも?」
氷の山をはじき飛ばして終えたドラゴンはこちらを探している。やる気満々だなあ。
「あのドラゴンを弱らせてから聞く。もしくは気絶させて兄貴ドラゴンのほうに聞く。ちなみに「逃げるんだよォ!」は駄目ね。あのドラゴンは追ってくるから被害は広がるだけ。」
俺の提案する逃げるを先に除外する才華。そうなるか。そうなるよな。
「ここで決着をつけるしかないわね。」
鞘から刀を抜きだす愛音。
「才華はおとり頑張って。」
武器をフレイルからハンマーモードに変更するマアカ。マアカの常春のマントが揺れる。
「在人は大盾をいつでも使えるようにしといてね。」
なぎなたをもって軽く跳ねる才華。
「はいよ。とりあえずはマアカの近くにいるようにしとく。」
俺は大盾を鞄から外す。普段のクエストでは3人の活躍により出番のないこの大楯。この大楯はガンソドでの特注品。
中心に取っ手が縦に2つ並んでおり、下側にある取っ手は回すことができている。この取ってをひねることで、内側に収納された部分が展開し、守備面積が広がる細工となっている。
普段は俺の上半身を隠すくらいの大きさだが、最大で俺の姿を覆いつくすこともできる。普段は自分の身を守るため、最大時の大きさは3人も守るための用途となる。
また、2つの魔法石を使用しており、これは上側の取っ手を回すことにより、魔法効果を変更できるようにしている。1つは浮遊魔法の応用で片手でも取扱いできるようにしており基本はこっち。もう1つは防壁の展開により大威力、広範囲の攻撃に耐えるようになる。
浮遊魔法のほうは才華が自然にある魔力で事足りるように術式を1から作り直したものなので、オートで発動している状態である。
防壁のほうは防御力を優先したため、オートとはいかない。そのため、3人がそれぞれの魔力の込めた魔法石を俺は持っており、防壁を発動する際には盾の魔法石に魔力の込めた魔法石を当てるようになっている。
これでブレスを防ぐのが俺の役割か。やべえ。緊張してきた。一瞬身震いしてしまう。だが頼まれた以上、坦々とやるのみ。
「じゃあ、行くよ。3・・・・2・・・・1」
才華のカウントをとり始める。才華の手には術式が展開される。
「ゼッ!在人!盾上に構えて」
「え、あ」
「早く!」
一瞬上を見た後、才華は叫ぶと同時に術式を消して、俺のもとへ。反応が追い付かない俺の代わりに、マアカが俺の大盾の向きを上空に向け、愛音が魔法石に魔力を送り、防壁を展開させた。愛音、マアカも才華と同じタイミングで何かに気づいたのか。
才華が盾の下にもぐりこむ、同時に大楯に衝撃が走る。それも一発ではない、何度も何度もだ。
「今度はなんだ?」
「炎の雨あられ。」
驚きが止まらない俺とは対照的に既に冷静となっている才華。炎なの?雨なの?どっち?
周囲に目をやると、上空から地面にむかって炎が落下している。才華のいうとおり、多量で激しい炎だ。元々温泉で蒸し暑かったのに異なる熱気が周囲を覆っていくのがわかる。
「ガアアアアアアアアアアア。」
ドラゴンにとっても不意打ちであったため、防御ができてないようだ。ドラゴンは避けれず、まともにくらって悶絶している。ドラゴンにも効く炎。自然現象ではないよな。
「ドラゴンダイブってこんな感じなのかしら?」
「いい例えだよ、マアカ。」
「どういこと?」
「ドラゴンをよく見て、在人。貫通力もある炎があるのよ。」
愛音に言われ、ドラゴンの体を見ると・・・・!刃のような形状の炎がドラゴンの体を貫通した。全部ではないが貫通力のある炎がたしかにある。
「盾の防壁を発動させてなかったら、この大楯も貫通してたわ。・・・・在人、魔法石の準備して。」
愛音の指示に従い、魔力を込めた魔法石を取り出す。
「なかなか考えてるね。最初は貫通力のない炎。たぶん大楯でも防げる炎で足止め。そこから、徐々に貫通力のある炎を混ぜて、簡単に防げると油断したところで串刺し、内部から焼きにきてるのね。」
マアカが冷静に判断している。体の内側から焼くってどんな痛みなんだ?いやそれよりもこの状況は
「これって」
「あのドラゴンのいう魔女だと思うわ。ザアイ。」
「才華の無実はこれで証明されたわね。」
となるよなあ。俺だって想像できるからなあ。
「ですか。マアカ、愛音。で、どうする、才華?」
魔女はドラゴンを追ってきて、こっちに気付かず攻撃してきたのか?
「このまま、見てるつもりもないよ。私がドラゴンを助ける。愛音はまず周囲の炎を消化。マアカは魔女およびドラゴン二頭の次の手に対応できるようにしといて。」
「ドラゴンも助ける?それって魔女と敵対しない?」
「それは魔女次第。あとドラゴンの死骸処分も面倒でしょ。・・・・っとドラゴンが大分弱ってるね。ここからは誰が敵になるかわからないから気を引きしめてね。いくよ。」
才華のなぎなたに術式が展開され、3人とも盾から飛び出でる。才華のあれって収集の魔法だよな。
なぎなたの先端に炎が集まる。あれって魔法なら誰のでも集めれるのか?これで炎の雨はとりあえずは止む。俺も盾の防壁を一旦解除。才華はなぎなたに集まった炎に対して水をぶっかけて消し去った。
愛音が一回転しながら放った水は、あっという間に周囲の炎は消えていく。こんな状況だけど、素敵な動きで。
「思ったより、消しやすかったわね。」
魔法の炎だから、普通の火と一緒に考えてはいけないか。
ドラゴンのほうは息も絶え絶えが、まだ生きてはいるか。ドラゴンは炎の塊を持つ才華をにらんでいる。
「この・・・・ま・・・・じょ・・・・・・が」
「殺す気はないから、安心しなよ。元々私たちは温泉に入りたいだけで、あんたと兄貴の命に興味はないよ。とりあえず、寝ていな。話はあとで兄貴と一緒に聞かせてもらうよ。」
「っつ・・・・・」
才華の目を見てドラゴンは安堵したように目を閉じた。死んだわけではないようだから、才華を信頼することにしたらしい。確かに動物とかに見せるあの目なら信じれるか・・・・。
・・・・少なくとも、今、目に映った魔女よりは。
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