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ドラゴンのいる温泉回

表にでないはずの黒歴史設定


Q スタンド名は?

 準備を終え、『リクのリュウグウ』から大露天風呂「月」に踏み込む


 温泉のなかを服を着て進むのはなんか新鮮である。そして、蒸し暑い。まあ、装備品はすべて装備しているから、より暑く感じるのはなるのは当然か。


 ・・・この暑さは長期戦は不利か?それだけじゃない、湿気で素手で武器を持ち続けるのは厳しくなるか?お湯で足元が滑るのは2足歩行の俺達が不利か?できるだけ周囲を壊さないようにするのも不利な条件か。


 3人も暑そうだ。汗が頬や首筋を伝わっている。・・・・・あれだ。これからの状況には場違いな魅力を感じる。温泉だからか?いかんいかん、それどころじゃない。この先か。物陰から少しだけ顔を出す。


「っと。いた。」


俺の目線の先には眠っている青いドラゴン。生きているドラゴンのターロホさんとタダノリさんを見ているとはいえ、敵対するとなると迫力を感じる。3人の汗とは違い、俺の背筋に嫌な予感を感じさせる汗が流れるている。暑さのせいだと脳の片隅で思うようにするが、嫌な予感は振り切れない。


 ネクロマンサーの操るドラゴンの遺体とは違い、圧倒的な回復能力はないと思う。そこが良い情報。

 2頭いる、応援はない。これが悪い情報。・・・・応援ありきで物事考えすぎかな?


「ずいぶん気持ちよさそうに寝てるね。地熱で気持ちいいのかな。うーん。温かい。」


 しゃがんで地面を触る愛音。この状況で顔が緩んでいる。油断しているというべきか、大物と思うべきなのか。


「で、当初の予定どおり、『剣とパンのいずれを選ぶか』、でいいの?」


 マアカは才華に尋ねる。?剣とパンやらってなに?和平か戦闘かって意味は分かるけど。


「うん。さっきも言ったけど、被害のない状況から、ドラゴンにも理由があるんじゃない。」


 旅館の従業員経由によるドラゴン退治に失敗した者たちの話だと、青いドラゴンは「ここは立ち入り禁止だ。」「使用中だ。」「され」など不機嫌ながらも警告はしてくるそうだ。


 戦闘になっても、ブレスや魔法を使ってくる様子はなく、尾や爪での攻撃のみ。それでも頑丈さとパワー差で挑んだ登録者たちには十分な威力だったらしい。


 ただ、重症やトドメをさすような攻撃はしてこないし、逃げても追撃することもないらしい。


「だから、パンと剣じゃないけど、盾だけの在人がまず行って、ドラゴンに戦う意思のないことを示す。」


 俺の持っている盾には『攻撃しないで。僕は悪い人間じゃないよ。だから話し合おうよ。』と書かれた紙を張り付けている。・・・・・これでいいのか?そして、俺とは違い才華は剣とパン~の詳細を理解しているようだ。


「在人なら、「誰にも一番格下に見られる」特性でドラゴンも油断してくれるし、気を抜く。ね。」


 俺にウィンクをする才華は自信満々だけど、本当かよ。俺はそこまで自信ないよ。油断させるのも交渉も。


「その特性・・・・大丈夫なの?」


 マアカは不安そうにして、俺のほうをチラチラ見る。任せろと言いたいが自信がもてない。


「その特性がなかったら、殺し屋・・・・テリカ・ヒッスには勝てなかったし、在人がテリカと2人で対峙した瞬間に在人は殺されていた。2人が対峙した瞬間、ほんのわずかだけどテリカの気配に弛みができていたわ。」


「その通り。」


 愛音の言葉に才華が静かに同意を示す。マジですか?それ、本当?


「ふっ。まだ信じ切れていないね、在人。だったらこの言葉を愛する在人を送ろう。『自分を信じるな、俺w」


「その続きは分かったから、いいよ。」


「む。」

 

 才華にどこかでなく、間違いなく聞いたことあるセリフを遮る。才華なりに気を使ってくれているのはわかるよ。


 俺はドラゴンのほうを改めて見る。まだ、こちらには気付いていないようだ。寝ているだけなのにプレッシャーを感じ、背筋に汗を感じる。


「不安?なら勇気と自信のつくお呪いを教えてあげる。だからこっちにおいで。ほら、ほら。」


 笑顔を見せ両手を広げる愛音。この笑顔に俺はゆっくり歩みを寄せる。


「安心する場所はここ、勇気がつく場所はここ、さあ、おいで。」


「はい、ザアイ、ストップ。」


 マアカに抱き着かれ、歩みが止まる俺。顔はマアカのお山に埋もれている。


「騙されちゃだめよ、ザアイ。愛音は、あなたに勇気と自信じゃなくて、依存と中毒を与えようとしている。あの笑顔はそうよ。」


「そう。油断も隙もないことで。」


 マアカの言葉に俺はハッとし、才華はうなずく。俺と目線があっても、愛音は笑顔を崩さない。・・・・図星のようだ。この状況で行うことか?


「そして、マアカも。その触感と温かさのトリコにする気が見え見え。」


「そうね。油断も隙もないことで。」


 才華は俺の腕を取り、マアカから引きなし、そしてそのまま抱き着く。愛音が非難の目線をマアカに送っている。


「そして、才華もべた付いて懐柔しようと。」


「そうよ。油断も隙もないことで。2人とも」


 マアカから俺達に目線を変えた愛音が俺の腕を引き、才華から引きはなす。マアカは引きなされた腕のほうをつかむ。


「「「・・・・・」」」


 3人の間に火花が走る。君たちは仲がいいのか、悪いのかたまにわからなくなる。この状況なのに、なにをしてるんだ?なぜこうなった。


 俺がドラゴンにびびったせいか?つまり、きっかけは俺だ!3人のせいにしようにも


「「「ドラゴンに臆した在人を勇気づけるためよ。」」」


とシンクロして反論してくる。・・・・・・・・・・・。深く追及しないでおこう。


「はあ。じゃあ、交渉いってくるから、警戒よろしく。」


「あ、うん。」


「気を付けて。」


「お願い、ザアイ。」


 俺はうやむやのうちに次に駒を進めることにした。ビビッたままでいてもどうしようもない。



 なんかドラゴンにも理由があるんじゃない


 才華はそう言ったが、温泉を占拠する理由ってなんだ? 挑んだ失敗した登録者なり、冒険者は全員軽傷だったと旅館の従業員の話から、人に敵対している訳でもない。


 温泉だから滋養強壮?ドラゴンが?ただの温泉好き? 温泉好きだけどお金ないから選挙?短絡すぎるか?


 えーい。考えてもわからん。そして、ドラゴンの目の前に盾を掲げて立つ。たぶんこの位置なら腕の間合いよりは外のはず。だが寝息とその呼吸で体が揺さぶられる。でかいだけはある。


 まだ寝ているので周囲を見て、いざというときの逃げる方向の確認。深呼吸で落ち着いてから声をかける。


「もーし、もーし。起きてくれー。」


「がああああああ。くううううううう。」


 返事がない唯の屍のようだ。だったらいいんだけど、寝ているだけだ。聞こえないか?ビビッて声が小さくなっているのかも。がんばれ、俺。起こすこともできませんでしたって3人には言えない。近づいてたたき起こす手もあるが、起こしてすぐ攻撃されるのはたまらんので、まだしない。

 

「おーい、起きてくれー。」


「あう?」


 お!起きた。まだ目は閉じたままだが、声には気づいだようだ。


「もーし。もーし。」


「あー、うるせえなあ。」


 不機嫌そうな声で目が開いていく。さあ。ここからだ。話し合いに応じてちょうだいよ。頼むよ。


「起こして、ごめんよー。」


「・・・・・なんだ?てめえ?」


 俺と目があったドラゴン。すぐさま行動しないのは、まだ目覚めきれていないのかも。なんだ?と聴かれたら、なんて答えるべきだ?


「うーん。使者?」


「・・・・人がなんのようだあ。」


 意識がはっきりし、4足歩行で体を起こすドラゴン。警戒態勢はとるも話は聞いてくれそうだ。


「交渉とか話し合いとか、そっちの望みの確認とかかな?」


「去れ!」


 なんのようだとの質問に答えたのに、去れ!かい。だがそうはいかない。


「えーと、これを見ればわかるように、以前ここに来た人たちとは違い、戦うつもりはないよ。」


「ここは俺と兄貴が使っているんだ。今すぐ去れ。去るならなにもしない」


 ドラゴンは盾の文字を読んだ。話つもりもないようだが、問答無用の攻撃意思はないようだ。助かる。


「じゃあ、去る前に質問に答えてくれ。」


「はあ?お前何言っているのかわかってんのか?」


 ドラゴンが怪訝そうにする。がスルーして見る。心拍数が上がってきている。


「いつまで使うとか、なんで使っているとか?時間決めて人と交代で入るとかできないか。知りたいわけ。あと、従業員がこの環境維持のために清掃もしたいって言っている。じゃないといい状態を保てないって温泉の関係者が困ってんだよ。温泉が気に入っているみたいだけど、このままじゃ質も落ちるらしい。」


 最後のことを支配人やここの愛好者の人たちがそのことを嘆いていた。清潔を保つのは大事なんだよーっと女従業員は叫んでいた。


「湯の質がいいだけで、いい温泉にはならないんだって。この床とか、それこそ、湯を張る浴槽とかが綺麗であることがよりいい温泉となるんだとよ。3日だけでも大分質は落ちている。湯の持つ効果だって下がる。ってよ」


「んだと。」


 湯の効果に部分にドラゴンが反応した。俺が引き下がらないから怒ったのかもしれないが。とういかなんで青肌のドラゴンと温泉で話をしているんだ。温泉なら、生まれたての姿の女性だろうが。ドラゴンならターロホさんのほうがいいと思うんですけど。ドラゴンの口調に重みを感じないせいか、だんだんとイライラがつのってきた。


「・・・・・湯の効果はどれくらい下がるんだ?」


 反応どころか、ずいぶん食いついてきた。そんなの知るわけないだろ。それに、もともとの効果とてよく知らない。んなに下がるものなのか?と思うがここは異世界、俺達の世界の常識とは異なる。



「・・・・・詳しくは知らない。ただ、従業員いわく下がっているのは確か、、、、だそうだ。」


 ドラゴンは考えこむ。そこまでこの湯の効果が気になるのか。


「・・・・・話し合に応じない場合、どうするつもりなんだ?」


「そのときは戦うことになる。・・・・命がけで戦うから、温泉や血や汗で汚れて、湯の効果は加速的に減ることにはなる。」


 とりあえず、湯の効果は減ることを付け加えてみる。


「あと、温泉を楽しみでここに来た俺達を追い出しても、今度は君たちを倒すためにここに来る一団と戦うことになる。今までの戦いとは違うものになるから、温泉がどうなっていくか、誰にも分らんよ。」


 さて、どうでる?


「・・・・・・いいぜ。話し合いに応じる。」


「・・・・それは何故?」


 きたきたきた。それとなく理由を聞いて、会話を続けるが、内心安堵している。これで戦いは回避できかも。


「・・・・・温泉の質が下がるのは困る。」


 今までとは違い、深刻な口調でドラゴンは答えた。才華のいうとおりなんらかの理由はあるんだろう。それも重いようだ。


「なんか、深刻な理由がありそうだね。・・・・・兄貴って呼んだもう1人のドラゴンに関する?」


「・・・・ああ。」


「なら、素早く進めようか。仲間にまず伝えるわ。おーい。」


 とりあえず、3人を呼ぶ。ここまで来たら、戦闘はない。ふう一安心一安心。俺の声に応じて、愛音、マアカ、才華が物陰から姿を現す。と武器を持ってることの弁明はしておくか。



「念のため、武器を持っていたのはかんべ」


「こんのお、魔女があああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」


 俺がドラゴンの振り返ると同時にドラゴンは激高した。え?魔女?才華のこと?












A 才華  ミューズオリハルコン

  愛音  アクア・アダマンタイト

  マアカ N・H・S・I・C



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