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次回温泉回

表には出ないはずの黒歴史設定~


Q1 才華、愛音、マアカの邪悪な笑みって?

 初回公演の日、南門近くの広場には大型ステージが出店があり、食べ物やグッズが売られている。人も多数いるが、やっぱり女性が多い。そして着飾っている女性が多い。多い。多い。多いなあ。多いなあ。あれか、出会いを求めているのか。


「わあ。」


 この様子だけで感動しているルンカ。純粋ってこういことを言うんだろうな。女性陣も今日は着飾っている。ジブルさんいわくマナーだそうで。


「楽しみだね。シク。」


「うん。」


 シクの袖を引っ張るライジー。2人とも微笑む姿は本当に仲睦まじいね。


「誘ってくれてありがとうございます。」


 サウラは改めてお礼。愛音に頭を撫でられている。礼儀正しい。


「あ、あれ。」


 ルンカはステージから出てきたオークを見つけ走り出す。おいおい、こんな人だかりで走ると危ないよ。


「ルンカ、走るとあぶな、あ。」


 同じことを考えていたマアカが叫んだが時遅く、黒髪の男性にぶつかって倒れてしまう。違うほうを見ていた才華や愛音も事態に気づく。


 男性は・・・・・でかいな。こりゃ、ルンカが一方的に打ち負けるわ。ただ着飾ってはいないので歌劇団を見にきたわけではなさそうだ。


「ルンカ、大丈夫?」


「う、うん。」


 ルンカを立ち上がらせるマアカ。けがはなさそうなので一安心だ。ぶつかった男性はじっとルンカを見下ろしている。非はどうしてもルンカにあるし、止めれなかった俺達にもある。


「すいません。お怪我は?」


 愛音が頭を下げる


「僕は大丈夫です。それよりお嬢ちゃんは大丈夫かい?」


 細目のせいか表情の変化は乏しいけど、しゃがみこんだ男性。


「うん、大丈夫。兄ちゃん、ぶつっかてごめんなさい。」


 ルンカが丁寧に頭を下げる。


「ううん。僕もよく見とけばよかった。ごめんね。でも人の多いところでは危ないから走っちゃだめだよ。」


 頭をなでる男性。


「いたいた。レイダー。ってなにちっびこに手を出そうとしてんのさ。」


「はあ?なにを言ってんだよ、フォトゥ。ぶつかってしまったから、謝っていたところだ。」


 口元を大きくにやつかせた緑色の女性が男性に声をかける。明るい雰囲気からざっぱに分類するとコアとか才華タイプかな。


「なーんだ。つまんねえ。ねえ、ミティ」


「連れが申し訳ありません。」


 フォトゥの言葉をスルーして、後ろから青髪の女性も現れた。落ち着いたとうより冷静な雰囲気のこっちはジーファさんやガーゼットさんタイプか。


「こちらこそ、足止めしちゃってごめんなさいね。あなたたちもミュージカルを見にきたの?」


 才華が前に出る。


「ええ。といってもついさきほどこの街についたので、今日は日程を確認しにきただけなんです。」


 青髪の女性、ミティはチラシを取り出す。


「っと。時間を取らせて申し訳ありません。それではこちらは失礼します。ミュージカル楽しんでいってください。いくわよ。フォトゥ、レイダー。」


 一礼をした後、歩き出すミティ。レイダーも立ち上がって一礼していく。


「ほらルンカ。」


「にーちゃん、ぶつかってごめんなさーいー。ばーい、ばーい。」


 ルンカが手を振ると、にっこり笑っていった。


「ばーいーばーい。」


 フォトゥが変わりに手を振っていく。何事もなく終わってよかった。


「怪我はない?」


 シクが心配そうにルンカを見る。


「もう、走るからだよ。」


 腰に手を当て頬を膨らますライジー。


「反省。」


 ピシっと指さすサウラ。


「うう、ごめんなさい。」


 しゅんとするルンカ。


「楽しみなのはわかるけどね」


 愛音がしゃがんみ、両手でルンカのほうをはさむ。


「もう人込みの中では走らないでしょ?」


「うん。」


 愛音の確認に何度もうなずくルンカ。


「忘れないでね。はい、みんなも集合したことだし反省終了ね。ほら、」


「ぷはっ」


 手を離して立ち上がる愛音。ジブルさんたちがこちらに近よってくる。アマも一緒だ。


「やっほー。」


 手を振る才華、コアも手を振り返す。


「わーい、アマねーちゃん」


 アマの存在に気付いたルンカは元気よく手を振って、そのまま走り出そうとする。おいおい。もう忘れてる。が今回は


「ルンカ!走っちゃ」


 シクがその手を掴んで止める。


「あ!えへへっへ。ごめんありがとう。」


 てへへと頭をかくルンカ。あっぶないなー。


「シクごと引っ張りそうだから、こっちも抑える。」


 ルンカの反対の手を取るサウラ。


「ルンカーったらもう。」


 頬を膨らませるライジーはシクの反対の手をとる。あらら。あっというまに数珠つなぎ状態のシクたち。人込みの中なので目立つが人は避けていく。


 そのままアマのところまで歩いていったので、アマは笑顔であいさつするも若干困惑している。まあ、そうなるわね。コアは笑いながら4人を指さし、耳をジーファさんに引っ張られている。


「待たせてごめんなさいね。それじゃあ早速行きましょうか。」


 騒ぎ立てるコアを無視してルンカたちに微笑むジブルさん。約2時間のミュージカルはシクたちやジブルさんをおおいに興奮させていた。


 ・・・・ポップコーンうめえな。


 男性というか、アイドルが多い状況だが俺も最後まで話を見ることはできた。



 

 観賞後、景品の抽選会。ジブルさんいわく景品は旅行などもあり豪華だが、これ目当ての人はほぼいない。ということらしい。


「大当たりーーーーーーーーーー」


「おめでとうございます。」


 受付のゴブリンが鐘を鳴らし、スタッフの女性も拍手。順番待ちの観客も拍手をしている。その視線を浴びてるのはシク。


「シク。すごーい。」


 いまだ抽選器を握って目を丸くしているシクに抱き着くライジー


「すごいすごい。」


 頭上で手を叩きながら飛び跳ねるルンカ


「やるな。」


 静かに拍手するサウラ。サウラのいうとおりだ。


「一等は2泊3日のカンアの湖旅行。」


 まさかの1等だもんな。微笑んでいる才華、愛音、マアカと同じくらい運を持っているのか。


 ・・・・だからアラクネルに襲われた状態で1人生き残れたのか?それともその反動の分か?


 固まっていたシクもルンカたちに抱く憑かれると笑顔に戻った。俺もこの件について考えるのをやめた。なにもプラスにならんしな。


「カンアの湖か、いいなあ。」


「ジーファさん、カンアの湖ってどんなとこ?」


「このあたりでの観光先の1つで、温泉も有名ね。」


 なーる。のんびりか、そうゆうのもいいかもしれない。


「温泉かあ。」


 愛音がうっとりしている。惹かれるものはあると。


「ザアイと混浴、煙、ポロリかあ。」


 マアカもうっとりしている。引かれるものはあると。マアカの言葉で俺もそれらをイメージしたけどね。これはマアカの言葉のせいだね


「在人、マアカの言葉で脳内に私たちをイメージしたね。そして、マアカの発言のせいにしてるんじゃあないよ。で、どうする?いくかね?ポロリと。」


「心を読むな。そして、それって見えるのは首の切断面が見えるじゃない?」


 才華の言葉への突っ込む俺。それをポカンとしてみているシクたち異世界人。


「オークのあんちゃんよ。これ何人でいけるんだい。」


「4名様です。」

 

 俺の突っ込みを無視して受付オークに質問する才華。 ありゃ、1人足りない。俺が残って4人でいってもらうか。シクたち4人で行くのはちょっと危ないか。前者かな。行きたいって気持ちはあるけど。


「あ、あのサイカさんたち4人で行ってください。」


 照れそうにしながらシクは受け取った景品を才華に渡す。


「いいの?」


「はい。いつもお世話になってるお礼です。」


 シクの素敵な笑顔に3人は固まっている。どす黒い闇の住人である3人にこの笑顔はまぶしすぎるんだろう。太陽の光から身を守るため石化する柱の男たちみたい。うん。


「じゃあ、厚意に甘えてもらっちゃうけど、私たちがいない間はどうする?」


 誰かの家に泊まらせてもらうか?


「えっと。」


 シクの懇願する目線はアマにほうに向かっている。


「日程にもよりますが、今日のお礼として、お泊りしますよ。」


 アマも笑顔で応えてくれて、パアッと顔が明るくなるシク。


「ずるーい、私もアマねえちゃんと遊びたーい。」


「私だって。」


「同じく。」


 ルンカがアマに抱き着くとライジー、サウラもアマに抱き着く。微笑ましい。自然と笑みが浮かんでいる。


「あらあらアマちゃん大人気ね。」


「アマがいるなら安心ね。」


「これで私たちは在人に集中できる!」


 才華の言葉に3人の怪しい目線がこっちに。悍ましい。人工の笑みが浮かんでいるんだろう。


「旅行の詳細はっと」


 才華は旅行券の詳細に目を通す。


この旅行券を、街の旅行店に持っていってそこからカンアの湖へ

宿泊先『リクノリュウグウ』に旅行券を提示してください。

宿泊先についてから2泊3日と数えます。

定員4名様

有効期限1年間

あとは楽しめ

と才華の大ざっぱな説明。




「あ、でも塾の試験あるんだったー。勉強も練習もしないとー。べんきょうー、あうーーーー。」


 説明が終わったところで、ルンカが跳ね上がりながら慌てだす。慌てているルンカに対して困った顔のシク、何をいまさらと冷めた目線のライジー、なにも変わらないサウラ。


「試験?」


 愛音がしゃがんでシクたちに尋ねる


「今度、魔法の発動と知識に関する試験があるんです。」


「ルンカ、知識のほう苦手。後から始めたシクに教えてもらっている状況。」


「授業中、ぼうーとしてるからよ。」


「うう。勉強むずかしい。眠くなる」


「座学のほうは先生の話をよく聞いておけばいいし、実技のほうは1、2回練習すれば大丈夫そうだけど。」


 ルンカたちのつぶらな瞳の視線がマアカに集まる。授業でほとんど把握して、要点を一度復習すれば問題なかった君たちにはわかんないかもね。世の中ね、君たちのような人のほうが少ないんだよ。


「あなたたちがおかしいのよ。」


「え?」


 ジーファさんのフォローに首をかしげるマアカ。ここはジーファさんの意見に激しく同意。


「シクもわからないところは私たちに聞いて覚えたんだから、ルンカちゃんもがんばれはできると思うよ。」


 ルンカの頭をなでる愛音。塾に通い始めた当初、シクは才華、愛音に分からないところは聞いていた。そこで、2人は効率のいい勉強法を教えたらしく、最近は発動のほうを見るだけである。


「そうなの?」


 ルンカはシクのほうを見て、シクがうんうんと頷いた。


「あと体術と同じで丁寧に繰り返すだけね。勉強も発動のほうも。」


 愛音が正拳突きを繰り出す。


「おうちの中じゃ発動の練習できなーい。あと母さんたちがいないと練習しちゃだめって言われてるー」


 シクの発動の練習を才華、愛音も見てあげているが、それは庭のある家だからできる芸当。


「なら、今回のお礼としてお泊り会で私が見であげるわ。」


 今回の劇の設定本を眺めていたジブルさんが口を挟む。目線は設定本から離さないが。


「ジブルさんが?」


「団の指導担当もしてるから、魔法を教えることは慣れてる。」


 俺は確認の意味を含めてジーファさんのほうを見る。シクたちみたいに基礎から教わるような人物が傭兵団にいるとは思えない。


「わけ合って、シクたちの年齢で団に入ることになった子や、今まで剣で戦っていたけど、戦略を広げるため魔法を覚えようとする者、単純に魔法使いとしての腕をより磨くためとかあるからね」


 なるほど。


「日付が合わないなら、ジーファもいるし。」


 皆の目線がジーファさんへ。


「え?」


 戸惑ったジーファさん


「いい機会だから、この手のことにも慣れときなさい。組織にいる以上、後輩、若手に教えることは必要になる、できると思っているから言っているの。」


 真面目な話をしているが目線は本のままのジブルさん。


「日程にもよるけど、お嬢ちゃんたちもそれでいい?」


 本をいったん閉じて、ルンカたちのほうを見るジブルさん。ドンドン話が進んでいく。


「うん。じゃなかった、お願いします。ジブルさん。ジーファねーちゃん。」


 元気よくお辞儀するルンカ。・・・・・ねーちゃんがついていないことに少しだけ反応していたジブルさん。・・・・・触れないでおこう。


「よろしくお願いします。ジブルさん。ジーファさん。」


 丁寧にお辞儀するライジー


「お願いします。」


 淡々とお辞儀するサウラ。


「お、お願いします。」


 3人に倣ってお辞儀するシク。


「ならこの後、食事をしながら、日程を決めようか。」


 才華の言葉で夕食へ行き、結果3日後、俺達は旅行出発。初日と2日目はジーファさん、3日目はジブルさんが魔法の練習を見ることになった。ちなみにコアは冷やかしに行くと言っていた。まあ、シクたちの息抜きにはなるか。


「よーし、これで温泉回を迎えることができる。たのしみ。楽しみ。」


 相談が終わって才華は満足そうにする。温泉回って、通じるの俺達だけだよ。


「温泉回?」


 サウラが首をかしげる。


「在人が、温泉を楽しんでる女性のあんなところやこんなところを見ること。すけべだよねー」


「うわ。」


 サウラにしては珍しくはっきりとした表情だった。明らかに引かれた。どうしてくれんだ。


「ま、その被害者がでないために私たちが体を張っているんだよ。」


「へえ。」


 感心した声を上げるサウラ


「ね、在人。」


「ね、じゃない。俺の落ちた名誉をどうするつもりだ。」


「それは温泉回での行動によるんじゃない。私は帰ってきたら、あ・・・ありのままの起こったこと話つもりなんだから。」


 才華その顔はこの場所にはあっていない。才華だけじゃない、愛音もマアカもその邪悪な笑みはここでだしちゃいけない。


「楽しみにしてる」


「・・・・・・・」


 純粋に楽しみにしているサウラの言葉にどう返せばいいのかわからなかった。







































A 才華  虚無るとかドワォな笑み

  愛音  首置いてけとか、なら戦争だな笑み

  マアカ 夢はいつか必ず叶うとか我は白面な笑み



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