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旅は始まる

作者: 螺旋さかな

タグとか、よくわからなかったので、ごめんなさい。もしも、この話のタグがわかる方いらっしゃいましたら、教えて頂ければ幸いです。

しばらく前に読んだ話に影響受けてるかもしれません。

僕は旅人だ。未知の所へ行くのが好きだ。気に入った町には長く滞在したりする。まあ、気ままにやってきた。数年前までは。

数年前、気に入ったとある町に滞在していた。僕は、そこの国の隣国との関係がかなりピリピリしてることを知ってたけど、どうしてもここに居たかった。その思いが危機感に勝ち、親切な夫婦の家に居候させてもらうことにした。

そして、それから何ヶ月か経って隣国からの宣戦布告。僕の出身国は、この国と仲が良くて、迫害は無かった。しかし、国を出ようとは思わなかった。賢い選択では無かった。でも、やはり、今回も僕の気持ちが勝った。僕の好きなこの国の結末を最後まで、間近で見届けたかったのだ。馬鹿な奴と言われるかもしれない。僕は、こんな奴なのだ。

日に日に追い詰められた。僕の好きなこの国は、もうすぐ滅びるかもしれない。じゃあその最期を看取ってやろう。やはり僕はこんな奴だった。

今朝のこと。隣国が開発した、新型の爆弾が投下された。僕の過ごしたこの町に。その爆弾には、不思議な魔力みたいなものが詰まってるらしくて、何とこの世に穴を開けて、別の世との間の無の中へ、周囲の物を放り込むらしい。

投下される直前、夫婦と食べ物の配給の列に並んでいた。爆撃機が来た。

「逃げましょう。爆撃機は真上よ!」奥さんが叫んだが、もう遅い。走りかけた時に投下された。そして爆発した時の最後の一歩。僕の周りが、夫婦も他人も犬も猫も道も家も、無に消えた。僕は何故か消えなかった(パニックでよく覚えてない)。立ち位置の運が良かったとしか言えないだろう。

辺り一面、無にえぐり取られて、ボコボコの地面になっていた。僕の足元だけ、石畳が残っていた。僕の立っているところが細くそびえる塔のようだ。円柱に残った地面を伝ってそろそろと地面に降りた。

そして今。泣きながらトボトボと、歩いていると、穴を見つけた。地面にぽっかりと。大きさは、人が2人くらい通れるほど。転がる石を投げた。しばらく経っても、何の音も聞こえない。ワクワクしてきた。

「これって?!」

独りで叫ぶ。もしかすると、別の世への入り口かもしれない。この世の誰も知らない未知の領域へ行ける。ドキドキが止まらない。優しい夫婦のことで、悲しいはずだったのに。今すぐにでも行きたい。この国を看取る?そんなことはもう、どうでもよくなってきた。

足を踏み入れてみる。足が無に帰るなんてことは無かった。じゃあ、思い切って。

未練はない。新たな旅への門出を祝おう。さようなら。ああ、楽しみだ。

お読み頂き、誠にありがとうございます。修正すべき点や、作品に対するアドバイスなどもお気軽にどうぞ。

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