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傾国記  作者: Izumi
3/4

3ー名前

久々になってしまいました。

5までかいていますので、少しずつ更新できたらと思っています

あと、もう少し読みやすくしたいと思っています。読みづらくて本当にすみません

白夜を見て、あんな顔をした人は初めてだった。

真姫は夜、寝所でうつらうつらとしながら今日のことを思い出していた。白夜を見た人はたいてい驚くものだが。

あの人―ジン王は目を見開いたと思ったら、優しくふわりと笑ったのだ。

(怖く・・・ないのかしら?)

初めて会った時のことを思い出した。真姫自身もまた、怖くなかったのだ。

怖いどころか、なぜか自分の失っていた半身を見つけたような温かい気持ちになったものだ。

(どこか似てるわ)

そう、かの人とあのジン王は少し似ている。

くすっ。

一人、笑いをこぼす。

そのとき、傍らに寝ていた白夜の耳がぴくっと動いた。

「だれ?」

寝所の入り口がそっと開く。すると意外な人が入ってきたのだ。

「ジン王?」

ジン王はしーっ!と人差し指を立てた。

「ちょっと疲れたから休ませて。」

へろへろ~とソファーに座りこむジン。

真姫は急いで駆け寄ると、温かいお茶を入れた。

「あ、ありがとう。」

やつれたような顔をして、お茶を一口飲む。

「うまい。これ、初めて飲む・・・」

少し驚いた顔で真を見つめる。

「故郷の…アヅマの茶です。緑茶といいます。」

へぇ、といってもう一口。

廊下では側近たちが王を探す声が聞こえる。

「お忙しそうですが、お体大丈夫ですか?」

床に跪く真姫をソファーに誘う。

横にちょこんと座ると、何とも小さい姫だった。

「心配ありがとう。真姫は?疲れは取れた?」

触れようと思えば触れられる距離にいるが、微妙な間をとり続ける王。

少し安心したように真姫が笑う。

「はい。みなよくしてくださっておりますので」

そうか、とうれしそうにつぶやくジン。

「あの・・・ジン王さま?」

なにか言いたげにするジンに真姫が首をかしげた。

「ジンでいいよ」

「ジン王・・・」

戸惑う真姫。ジンは強くもう一度

「ジン」と言わせようとする。

「じ・・・ジン・・・さま?」

「なんか『じいさま』みたいだ」

真姫の変な発音にけらけらと、ジンは笑う。

真姫は困ったように真っ赤になってどもる。

「じ・・じじじじ・・ジン・・・さん?」

「ま、いいか」

くすくすっといたずらっ子のように笑うジン。

「君は?」

「え?」

突然の問いに真姫はまた首をかしげる。

(この子は首をかしげるのが癖なんだなぁ。)

かわいいな、とおもいながら質問を続ける。

「君はなんてよんだらいい?みんなには何て呼ばれていたの?」

「そうですね・・・」

少し表情が曇る。

「妹はねえさま、でした。叔父王は・・・真とか・・・」

言おうか言わないか。

そんな感じで戸惑っている感じがしてジンは笑顔で先を促す。

「バケモノ姫・・・とか」

傍らにいた白夜が頬を寄せてくる。

「ごめんね、白夜は悪くないの」

もう白虎、白夜がいる状況に慣れつつあるジン。

納得したがでも表情には出さないようにうなづく。

「じゃあ、真。真とよんでもいいかい?」

「え?」

真姫は驚いたように聞き返す。

「そう呼ばれていたのでしょう?」

くすくすっと笑うジン王に、ちょっとうつむいて照れている様子の真姫。

すると、ジン王が少し真面目な顔をした。

「すこし、話をしようか。」


少しの間の後、先に真姫が口を開く

「私には想っている人がおります。」と。

ジン王は目を見開き、あからさまに驚く。

「私を唯一、化け物ではないと言ってくれた人でした。ただ今はもう・・・」

真姫は髪をまとめていたかんざしを触る。

ジン王はそれがすぐにその男からの贈り物だと気づき、胸が苦しくなった。

なぜかはわからないが、ぐっと苦しくなったのだ。

「今はもう、天に召されてしまいましたが。」

真姫が言い直し、ジン王を見上げた。


「きっと、その方は私の心からずっと消えません。それでも妻にしていただけますか?」















よんでくださってありがとうございました!

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