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メイドさんから見た、恋の混戦模様。その2

「何だ。レオニール。お前が女性にそのように笑いかけるなんて珍しいじゃないか」

 にやり、とレオニール父ーーリオンさんが口火を切る。

「あ、もしかしてこの娘がお前達の花嫁ってやつか?」

 こちらもにやにやと、アラン父ーーアルフォンソさんが乗ってくる。

 ……こんなところもやっぱり似てるなぁ。


 私達とはタイミングがずれていたのか、迄会うことなかったけれど、お父様方もちゃんと登城して仕事していたらしい。


 子供が成人してすると、まずは父親の仕事の補佐を担当する。そして父親が担当する仕事を徐々に譲り受けていくのが、この国の基本。

 レオニールさんたちの家は双頭って言ってたけど、役職が高い分、仕事の量が半端じゃないらしい。レオニールさん達に少しづつ分担し始めてるとはいえ、お父様方はまだまだもの凄ーく忙しいんそうだ。

 だから、この国の貴族階級の男性は、15歳で成人して仕事に慣れる、20歳前後で結婚する人が多い。と説明された。



 父親ズ相手だと分が悪いのか、レオニールさんはため息を()く。

「違いますよ。彼女はホタルと言って、アランの元の相手です。私達の相手の姉ですよ」

 ……その説明の仕方は詳細までも筒抜けって事ですか。

「ええと……、はじめまして。どうぞこれからよろしくお願いします」

 作法も習っておけばよかったと後悔しながらも、エプロンドレスの裾をつまみ上げお辞儀をする。

 中学の頃、19世紀の西洋が舞台の映画にハマって、葵と一緒に令嬢ごっこしてたのを思い出しながらだから、間違っているかもしれないけど。しないよりはいいよね。

 その映画の主演俳優を葵は一目ぼれしたらしく、ハート乱舞してきゃあきゃあ言っていたっけ。その男優さんを私も素敵だとは思ったけど、葵ほど熱を上げれなかった想い出がある。

 それにしても緊張しているからか、さっきから日本人の得意技・愛想笑いが張り付いてるよ。大分引きつっているけど。


 フム、と私の顔をまじまじと覗き込みながら、

「お嬢さん、可愛いね。……馬鹿だなアランも。こんなに可愛い子を逃すなんて」

 アイツもまだまだ見る眼が足りないな。とアルフォンソさんは哂う。

「今の君も可愛いけれど」

 ついと私の髪を解きながら、耳元で囁く。

「……こうするともっと魅力的だよ」

 私からメガネを外しながら三つ編みで癖が付いた波立つ髪に口付ける。



 …………。

 うーわー。やっぱり血が繋がっているだけありますね。アラン父!

 もーのーすーごーく、女の人に慣れてる感じがしまくりですよっ。

「私が後20歳若ければ口説くんだけどね」

 と大人の余裕で、初めての経験にうろたえている私を見てくつくつと哂ってる。

 ひゃぁぁ。私、今。絶対、自分でも判るくらい首まで真っ赤になってる!

 さすがに見るに見かねたのだろう。

「「アルフォンソ(さん)!」」

 レオニール父子の怒り声が重なった。



「やりすぎだ馬鹿者」とアルフォンソさんを叱るリオンさんの説教を聞きながらほっと息を吐く。

 不測の事態にどのような行動をするのか、私の人となりを見るために行ったことらしい。

びっくりしました。あーもー。



 手元に櫛が無いのでとりあえず眼鏡だけをかけなおし、そのままだと邪魔なのでゆるく編み束ねる。

 レオニールさんはじいっと私の顔を見つめていた。首を傾げつつ、何ですか? と問う。

「アオイと双子だったのだな。そっくりだった」

「そりゃあ一卵性ですから」

 世の中には性別が違ったりして似てない双子もいるけど、その人たちは二卵性。

 一つの命が分裂しての一卵性双生児はまるっきり同じ顔だ。


 けれど、産まれた時は似ていたらしい私と葵は今や見間違われることはない。

 ちょっとづつ、性格も、髪質も全然違うからね。

 眼鏡がないと見えないし、眼鏡込みが私の顔だと思ってる。

 例え今葵が眼鏡をかけても、きっと私みたいに地味に感じる事はないだろう。

15禁ならコレくらいの表現良い…よね?

予定の分までなかなか進みません…

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