表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

小さな太陽、その心情。

これまでの話の葵視点のあらすじ?

 高校に入ってすぐに告白されて付き合った初彼は一週間で別れた。

 元々の好きの温度差が違っていたのもあるだろう。

 押し切られてつい頷いただけで、彼のことはそんなに好きじゃなかったんだと、今はわかる。


 色々な知識を幅広く吸収したい私と、コレと決めた専門知識を詰め込みたがかった彼とは話が合わなかった。


 別れの決め手は、彼の、

「蛍ちゃんは地味だけど、葵はひまわりみたいに可愛いよね」

 という一言だ。彼にとっては私への賛辞のつもりだったのかもしれないけど、私をひまわり呼ばわりしたのと同時に蛍を引き合いにしたのが許せなかった。

 何時だったか、向日葵(ひまわり)って小さな太陽って言うんだろ?と「ちびサン」とあだ名を付けられそうになった。

 もちろん問答無用で逆襲したけれど。

 それ以来、私は自分の名前が好きじゃなくなった。

 葵という名前は、まぁ気に入ってるけど、フルネームは…ね。




 名は体を現すとはよく言ったもので、私が昼なら姉の蛍は夜だ。

 蛍はこちらがやきもきするくらい大人しい。

 お菓子作りが上手で控えめな蛍は、実は影で結構もててるのに自分では気付いてない。

 私も簡単な料理ならなんとか作れるけど、材料をきちんと量るお菓子作りは苦手。

 だから美味しいお菓子が作れる蛍を尊敬してる。本人わかってないけど。

 私にとっての蛍の一番の魅力は、人見知りの蛍が見知らぬ人が多い所で所在無さげにしている時に声をかけたら、安堵して心からの笑顔を向けて近寄ってくる所だったりする。

 優越感や庇護欲をそそられるっていうの? そういう子が好みだって言う人にはたまらないんじゃないかと心配なんだ。

 実際、去年の夏休みに家洗いしていた蛍の夏用のセーラー服の上が盗まれたんだよね。

 もう着ないからって予備の制服だけで一ヶ月過ごしたけど。

 それ以外の実害が無かったから、親にも誰にも言っていない。言っていたら今頃は強制で海外だろう。

 注意を促しても「葵の制服と間違えたんじゃない? 葵こそ気をつけないと駄目だよ」とか「葵は可愛いからモテてるけど、私はモテないから大丈夫だよ」と笑うだけだけど、あなたもおんなじ顔でしょうが!

 まったくもう!





 いきなり飛ばされた世界で、遇ってすぐの人から花嫁扱いされた時は面食らった。

 いくら顔が良い人だからとしても、何言ってんの? って引くよね?


 もし一人だったら戸惑って混乱して泣き出して、きっとその場から逃げ出していた。

 私が落ち着いて居られたのは蛍も一緒だったからだ。

 幸い引き離される事は無いみたいだから、それに関してはちょっと安心してる。



 けれどね? 蛍が拒否ったせいか知らないけど。

 アランさんは蛍と赤い糸で結ばれて居たはずなのに、何故か私と運命が繋がったみたいで……。

 私今、二人の美形さんの花嫁扱いされて困惑してます!


 レオニールさんは価値観が合うのか話してて楽しいし、勉強になる。一緒に居ると落ち着いた雰囲気でくつろげる感じがするし。……実は理想が集大成なんだよね。見ているだけでドキドキするんだ。



 アランさんは一緒に居ると楽しい。性格が似た所があるのか、まさに友達って感じで楽に過ごせるんだ。


 だから、どちらか選べといわれても困るんだよ。ホント…。

 どうせならアランさんには蛍と上手くいって欲しかったと思う。


 そしたら悩まずにすんだのに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ