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小さい人々

作者: せおぽん

トトは、エノコログサを籠一つ分摘み終えると、娘のミミを呼んだ。


「バッタはどれくらい取れたんだい?」


「じゅうも取れたよ」


「ふたつは逃がしなさい」


「なんで?」


「今日食べる分だけあれば良いんだよ。ふたつは明日の分さ」


家に戻り、家族総出でエノコログサの種をむしる。粉を挽いてパンを焼くためだ。すぐに粉は挽けない。数日乾燥させ、毛を除き平たい石で擦りながら粉を得る。今日の収穫は未来の為だ。


「トト、今年は粒が大きいわね」


「そうだね。来年は小さいかもしれない。別の場所も探しておこう」


「お父さん、なんで? 来年もきっと大きいよ」


「そうだね。でも、良い時には悪い時の事を考えないといけないよ」


「ふうん」





夕日が沈む。

トトと、その妻のララ、娘のミミの3人で夕日に頭を下げる。今日の平和に感謝するのだ。


夕飯はエノコログサ粉のパン。バッタのソテー。


「ララ、豆乳酒は?」

「ごめんなさい。もう無いの。次のは1ヶ月したら飲めるわ」

「そうか。良いんだ。次が、楽しみだな」

「明日は?」

「丘に登ってみるよ」



朝日が昇る。

また、3人で頭を下げる。


今日は、鶏が卵を産んでいた。

トトはロバにミミを乗せて、丘に昇る。


丘の上で、ミミに良い野草の生えている場所や薬草の場所、大きい野生動物のいる場所を指し示す。


「お父さん。あれは?」


ミミが遠くに煙が上がる場所を示した。


「海の村だよ。いつかお前は、あそこに嫁ぐんだ」


「嫌だよ。お父さんとお母さんとずっと一緒にいたいよ」


「そうだね。もう少し大人になったらわかるよ」


夕日が傾きかけている。パンが焼ける臭いがする。

ララが遠くから、こちらに手を振っている。


トトは、ロバにミミを乗せて丘をゆっくりと降りていった。


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