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206  作者: Nora_
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「ただいま」

「あれ、早かったね?」

「ああ、母さんがうるさいから予定を早めたんだ」


 はは、でも、ここで休めているということならいいな。

 とはいえ急だったからご飯を食べてもらうということもできない。


「ん? 誰か来ているのか?」

「うん、楓ちゃんと聡子ちゃんがね」

「仲良くできているようでなによりだ」

「うん、私の方にも優しくしてくれるからありがたいんだ」


 ただ、楓ちゃんが優しかったのはあのときだけであれからは聡子ちゃんと一緒にちくちく言葉で刺してくるようになったのがなんとも……。

 保香が味方をしてくれているからまだなんとかなっているものの、そろそろ爆発してしまいそうだ。


「あ、来たわよ」

「そもそもここはお姉ちゃんの部屋だからね」

「私は別に保香の部屋でいいって言ったけどね」


 そう、お部屋を占領されていたから一階にいたのもあるんだ。

 でも、おじさんに休んでほしいから再び戦場に戻ってきたことになる、味方をしてもらうために保香にくっついた。


「お姉ちゃんあったかい」

「でしょ?」

「このまま一緒に寝ちゃおうかなー」

「いいよ」

「待ちなさい」


 どうなると黙って見ている間に味方が連れて行かれてしまった、しかも何故かそのまま抱き着いていた。

 気づかない間に色々と変わっているみたいだ、だけど恋の話は嫌いじゃないから聞いていた。


「そういうのじゃないわよ、つか私はいまでも楓のことが好きなのに煽ってんの?」

「煽ってはいないよ」

「私も違うよ、聡子ちゃんに原因があるわけじゃないけどね」

「興味があるから教えてよ」

「お姉ちゃんを狙っていたんだよっ、言わなくても分かるでしょ!」


 分からない分からない、分かった気になって行動をするのも危険だ。

 あとこれはいつもみたいに冗談扱い、嘘扱いにすることはできなかった。


「え、あんた達は血の繋がった姉妹でしょ?」

「好きだったもん、迷惑をかけたくないから黙っていただけだもん」

「いやそうじゃなくて、保代が楓と付き合っていなくても告白はしていなかった……わよね?」

「分からない、楓ちゃんと決めていなかったら告白をしていたかもね」


 こう言ってはなんだけど私は二人じゃなくて私だ、いくらでも言う機会はあった。

 楓ちゃんのそれをすぐに受け入れられたように妹からのそれだって関係はない、だけど黙られていたら前に進むことはないわけだ。


「じゃあ楓大好きな人間としてはこうなってよかったわ、振られて傷ついているところなんて見たくないもの。振られていなくても可能性がないことに頑張り続ける楓を見たくなかったもの」

「別に上手くいっていなくても変わらなかったけどね」

「私が嫌だから言ってんの」


 聡子ちゃんのために変に動いたりしなくてよかった。

 顔を合わせる度に引っかかってしまいそうだったから本当にね。

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