慣用句
先ずは多分ただの誤字だけど面白かったシリーズ。
『大粒の宝石を取得した際は是非とも当ギルドへなんて手揉みしながら言ってたっけ』
「揉み手しながら」ね。めっちゃ肩揉みながら話しかけてくるセクハラ課長思い浮かべたわ。
『基本的に社会はあっけなく死んでいってしまった男らのもので彼らが全滅した際の混乱は想像に難しくない』
これ偶にみる。「想像に難くない」ね。間違って覚える気持ちはわかる。意味は想像するのは難しくない、やもんね。
『剃りが合わない』
コレ過去最高に笑った。昭和のヤンキーが剃り込み突き合わせてメンチ切ってる。ハイキューの龍ちゃんと虎の初対面のシーンの感じ。なんやこらやんのか?あぁ?って。
「反りが合わない」ね。刀と鞘の反りが合ってなくて刀を納められないのよ。そら一緒にしとかれへんやろ?
『金は人を惑わせるというから、自分を律していかなければと、肝に命じている次第だ』
これも偶に見る。「肝に銘じて」下さい。心に刻むんであって、肝が勝手に何かしてくれる訳ではないからね。
肝と言えば「肝入り」って辞書に載ってるねんね。元は「肝煎り」肝がジリジリ焦げるほど気を遣って手間を掛けてやる、って意味。「このプロジェクトは社長の肝煎りで始まった」ってな感じ。レバー嫌いなんで、肝入ってたら食べません。(何の話
辞書に載ってるといえば「初心に帰る」もそーやねんね。私は初心に返るって書くわ。
でも童心に返る、なら、帰るでもいい気がする。もーひらがなでえぇて…
「眉を顰める」と「顔を顰める」。
読める?眉は「ひそめる」、顔は「しかめる」。
そら混同するよねぇ。『眉をしかめる』になっていってる気がする。顰めっ面とかで使うから、顔はひそめないわな。
『ちょっと嫌そうに眉を潜めているけれど、ディエンさんのことを本気で咎める気配はない』こんなの見つけた。なるほど、こうなるのもあるのか。
「的を射ている」と「当を得ている」。
『的を得ている』になってるの見たことある。当を得ているが廃れてるのかな。
『根を上げる』は「音を上げる」ね。気持ちは分かる、根性足らんようになる感じよね。
「徒に」と「悪戯に」。
『悪戯に弄ぶ』とかほんとよく見る。…もぅ、イタズラしないの…な時は悪戯なんやろけど、意味もなく徒然に弄ぶなら徒よね。
最後に創作慣用句の件。
『観劇後、近くのカフェで腰を休めながら、花梨は先ほどの演劇の内容を思い出す』
抱き潰された翌日に元気に観劇ですか。腰はちゃんと休めた方がいいですよ。
元ネタは「足を休める」+「腰を落ち着ける」かな?
獣人さんの国で永住を決めた花梨ちゃんは、特権階級の身分証を貰えることに。
『職探しに役に立つよ? なんて言われたら、花梨としては受け取らざるを得ないだろう。この地に足を付けるにあたって、一番大事な部分だ』
「根付く」+「地に足のついた」かな?
「地に足がついてる」という慣用表現は相撲由来かな。「浮足立ってない」「どっしりしっかりしてる」という意味やし、言いたいことはわかる。でも動詞で『足を付ける』はオリジナルよね。手やら唾、土はつけます。泥は塗ってね。
そういえば『嗚呼、きっと無教養なのだな、と思わざるおえません』って書いてた人がいたな。自虐の皮肉かと思ったわ、嗚呼含めて。
そこは間違ってないね、うん。
『花梨はルーイの頬に触れる。そして、そのまま足を伸ばしてキスをした』
コレしばらく情景考えたわ〜… 多分「背伸びして」よね?自信ないけど。
足を伸ばすのはお出かけ先だけにして下さい。物理的に足を伸ばしたのか?!ゴムの人みたいに。だったらごめん。
『濁りのない言葉とまなざしで告げられ、サラは身をつまされるような心地になる』
話の流れからして「身につまされる」じゃなかったんだよね、確か。
そもそも、身につまされる「心地になる」って変よね。身につまされてるのは本人なんだから、つまされるかつまされないかの2択のはず。「身の置きどころがないような心地になる」なら意味が通るかな。