助詞、そして多大なる脱線
いわゆる「てにをは」です。
こいつも手強い…
ホントに書き手の癖が出る。それが味になることも多いですが、是非改めて自分が書いたものを読んでみて下さい。前後含めて2、3文の中で同じ助詞を繰り返し使っていませんか?
《私へと向いていた眼差しが床へと下がり、彼の指先は机の下へと転って行った小瓶へと伸ばされた》とか。
マイクを持って話す時に《えー、はい、それではですね、えー皆様揃われたようなので始めさせて頂きたいと思います。まずはですね、えー今回の件では、あー…》と「えーね」が多い人、居ません?真面目に聞くどころか、何回え〜て言うんか気になって資料の隅によく正の字書いてましたわ。そういう発表は資料読めばわかる事を喋ってはるだけなので、その程度の集中で大丈夫。(偏見
上手い人は「それでは皆様揃われた様なので始めさせて頂きます。まず今回の件ですが…」とシンプルにやります。
でもこれ、やってる本人は気付いてないんですよね。助詞の繰り返しも同じ。書いてる時は気付かないんです。是非読み返して、ここは「へと」じゃなくて「に」か「へ」にしよう、と思って下さい。それだけでぐんと文が流れます。
でもね、これをね、誤字報告でやっちゃったんですよね……ほんっとにごめんなさい。あれは完全に添削でした。話は面白いのにもったいなくて!…いやほんと、送信取消できたらいいのに。真面目に反省してます。今後は気になっても、もう絶対、我慢して読み流します!!
閑話休題。
長い文ほど主語述語関係、修飾関係が見えにくくなる上に、日本語は主語が物凄くどっか行く。だからSVOC(文中の要素)の関係を示す助詞はとても大事、なのにまたこれも数が多くて似たようなのばっかり!それぞれ一個にせぃ!と言いたい。
『市井には素晴らしい人が大勢いることに、修道院に来て初めて知った』
主語「私」です。私は知った。何を?ってなりますよね。
私は〜ことに「気づいた」にして欲しいんです。ね、めんどくさい。
動詞によって使い分けるのは英語の前置詞on,in,atに似てるよね。
『病院に使える様々な魔道具を作った』
これ、病院で、にして欲しい。「指先が胸元に下りていく」みたいに、「に」のイメージは動きの終着地点なのよ。建築資材なら病院に使えるけど…医者の彼氏の為に魔法や道具を開発する話やったな、確か。
でも誤字…ではないし、これは添削だよね…といつも涙を飲んでます。
いつか誤用例文集やろっと。
「に」で思い出した。
『この街に訪れる冒険者はそう多くない』
違和感あります?
え、何の話?ってなります?
私コレ、「を」にしたいです。
モノが主語なら、「魔王が討伐され、世界に平和が訪れた」と違和感ないですが、人は場所を訪れるものなんじゃない?と思う。「王都を初めて訪れた人は皆一様にこの赤い大聖堂を見上げて首をひねる」とか。
「サンタが街にやって来た」のように、「来る」「行く」は移動が主目的だけど、「訪れる」は行った先で何かをするのがメインだから、かなぁ…
言語は変わっていくものだから、「全然大丈夫!」や「あわや大当たり」、「こちらお釣りになります」のように違和感を持たない人が多くなれば、それは間違いではなくなるんです。
だからこそ「〜に訪れる」「〜へ訪れる」がどれくらい受け入れられてるのかが気になる今日この頃です。
( ゜д゜)ハッ! エロくない!