動詞だけおかわり3回目、箸休めに形容詞
前にちらっと触れた「たえる」。
悪役令嬢物で逆ハーエンドのヒロインが『見るに耐えない嬌態を晒した』りするの、よく見かけます。
「耐える」は我慢する。「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」みたいな。
「堪える」が値する。「その任務に堪えるだけの能力がある」とかも言うけどやっぱりよく使うのは「聞くに堪えない罵詈雑言」や「慚愧の念に堪えない」のような「〜に堪えない」の形かな。
「絶える」も仲間に一応入れとこか。
ていうか堪えるが「こらえる」とも読むのが全ての原因か!
「涙を堪えて笑顔で見送った」り、「実は射精感を堪えるのに必死」になったりするからか!!
こらえてます!たえてません!!!
は〜納得。
ってか、堪らないとも読むよね。
「もう可愛くて堪んないんだけど…」とか。
そか、コイツが紛らわしいのか。
お次は聖女物でよく見た「なおす」。
「治す」治療するのは生物、「直す」修理するのは無生物、かな?獣人さんに『今すぐ直してあげますからね』とか言うてて、突然の差別主義!?って思った。
完全別話ですが、関西弁では片付けることも「直す」と言います。「使ったおもちゃはちゃんと直しなさい!」て叱っとったら関東人のダンナが工具箱出してきたって言うね。
あと「あたたかい」もそういえばよく見る。でもこれはそこまで違和感ないかも。温かいが暖かいになってることが多い印象。
『温かい部屋で暖かい食事を取る』とか?
「彼のあたたかな腕の中で幸せな微睡みに揺蕩う」のは「温かな腕の中」の方がいいのかな。でも「暖かな腕の中」だとほっこり包まれてる安心感が出て、好きかも。大丈夫寒くないよ、抱っこされてると暖かくて幸せ♡みたいな。
そう、正しい用法が知りたければ逆の意味にすればいい。温冷と寒暖、対は分かりやすい。
誤用例で言えば✕冷たい部屋で寒い食事を取る→〇寒い部屋で冷たい食事を取る→暖かい部屋、温かい食事が正解。
でも表現として「冷たい部屋」って「寒い部屋」とは違う意味があるでしょ。火の気も無いし人気もない、冬の夜疲れて帰ってきた一人ぼっちの部屋、みたいな。ただ寒いだけじゃない感じ。
ってことは「温かい部屋」もありやんな?と違和感が薄れるわけです。