妖血の禍祓士は皇帝陛下の毒婦となりて
嘽(せん)皇国を治める剋帝(こくてい)姫(き)舜(しゅん)は、この世に存在するまことしやかなる存在が見えすぎるほどだった。
目の前にどれだけの美貌の持ち主がいようが、その顔は靄で覆われて、更には黒い蟲が張り付いて、とても見れたものではない。舜には皇后を含む五人の妻がいたが、誰一人として食指が働くことも無かった。
それ故か、明君と呼ばれるほどの皇帝でいあっても、影では『種無し』などといった不名誉極まりない噂まで出回るほどだった。
更には、舜は謎の病に犯されて日に日に身体は不調を訴える。腕の立つ侍医にも、不治の病であると言われ、『呪い』なのではないのかと侍医は匙を投げる。
そこで、侍医は古い資料を漁った末に、一つの当てを見つけてくる。
それは、古く――それこそ八代前の皇帝から辿り着いた『禍祓士(まがはらいし)』なる一族、姚家であった。
そうして呼ばれた姚家の一人――姚(よう)流麗(りゅうれい)は颯爽と現れた。黒い道袍(どうほう)に身を包み、白い仮面を身につけた女。
流麗の顔には黒い靄も蟲も無い。舜は瞬く間に興味を抱いたのだった。
目の前にどれだけの美貌の持ち主がいようが、その顔は靄で覆われて、更には黒い蟲が張り付いて、とても見れたものではない。舜には皇后を含む五人の妻がいたが、誰一人として食指が働くことも無かった。
それ故か、明君と呼ばれるほどの皇帝でいあっても、影では『種無し』などといった不名誉極まりない噂まで出回るほどだった。
更には、舜は謎の病に犯されて日に日に身体は不調を訴える。腕の立つ侍医にも、不治の病であると言われ、『呪い』なのではないのかと侍医は匙を投げる。
そこで、侍医は古い資料を漁った末に、一つの当てを見つけてくる。
それは、古く――それこそ八代前の皇帝から辿り着いた『禍祓士(まがはらいし)』なる一族、姚家であった。
そうして呼ばれた姚家の一人――姚(よう)流麗(りゅうれい)は颯爽と現れた。黒い道袍(どうほう)に身を包み、白い仮面を身につけた女。
流麗の顔には黒い靄も蟲も無い。舜は瞬く間に興味を抱いたのだった。
第一章 目に映るは煤けた世
第一話 華美も霞む
2024/05/12 20:03
(改)
第二話 皇帝陛下は多忙である
2024/05/12 20:05
(改)
第三話 禍祓士 壱
2024/05/12 20:08
(改)
第四話 禍祓士 弐
2024/05/12 20:18
(改)
第五話 悪意転じて禍となる
2024/05/13 20:43
第六話 女の園
2024/05/13 20:43
第七話 浄化の儀 壱
2024/05/14 21:23
第八話 浄化の儀 弐
2024/05/14 21:24
第九話 浄化の儀 参
2024/05/15 22:25
第十話 何も知らない
2024/05/15 22:25
第十一話 消えない縁
2024/05/15 22:26
第二章 怨讐に沈む
十二話 皆様噂話がお好きなようで 壱
2024/05/16 08:18
第十三話 皆様噂話がお好きなようで 弍
2024/05/16 08:19
第十四話 皆様噂話がお好きなようで 参
2024/05/16 08:36
第十五話 憶測 壱
2024/05/16 12:08
第十六話 憶測 弐
2024/05/16 12:09
第十七話 姚家 壱
2024/05/16 12:18
第十八話 姚家 弐
2024/05/16 12:19
第十九話 優雅なお茶会 壱
2024/05/16 12:42
第二十話 優雅なお茶会 弐
2024/05/16 12:43
第二十一話 真実 壱
2024/05/16 17:42
第二十二話 真実 弐
2024/05/16 17:51
第二十三話 真実 参
2024/05/16 17:51
第二十四話 取り残された心
2024/05/16 17:52
第三章 愛を乞う
第二十五話 温もり
2024/05/16 20:27
第二十六話 愛しき我が子よ 壱
2024/05/16 21:24
第二十七話 愛しき我が子よ 弐
2024/05/16 21:24
第二十八話 愛しき我が子よ 参
2024/05/16 21:25
第二十九話 夫婦
2024/05/17 07:39
第三十話 毒婦 壱
2024/05/17 12:05
第三十一話 毒婦 弐
2024/05/17 12:05
第三十二話 毒婦 参
2024/05/17 12:06