表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

92/400

Ж-21 踊る異世界議場 ~Cold Extrapiece~ ④





「取り敢えず、 この敵が視えない “七人の侍” 状態なんとかしよう。

観た事ないけどね!」


「な!? あの不朽の名作を、 観ていないのか!?」


「だってアノ人の映画観た後モヤモヤするんだもん。 長いし」


「いや、 それは巨匠の拘りと矜、」


「それは後程お伺い致しましょう、英霊閣下(かっか)


 長年の功で爺ちゃん流石に仕切り巧いね、

でもオレは陛下で相方は閣下なんだ、 違いが解らんな。

 改めて席に着き、 その後は各々持論を展開して白熱した議論、

今そこにある危機と、 何れ(きた)るべき危機と、 訪れたら破局する危機を

明確に分けて細分化し決して混同しないよう注意を払いながら

一つ一つ対策を練って潰していった。

 オレの氷の魔導(アイス・ウィード)が大活躍、 でも喋ってる途中でコップ出してくるの

ズリーよ、 ディベートの戦術使ってるじゃんソレ!

何でオレだけハンデ付き? 


 まぁオレの打ち出す対策がほぼサーチ&デストロイ(悪・即・斬!)

過激だった所為だろうけど。

 後半自分達の命とこの村の命運が掛かってるのに

何か楽しくなってきちゃったよ、 ソレはオレだけだとは言わせない。

 この状況でグッスリ寝てたミウもある意味スゴイと想うが。

 そして、 やがて室内に差し込む西日にようやく気づき、

三者三様テーブルに突っ伏し精も根も尽き果てた頃、

知恵熱だけではない他の凶暴な神経熱を伴いながら

議論が一応の妥結点を見出した後。


「氷、 いる人ぉ~……」


 弱々しく二つの手が上がり、 こちら見る事もせずコップだけ

振るえる指で差し出してくる。

 はっきり言って戦いより疲れたわ、

殺すより護る事の方がこれほど難しいとは。

 話し合いだけでこれじゃ先が思い遣られるね。

 どこぞの年齢詐称(さしょう)疑惑のある高校生張りに呟きたいわぁ~。


 やれやれだぜ――。


挿絵(By みてみん)


NEXT PHANTASM…Ж




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ