Ж-21 踊る異世界議場 ~Cold Extrapiece~ ③
「どーゆーこと?」
考えるのメンドくなったから相方に任せる。
表情変わらないけど多分怒ってるね、
珍しく腕組んでるもん。
「“神託” の預言に、 どのような法則性があるのかまでは解らぬが、
魔皇で在る君を軸に起こった預言である場合、
そのキーワード、 顕著なる繋がりを示す物証として、
“彼女” の存在は欠かせないというコトだ。
少なくとも『サーシャ』、 『ハーフ・エルフ』、 『隠れ集落』、
この三つの事象は間違いなく露見するだろう。
目的に辿り着けない預言に意味は無いからな」
あぁ~、 なるほどなるほど、 やっぱりね。
「つまり、 オレの所為でこの集落が血の海火の海になるってコトね。
今すぐ此処からトンずらこいても、
“サーシャに逢った” “アノ娘の村は此処” “そしてオレ達が訪れた”
っていう 「事実」 は取り消せないから、
“神託” でオレを殺しに来るヤツ等は必ず此処を探し出すってコトか。
仮に居なくても尋問という名の拷問はするだろうし、
何より 「宝の山」 だからね」
「そのような意味では!」
「君の所為ではないッ!」
うぉい、 吃驚した。
大声で二人でハモるなよ。
齧ろうとした氷落っことしちゃったよ!
「アナタ様の御加護を期待せなんだと云えば、 それは偽りとなりましょう!
しかしながら無益なる戦いにアナタ様を利用しようなどとは
滅相も御座いませぬ!
ただ御助力叶わぬならばこの集落を捨てる覚悟を、」
「君だけではなく私も預言されたとは何故考えぬか!
寧ろ 「魔の者達」 への神託ならば当然対象は私であろう!
何れにしろ彼奴らとてこの集落は見逃すまい!
にも拘らず内罰どころか自虐など、
最も愚かな行為の一つだぞ!」
あぁ~、 もう、 ハモってるから何言ってっか解ンねーよ!
オレは昔の微妙に大きい一万円札の人じゃねーんだ!
しかも噛まずにワンブレスで言い切ってるから余計に解り辛い!
解った、 解ったから落ち着けって!
フゥーフゥー言ってて怖ェよ二人共。
取り敢えずジュース飲も、 この直方型の壺に入ってるのね、
氷マシマシで。
あぁ~いーよ、 いーよ、 御付きの者達、 オレがやるから、
っつか君等ムカつかねーの?
オレの所為で村がヤバイってのに。
「神託で御座いまする」
「我等は長老様の命に従うのみ」
あぁ、 そう、 若干睨んでるのが気に掛かるけどね、
まぁそこらへんは喧々諤々があったにせよ
予め言い含めてあったんだろうなぁ~。
ぶっちゃけ今更キレても喚いてもどうしようもないからね。
居直るわけじゃないけど居直るしかない状況、
もうオレが自殺すれば良いって話じゃなくなってるし。
多分死体を寄越しても、 この村は蹂躙されるでしょ、
「宝の山」 なんだから。
兎に角、 今は感情は排して、 現実レベルの話だけを進めよう。
煽ったオレが言うセリフじゃないけど。




