Ж-19 纏ろ得ざる者 ~Disapproval Tribe~ ④
≪CAUTION!≫
アビスちゃんの解説に拠ると、
「信仰心」の強い者に、 時偶顕れる稀少異能だそうだ。
その名の通り 「神々の声」 を聴き、
『預言』 に近い効果を得られるのだと云う。
オレの存在は、 アビスを透して “女神エレクシエル” とやら
に筒抜けだろうから、 そっからその思念なりなんなりを受信したんだろうね。
となると――
「やっぱさ、 集落の中まで行って良い?」
唐突なオレの言葉に、 サーシャは一瞬驚くがすぐに、
「本当ですか! 弟達も、 村の皆も喜ぶと想います!」
嬉々とした声で無垢な表情を向けてきた。
「出来れば数日滞在したいんだけれど。
無論代金は払うし寝床は自分達で用意する。
飯の用意も要らないよ」
「そんな事、 出来ません!
もし魔皇様が来訪なされた時に備え、
手厚く遇する為にみんな毎日頑張っています。
私も今日集落を出たのは、 美味しい果物を陛下に捧げたいからであって、」
必死に冷や汗を飛ばしながら少女は言葉を告げるが
ソコは端折って相方を見る。
うん、 やっぱ同じコト考えてたか、 杞憂である事を願うがね。
おいソコ、 フラグ、 フラグって言うんじゃない!
その旗へし折るために予定変更なんだよ!
そう言い訳しながらなんか同じ所ぐるぐるぐるぐる、
上・上・下・下・左・右・左・右ってカンジなんだけれど、
サーシャ曰く微妙な違いが有るんだってさ。
オレの “魔眼” でも見抜けないから異能とは関係ない、
「経験」 で身に付く感覚と習性なんだろうね。
相方は何か解ってるっぽいのが悔しいが。
そーゆーわけで最後の巨大な壁みたいな茂みをガサガサ、
切り立った台地の上に集落はあるから、
場所間違えると谷間の下に真っ逆さまだってさ。
ソコまで苦労してるってのに、
その小さな女の子にナニしようとしてくれてたんだあのクズ共。
あ~、 本当殺しといて良かった。
暗い森の帳、 ようやく人工的な痕がある直線の通路を抜けた先、
『深淵迷宮』 名には似つかわしくない牧歌的な光景が広がった。
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今日はここまでです。




